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上野竜生です。命題と論理はそれ単独で出題されることが共通テスト以外ほとんどありません。(もちろん共通テストを意識した模試などでは出題されます)そのため2次試験対策万全な人でも間違えてしまいやすいところです。間違えやすい問題をいくつかあげますので考えてみましょう。

センター頻出命題

例題1 xが無理数かつyが無理数ならばx+yは無理数である?

このような問題を間違える人は直観だけで判断しているのでしょう。実際高校数学では真の命題は証明できます(少なくとも高校生用の問題になる命題の場合)。偽なら反例があります×:反例が見つからないから真としてしまうのはちょっと早いのです。また無理数には

無理数はなんにも閉じていない

という性質があります。つまりx,yが無理数だからといってx+y,x-y,xy,x/yどれも無理数とは限りません。

例題1の答えは偽ですが,それぞれ反例をあげておきましょう。x,yが無理数のとき

\( \sqrt{2} + (-\sqrt{2})=0 \)
\( \sqrt{2} - \sqrt{2}=0\)
\( \sqrt{2} \times \sqrt{2}=2\)
\( \sqrt{2} / \sqrt{2}=1\)

どれも成り立ちません。また和の反例を覚えている人が次に勘違いしやすい命題が

「x,yがともに正の無理数ならばx+yは無理数である」

の真偽です。これはどちらでしょう?当然です。(\(x=\sqrt{2} , y=2-\sqrt{2} \))

真というためには証明が思い浮かばない限り安心できない。ということを覚えておきましょう。(もちろん共通テストなど,結果のみでいい場合は証明が思い浮かばなくても勘で書いたほうがいいです)

例題2:\( n^2 \)を3で割った余りが2ならば,nを3で割った余りは2である?

間違えやすいのは「× nを3で割った余りが2のとき,\(n^2\)は3で割ると1余る。よって偽」とする例です。

「PならばQが偽」になるには「Pが真かつQが偽」でないといけません。この例の場合は左から右の命題は真偽が難しそうなので右から左を考えたのでしょう。しかし,右から左にしたら一般には真偽が一致しません。そういうときは対偶命題を考えましょう。

対偶命題は「nを3で割ったあまりが2でないならば\(n^2\)を3で割った余りは2ではない」ですね。これは証明できます。(nを3で割った余りが0,1のとき\(n^2\)を3で割った余りはそれぞれ0,1)ということで例題2の答えは真です。

実は今の命題はPが常に偽になる命題です。(nが自然数ならば\(n^2\)は3で割って2余ることはない)こういう場合は必ず真です。こういう場合に真偽を間違えやすいので注意です。

例題3:「かつ」「または」が入った場合

\( x^3y^4\geq 0 \)ならば\( x\geq 0 \)かつ \(y\geq 0\)である。

これを対偶命題で判定しようとして次のように間違う人がいます

× 対偶命題「x<0かつy<0ならば\(x^3y^4<0 \)」は真。よって元の命題は真

対偶となるといろいろひっくりかえりすぎてわからなくなるのでしょう。

対偶は「PならばQ」を「QでないならばPではない」とします。それは覚えているのですが

否定するとき,不等号の向きを変え,等号の有無を変えしているうちに「かつ」を忘れてしまったのです。こういう場合があるので気を付けましょう。

否定で「かつ」「または」は入れ替わる

正しい対偶命題は

「(x<0またはy<0)ならば\(x^3y^4<0 \)である」

なので当然偽です。(反例はx=1,y=-1)

 

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