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上野竜生です。4次方程式の解の個数に関する問題を紹介します。微分まで習っていれば微分で計算するのが基本ですが,そんなことをしなくてもできるパターンを紹介します。

例題1 複2次式

aを実数とする。
\( x^4-ax^2+a^2-1 =0 \)の実数解の個数を求めよ。
答え\( x^2=t \)とおく。tとxの解の個数の対応は
t>0のときt1つにつきxが2つ対応し
t=0のときt1つにつきxが1つ
t<0のときt1つにつきxが0個対応する。
\(f(t)= t^2-at+a^2-1=0 \)の解の個数を考える。判別式をDとする。
\( D=a^2 - 4(a^2-1) = 4-3a^2 \)
D<0,つまり\( a<-\frac{2}{\sqrt{3}} , a> \frac{2}{\sqrt{3}} \)のときtが0個でxは0個。
D=0のとき,\( a=\frac{2}{\sqrt{3}} \)のときはt>0の解を1つもつのでxは2個。
\( a=-\frac{2}{\sqrt{3}} \)のときはt<0の解を1つもつのでxは0個。
D>0のとき
f(0)<0,つまり-1<a<1のときはt>0とt<0の解を1つずつ持つのでxは2個。
f(0)=0のとき,a=1ならばt=0,1なのでxは3個,a=-1ならばt=0,-1なのでxは1個
f(0)>0のとき 軸のt座標が正ならtは異なる2つの正の実数解をもち,軸のt座標が負ならtは異なる2つの負の実数解をもつ。
よって\( 1<a<\frac{2}{\sqrt{3}} \)のときt>0の解が2個になるのでxは4個。
\( -\frac{2}{\sqrt{3}} <a<-1 \)のときt<0の解が2個になるのでxは0個。

D<0は実数解がないからそれ以上気にする必要はないですし,D=0となるaは有限個しかないので全部調べればいいですね。
D>0のときは実数解が2つあるので「正の解と負の解」をもつ条件や「2つの正の解」を持つ条件など数Iで習ったことを総動員させます。

あとは整理して答えとすればいいですが,同じ記述が繰り返されるだけなので省略します。

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例題2 2次式×2次式に因数分解できるパターン

aを実数とする。
\( (x^2+ax+10)(x^2+2ax+36)=0 \)の相異なる実数解の個数を求めよ。

基本的には左の2次式の判別式と右の2次式の判別式を求めて整理すればOK…
といいたいところですが,1か所だけ落とし穴があります。
それは左の2次式と右の2次式が共通解をもつときは1回重複されているので解の個数を1つ減らす必要があるということです。共通解をどうやって調べるかも注目ポイントです。

答え\( x^2+ax+10=0 \)と\( x^2+2ax+36=0 \)が共通解pをもつとする
\( p^2+ap+10=0 , p^2+2ap+36=0 \)
つまり,\( 2ap=-2p^2-20=-p^2-36 \)
となるから\( p^2=16 \) ∴\( p=\pm 4 \)
\( 2ap=-2p^2-20=-52 \)より\(\displaystyle a=\pm \frac{13}{2} \)
よって\(\displaystyle a=\pm \frac{13}{2} \)のとき,共通解をもつ・・・(★)
\( x^2+ax+10=0 \)の判別式を\(D_1 \)
\( x^2+2ax+36=0 \)の判別式を\(D_2 \)とする。
\( D_1=a^2-40 , D_2 /4=a^2-36 \)より
\( -6<a<6 \)のときは\( D_1<0 , D_2<0 \)となり,解は0個。
\( a=\pm 6 \)のときは\( D_1<0 , D_2=0 \)となり,解は1個。
\( 6<a<2\sqrt{10} \)のときは\( D_1<0 , D_2>0 \)となり,解は2個。
\( a=\pm 2\sqrt{10} \)のときは\( D_1=0 , D_2>0 \)となり,解は3個。
\( a>2\sqrt{10} , a<-2\sqrt{10} \)のときは\( D_1>0 , D_2>0 \)となる。
(★)より\(\displaystyle a=\pm \frac{13}{2} \)のときは共通解をもつから異なる実数解は3個。それ以外の時,つまり
\(\displaystyle a<-\frac{13}{2}, -\frac{13}{2}<a<-2\sqrt{10} , 2\sqrt{10}<a<\frac{13}{2} , a>\frac{13}{2} \)のとき異なる実数解は4個。

例題2のようなタイプが共通テスト数IAで出題されました(共通解を求める部分に誘導あり)。全く誘導がないと数IIの範囲でも一部分に誘導をつければ数Iレベルに落とされてしまうので今後はこのレベルにも対応していく必要があるということです。

 

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