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上野竜生です。問173の答えを発表します。

問173

xy平面上に,O(0,0),A(1,0),B(1,1),C(0,1)をとり,正方形OABCの周および内部を領域Dとする。
(1)点Pが線分BC上を動くときのOPの垂直二等分線が通過する領域をD1とする。
領域Dと領域D1の共通部分の面積を求めよ。
(2)点Qが線分ABと線分BCからなる折れ線ABCを動くときのOQの垂直二等分線が通過する領域をD2とする。
領域Dと領域D2の共通部分の面積を求めよ。

 

答え

答 (1) \(\displaystyle \frac{7}{24} \) (2) \(\displaystyle \frac{29}{12}-\frac{4\sqrt{2}}{3}\)

(1)P(t,1)(0≦t≦1)とおく。OPの垂直二等分線の式を求める。
OPの中点の座標は\(\displaystyle \left( \frac{t}{2},\frac{1}{2} \right) \)
OPの傾きは\( \displaystyle \frac{1}{t} \)だから(※注1)垂直二等分線の傾きは\( -t \)
よって垂直二等分線の式は
\(\displaystyle y-\frac{1}{2} = -t\left(x-\frac{t}{2} \right) \)・・・①

注1・・・ 0<t≦1のときはこの論法で①が得られる。t=0のときO(0,0),P(0,1)の垂直二等分線は\( y=\frac{1}{2} \)である。これは①にt=0を代入したものと一致するので結局0≦t≦1において垂直二等分線の式は①である。

①が0≦t≦1を動くときの(x,y)の通過領域を求める。
tについて整理すると
\( t^2-2xt + (1-2y)=0 \)・・・②
これが0≦t≦1の範囲に解をもつような(x,y)の条件を求めればよい。
このとき,最終的に求めるのはDとの共通部分だから0≦x≦1の範囲だけ考えれば十分であることに注意する。

②を平方完成させて
\( (t-x)^2 + (1-2y-x^2)=0 \)
これの左辺をf(t)とおく。0≦t≦1におけるf(t)の最大値≧0かつ最小値≦0を考える。
軸はt=xだが,0≦x≦1なのでこれは0≦(軸のt座標)≦1を満たす。よって最小値はf(x)
最大値は\( x\geq \frac{1}{2} \)のときf(0),\( x \leq \frac{1}{2} \)のときf(1)

よってまとめると0≦x≦1におけるD1の領域は
\( f(x)=1-2y-x^2 \leq 0 \)かつ「(\(x \geq \frac{1}{2}\)かつ1-2y≧0)または(\( x \leq \frac{1}{2} \)かつ1-2x+1-2y≧0)」

DとD1の共通部分はこれと0≦y≦1の共通部分だから以下の赤色部分(境界を含む)

DとD1の共通部分

この面積を求める。正方形の面積1から右上と左下の空白部分の面積を引く。
右上の部分は\(\frac{3}{8} \)
左下の部分は
\(\displaystyle \int_0^1 \frac{1}{2}-\frac{1}{2}x^2 dx \\ = \displaystyle \left[ \frac{1}{2}x- \frac{1}{6}x^3 \right]_0^1 = \frac{1}{3} \)
よって求める面積は
\(\displaystyle 1-\frac{3}{8}- \frac{1}{3}=\frac{7}{24} \)

(2)ABを動くときの垂直二等分線の通過領域とDの共通部分は(1)を利用するとOBを軸に折り返したものと同じになるから下の青色部分

よってDとD2の共通部分は上の青色部分と(1)の赤色部分の和集合であり以下の紫部分

DとD2の共通部分

この面積を求める。OBに関して対称だから左上の部分を求めて2倍する。
左上の半分のうち右上にある空白部分の面積は\(\frac{1}{8} \)
左下の空白部分の面積を求める。

図のx座標αを求める。これは\( y=\frac{1}{2}- \frac{1}{2}x^2 \)とy=xの交点だから
\( \displaystyle \frac{1}{2}-\frac{1}{2}x^2=x \)
整理すると
\( x^2 +2x -1=0 \)
∴\( x=-1 \pm \sqrt{2} \)
0≦α≦1だから\( \alpha=\sqrt{2}-1 \)

左下の面積は
\(\displaystyle \int_0^{\alpha} \frac{1}{2}-\frac{1}{2}x^2 -x dx \\ = \displaystyle \left[ \frac{1}{2}x - \frac{1}{6}x^3 -\frac{1}{2}x^2 \right]_0^{\alpha} \\ = \displaystyle -\frac{1}{6}\alpha^3 - \frac{1}{2}\alpha^2 +\frac{1}{2}\alpha \\ =\displaystyle \frac{2\sqrt{2}}{3}-\frac{5}{6} \)
※注2

よって求める面積は
\( \displaystyle \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{8} - \frac{2\sqrt{2}}{3}+\frac{5}{6} \right) \times 2 \\ = \displaystyle \frac{29}{12}-\frac{4\sqrt{2}}{3} \)

※注2 頑張って3乗を計算してもいいし,
αは\(\alpha^2 +2\alpha-1=0 \)の解だから\(\displaystyle -\frac{1}{6}\alpha^3 - \frac{1}{2}\alpha^2 +\frac{1}{2}\alpha\)を\(\alpha^2 +2\alpha-1 \)で割ると商が\( \displaystyle -\frac{1}{6}\alpha-\frac{1}{6} \),余りが\(\displaystyle \frac{2}{3}\alpha-\frac{1}{6} \)となるので
\(\displaystyle -\frac{1}{6}\alpha^3 - \frac{1}{2}\alpha^2 +\frac{1}{2}\alpha \\ = \displaystyle (-\frac{1}{6}\alpha-\frac{1}{6})(\alpha^2 +2\alpha-1) + (\frac{2}{3}\alpha - \frac{1}{6}) \\ = \displaystyle \frac{2}{3}\alpha-\frac{1}{6} = \frac{2\sqrt{2}}{3}-\frac{5}{6} \)
と求めることもできます。

 

 

 

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