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上野竜生です。今回は3次方程式が異なる3つの実数解や2重解をもつ条件を紹介します。因数分解できるときは因数分解してしまうと楽になりますが,ちょっとした落とし穴もあるので一度解いておきましょう。

例題

aを実数とする。3次方程式\(x^3 +(a-3)x^2 -4ax+3a=0 \)・・・(*)について問に答えよ
(1)(*)が異なる3つの実数解をもつようなaの範囲を求めよ。
(2)(*)が2重解をもつようなaの値を求めよ。
答え(1)(*)の左辺を因数分解すると
\( (x-3)(x^2+ax-a) \)
よって異なる3つの実数解をもつには\( x^2+ax-a=0 \)が異なる2つの実数解をもち,なおかつどちらも3以外であればよい。
異なる2つの実数解をもつには判別式が正であればよいから
\( a^2+4a>0 \)。つまり,a<-4またはa>0。
x=3を解に持たないから\( 9+3a-a \neq 0 \),つまり\( a \neq -\frac{9}{2} \)
以上より
\( a<-\frac{9}{2} , -\frac{9}{2}<a<-4, a>0 \)
(2)2重解をもつ条件は
ア) \( x^2+ax-a=0 \)が重解をもち,それがx=3ではない。
イ) \( x^2+ax-a=0 \)がx=3とx≠3の解をもつ
のどちらかである。
ア)のとき\( x^2+ax-a=0 \)の判別式をDとすると
\( D=a^2+4a= 0\) ∴a=0,-4
a=0のときは\( x^2=0 \)なのでx=0が2重解である。
a=-4のときは\( x^2-4x+4=(x-2)^2=0 \)なのでx=2が2重解である。
よってどちらも適。
イ)のとき x=3を解にもつから
\( 3^2+3a-a=0 \) ∴\(a=-\frac{9}{2} \)
このとき\(x^2-\frac{9}{2}x+\frac{9}{2} = (x-3)(x-\frac{3}{2}) \)
となるからもう1つの解はx=3ではない。よって適。
以上より\( a=0,-4,-\frac{9}{2} \)

問題によっては(1)の前に「(*)の左辺をf(x)とする。f(3)を求めよ」という誘導が付くかもしれません。誘導がなくても因数分解出来たらラッキーだと思ってやってみましょう。
ポイントはx=3を確実に解に持つので,異なる3つにするにはx=3以外の解でないといけない点や,2重解をもつ条件のときに3重解にはなっていないか確認する点が落とし穴です。ハマらないようにしましょう。

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