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上野竜生です。今回は15°,75°,22.5°,67.5°の三角比を,うまい三角形から求めることを紹介します。数IIの三角関数を習うと二倍角の公式や半角の公式を習うのでそこから求められますが,数Iでも適切な三角形をかいてやると求められます。

例題1(15°,75°)

図の二等辺三角形でAB=AC=2,∠A=30°である。BからACに垂線を下ろし,ACとの交点をDとする。
sin15°などの求め方
(A-1)BD,AD,CDを求めよ。
(A-2)tan15°を求めよ。
(B-1)BCを求めよ。
(B-2)sin15°を求めよ。
(3)cos15°,tan75°,sin75°,cos75°を求めよ。

(A)の考えと(B)の考えは独立しているのであえて分けて書きました。Aのやり方でtan15°を求めて,残りを求める方法もありますし,Bのやり方でsin15°を求めて残りを求める方法もありますし,A,B両方の考えを使って全部求めることもできます。

答え(A-1)△ABDは30°,60°,90°の直角三角形だから辺の比は\(1:2:\sqrt{3} \)
よってBD=1 , \(AD=\sqrt{3} ,CD=AC-AD=2-\sqrt{3} \)
(A-2)△BCDに着目するとこれは直角三角形だから
\(\displaystyle \tan{15°}=\frac{CD}{BD}=2-\sqrt{3} \)
(B-1)余弦定理より
\(\displaystyle BC^2=AB^2+AC^2-2AB\cdot AC\cos{30°}=4+4-4\sqrt{3}=8-4\sqrt{3} \)
\(\displaystyle BC=\sqrt{8-4\sqrt{3}}=\sqrt{8-2\sqrt{12}} = \sqrt{(\sqrt{6}-\sqrt{2})^2}=\sqrt{6}-\sqrt{2} \)

もちろん(A-1)のあとに三平方の定理から
\( BC^2=1^2+(2-\sqrt{3})^2=8-4\sqrt{3} \)としても大丈夫ですね。

答え(B-2)BCの中点をEとすると△ABEは直角三角形だから三角比より
\(\displaystyle \sin{15°}=\frac{BE}{AB}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} \)
(3)(A)の方法なら△BCDに着目すると全部の辺がわかるのですべて簡単に求められます。(B)の方法でも同様に三平方の定理でAEを求めてしまえば全部の辺がわかります。全く同じなのですでに値がわかっている(A)の方法で最後まで解きます。
\(\displaystyle \cos{15°}=\frac{BD}{BC}=\frac{1}{\sqrt{6}-\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4} \)
\(\displaystyle \tan{75°}=\frac{BD}{CD}=\frac{1}{2-\sqrt{3}}=2+\sqrt{3} \)
\(\displaystyle \sin{75°}=\frac{BD}{BC}=\cos{15°}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}\)
\(\displaystyle \cos{75°}=\frac{CD}{BC}=\frac{2-\sqrt{3}}{\sqrt{6}-\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}\)
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例題2(22.5°,67.5°)

例題1と同じような図を考えることでtan22.5°,cos67.5°の値を求めよ。

今度は自分で図を描いてみましょう。

答え図のような二等辺三角形ABCを考える。

sin22.5°などの求め方
BからACにおろした垂線の足をDとする。
AB=AC=2とすると\( AD=BD=\sqrt{2} \)
\( CD=AC-AD=2-\sqrt{2} \)
よって直角三角形BCDに着目すると
\(\displaystyle \tan{22.5°}=\frac{CD}{BD}=\frac{2-\sqrt{2}}{\sqrt{2}}=\sqrt{2}-1 \)
三平方の定理より
\(BC^2=(\sqrt{2})^2+(2–\sqrt{2})^2 = 8-4\sqrt{2}\)
\( BC=\sqrt{8-4\sqrt{2}} \)
\(\displaystyle \cos{67.5°}=\frac{CD}{BC}=\frac{2-\sqrt{2} }{ \sqrt{8-4\sqrt{2}}} \\ \displaystyle = \frac{(2-\sqrt{2}) \sqrt{8-4\sqrt{2}}}{8-4\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{8-4\sqrt{2}}}{4} \\ \displaystyle =\frac{\sqrt{2-\sqrt{2}}}{2} \)

共通テストでは最初に誘導をつけて解いた後に,もう1度誘導なしで自分で解くといった問題がよく出題されます。例題2はあえて図から自分で考えてもらいましたが,そのような訓練をしておかないと共通テストの対策は難しいでしょう。

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