広告

上野竜生です。今回はヘロンの公式の拡張としてブラーマグプタの公式を紹介して証明します。あまり頻繁に使うことはないと思うので興味がある人用のコンテンツです。さらに発展例としてブレートシュナイダーの公式と双心四角形の面積の公式も扱います。

<復習>ヘロンの公式

3辺の長さがa,b,cである三角形の面積は\(\displaystyle s=\frac{a+b+c}{2} \)とおくと

\(\displaystyle S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \)と表される。

これをさらに拡張させます。

広告

ブラーマグプタの公式

POINT円に内接する四角形の4辺の長さをa,b,c,dとする。この四角形の面積は\(\displaystyle s=\frac{a+b+c+d}{2} \)とおくと
\(\displaystyle S=\sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} \)と表される。

特にd=0とするとヘロンの公式になる。(三角形は必ず円に内接するので)

証明

特に変わったことはせず,入試頻出問題と同様に△ABCと△ACDに分けて考えます。ACを2通りで表してcosBを求めてsinBに変換してから面積を求めるだけです。途中の文字計算が複雑なだけで方針は普通です。最終結果はキレイになるので途中の汚い計算は頑張って耐えましょう。

円に内接する四角形

図のようにAB=a,BC=b,CD=c,DA=dとする。

△ABCについて余弦定理より
\(\displaystyle AC^2= a^2 + b^2 - 2a b \cos{B} \)・・・①
△ACDについて余弦定理より
\(\displaystyle AC^2=c^2+d^2 - 2cd \cos{D} \)・・・②
四角形ABCDは円に内接しているからD=180°-B
つまり\(\cos{D}=\cos{(180°-B)}=-\cos{B} \)・・・③
①,②,③より
\( a^2+b^2 -2ab \cos{B} = c^2+d^2 + 2cd \cos{B} \)
∴\(\displaystyle \cos{B}= \frac{a^2+b^2-c^2-d^2 }{2ab+2cd} \)・・・④
四角形ABCDの面積は
△ABC+△ACD=
\(\displaystyle \frac{1}{2}ab \sin{B}+\frac{1}{2}cd \sin{D} \\ = \displaystyle \frac{1}{2}(ab+cd)\sin{B} \)
(∵sinD=sin(180°-B)=sinB)
sinB>0より\(\displaystyle \sin{B}=\sqrt{1-\cos^2{B}} \)だから④より
\(\displaystyle \frac{1}{2}(ab+cd)\sqrt{1-\left( \frac{a^2+b^2-c^2-d^2 }{2ab+2cd} \right)^2} \\ = \displaystyle \frac{1}{4} \sqrt{ (2ab+2cd)^2 - ( a^2+b^2-c^2-d^2)^2 } \\ = \displaystyle \frac{1}{4} \sqrt{ (2ab+2cd + a^2 +b^2 -c^2 -d^2)(2ab+2cd-a^2-b^2+c^2+d^2) } \\ = \displaystyle \frac{1}{4} \sqrt{ \{ (a+b)^2-(c-d)^2 \} \{ (c+d)^2- (a-b)^2 \} } \\ =\displaystyle \frac{1}{4} \sqrt{ (a+b+c-d)(a+b-c+d)(c+d+a-b)(c+d-a+b) } \)
\(\displaystyle s=\frac{a+b+c+d}{2} \)とおくと
\(\sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} \)
となる。

ヘロンの公式と似ているのでセットでブラーマグプタの公式を覚えておくのもいいかもしれませんが,出題頻度は低いのであまり使う機会はないでしょう。

ブレートシュナイダーの公式

円に内接するとは限らない四角形ABCDで,AB=a,BC=b,CD=c,DA=d,
\(\displaystyle \theta = \frac{A+C}{2} , s=\frac{a+b+c+d}{2} \)とおく
このとき,この四角形の面積は
\(\displaystyle \sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)-abcd\cos^2{\theta}} \)

実際には∠A+∠Cがわかることはほぼないのでこの公式を「裏技として使うことすら」ほぼありません。

広告

双心四角形の面積

双心四角形とは内接円と外接円が両方存在する四角形のことである。

四角形は4辺の長さがわかっても一意には定まらない(たとえばすべての辺の長さが1の四角形でもひし形と正方形がある。)しかし外接円が存在する(=円に内接する)という条件があれば形が一意に定まる。逆に言えば「外接円が存在」という条件では4辺の辺の長さの制限にはならない。

一方で内接円が存在するという条件はAB+CD=AD+BCが成り立つことである。つまり「内接円が存在」といえば4辺の辺の長さに1つ制約がうまれる。逆にその制約さえみたせば正方形でもひし形でもOKだから形に制約は生まれない。

内接円が存在する四角形

ここまでを復習したうえで内接円と外接円の両方が存在する(=辺の制約もあるし形の制約もある)場合はさらに面積の公式が美しくなる。
外接円が存在するからブラーマグプタの公式より
\(\displaystyle S=\sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} \)
ただし\(\displaystyle s=\frac{a+b+c+d}{2} \)
内接円が存在するからa+c=b+d,つまりs=a+c=b+d
s-a=c , s-b=d , s-c=a , s-d=b
となるから面積は\(\displaystyle \sqrt{abcd} \)となる。

これらの公式は「裏技」扱いされることが多く,記述式ではあまり使わない方がよいとされています。検算には便利なので使用はその程度にしておきたいところです。

解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました

<高校数学> <大学数学> さらにオススメの塾、特にオンラインの塾についてまとめてみました。自分一人だけでは自信のない人はこちらも参考にすると成績が上がります。