上野竜生です。今回は一次独立について紹介します。一見当たり前のような性質ですが,「一次独立」でないと成り立たないのでこの性質を使いたいときは「一次独立だから」と書くことが必要です。
一次独立とは?
定義
1次独立の定義は次のとおりである。
平面の\(\vec{a},\vec{b} \)が一次独立であるとは\( \vec{a} \neq \vec{0} , \vec{b} \neq \vec{0} \)かつ\(\vec{a}\)と\(\vec{b} \)が平行ではないこと。
空間の場合\(\vec{OA},\vec{OB},\vec{OC} \)が一次独立とはO,A,B,Cが同一平面にはないこと。
性質
このとき次の性質が成り立ちます。
\(\vec{a},\vec{b},\vec{c} \)は一次独立であるとする。
<平面のとき>
①\(s\vec{a}+t\vec{b}=s’ \vec{a}+t’ \vec{b} \)ならばs=s’かつt=t’
②平面上のすべてのベクトルはあるs,tを用いて\(s\vec{a}+t\vec{b} \)と表せる。
①②をまとめて平面上のすべてのベクトルはあるs,tを用いて\(s\vec{a}+t\vec{b} \)と一意的に表せる、という言い方をすることもあります。
<空間のとき>
①\(s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c}=s’ \vec{a}+t’ \vec{b}+u’\vec{c} \)ならばs=s’かつt=t’かつu=u’
②空間上のすべてのベクトルはあるs,t,uを用いて\(s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c} \)と表せる。
①②をまとめて空間上のすべてのベクトルはあるs,t,uを用いて\(s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c} \)と一意的に表せるという言い方をします。
例題1
\(\vec{a}+t\vec{b}=k(\frac{1}{3}\vec{a}+2\vec{b})\)
となるような定数t,kの値を求めよ。
\(1=\frac{1}{3}k , t=2k\)
これを解くとk=3,t=6
例題2
\(\vec{x}=(-7,21)\)を\(s\vec{a}+t\vec{b}\)(s,tは実数)の形で表せ。
成分を比較するとs+4t=-7,3s-2t=21
これを解くとs=5,t=-3
\( \vec{x}=5\vec{a}-3\vec{b}\)
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