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上野竜生です。今回は連立方程式の中で対称的なものを扱います。例題1・2は2変数,例題3は3変数です。

基本方針

①対称式の問題は基本対称式の値を求めて解と係数の関係に持ち込む(⇒例題1・3)
②足したり引いたりして対称式や交代式になるなら足したり引いたりしてみる(⇒例題2)

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例題1

連立方程式
\[ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^2+y^2=6 \\ 2x+xy+2y=-3 \end{array} \right.\end{eqnarray}  \]
を複素数の範囲で解け。
答えx+y=p , xy=qとおく。
\( x^2+y^2=p^2-2q=6 \)・・・①
\( 2x+xy+2y=2p+q=-3 \)・・・②
②より\( q=-3-2p \)を①に代入して
\( p^2-2(-3-2p)=p^2+6+4p=6 \)
∴p=0,-4
②より(p,q)=(0,-3),(-4,5)
p=0,q=-3のとき
x+y=0 , xy=-3だからy=-xをxy=-3に代入して
\( (x,y)=(\sqrt{3},-\sqrt{3}),(-\sqrt{3},\sqrt{3}) \)
p=-4,q=5のとき
x+y=-4,xy=5だからx,yは2次方程式
\( (t-x)(t-y)=t^2+4t+5=0 \)の解である。
解の公式よりt=-2±i
よって(x,y)=(-2+i,-2-i),(-2-i,-2+i)
以上より\( (x,y)=(\sqrt{3},-\sqrt{3}),(-\sqrt{3},\sqrt{3}),(-2+i,-2-i),(-2-i,-2+i) \)

例題2

連立方程式
\[\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^2=2y+3 \\ y^2=2x+3 \end{array} \right.\end{eqnarray}  \]
を解け。
答え\( x^2=2y+3 \)・・・①
\( y^2=2x+3 \)・・・②
①ー②より
\( (x^2-y^2)=-2(x-y) \)
\( (x+y)(x-y)=-2(x-y) \)
\( (x-y)(x+y+2)=0 \)・・・③
x-y=0またはx+y+2=0

x-y=0,つまりy=xのとき
①に代入すると
\( x^2-2x-3=(x-3)(x+1)=0 \)
∴x=-1,3
(x,y)=(-1,-1),(3,3)・・・④
x+y+2=0,つまりy=-x-2のとき①に代入すると
\( x^2=2(-x-2)+3=-2x-1 \)
\( x^2+2x+1=(x+1)^2=0 \)
∴x=-1
このときy=-1なので④に含まれる。
以上より(x,y)=(-1,-1),(3,3)
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例題3 3次方程式の場合

連立方程式
\[\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x+y+z=6 \\ x^2+y^2+z^2=18 \\ x^3+y^3+z^3=60 \end{array} \right.\end{eqnarray}\]
(x≧y≧z)を解け

3次方程式の解と係数の関係や3次方程式の解き方まで習っている人向けなので習っていなければ飛ばしてもいいでしょう。基本対称式の値を求めるところから始めます。

答えx+y+z=6
xy+yz+zx=p
xyz=qとおく。
\( x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx) \)より
\( 18=6^2 - 2p \)
∴p=9
\( x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2 -xy-yz-zx ) \)より
\( 60-3q=6\cdot (18-9)\)
∴q=2。よってx,y,zは3次方程式
\( t^3-6t^2+9t-2=0 \)の解である。
\( t^3-6t^2+9t-2=(t-2)(t^2-4t+1)=0 \)より
\( t=2, 2\pm \sqrt{3} \)
x≧y≧zなので
\( (x,y,z)=( 2+\sqrt{3} , 2 , 2-\sqrt{3}) \)

対称性が高くて美しい連立方程式はできるだけ対称性を崩したくないですね。

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