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上野竜生です。方程式が整数解をもつ条件を考えます。似たような問題でも方針が違うのでその違いをしっかり理解しないと記述式では大減点になるリスクがあります。

例題1 2次方程式(整数解をもつ)

xについての2次方程式\(x^2+ax+a-3=0 \)が整数解を持つような整数aの値をすべて求めよ。
答え整数解をαとし,もう1つの解をβとすると解と係数の関係より
α+β=-a
αβ=a-3
第1式よりα,aが整数だからβも整数。2式からaを消去すると
αβ+α+β+3=0
(α+1)(β+1)=-2
(α+1,β+1)=(-1,2),(1,-2),(2,-1),(-2,1)
(α,β)=(-2,1),(0,-3),(1,-2),(-3,0)
a=1,3

注意してほしいのはβは最初の時点では整数とは限らないことです。最初からβを整数と仮定した答案は大減点なので注意しましょう。

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例題2 3次方程式(整数解をもつ)

x3+ax+2=0(*)について考える。
(1)(*)の解がすべて整数になるような定数aの値をすべて求めよ。
(2)(*)が整数解を少なくとも1つもつような整数aの値を全て求めよ。
答え(1)3つの整数解をα,β,γ(α≦β≦γ)とすると解と係数の関係より
α+β+γ=0・・・①
αβ+βγ+γα=a・・・②
αβγ=-2・・・③
③より
(α,β,γ)=(-2,-1,1),(-1,-1,2),(1,1,2)
この中で①を満たすのは(-1,-1,2)のみである。
よって②よりa=1-2-2=-3
(2)整数解のうちの1つをαとする。
\( \alpha^3+a\alpha+2=0 \)
\( \alpha ( \alpha^2+a)=-2 \)
α,aは整数だからα=±1,±2
それぞれでaを計算するとa=-3,1,-5

このように(1)(2)を並べて出題すると違いを意識しやすいですがテストで(2)だけが出題されて(1)の方針を使ってしまうミスがあります。これは大幅減点なので注意しましょう。

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