上野竜生です。今回はランダムウォークの問題を紹介します。ただし高校でやるような基本的な内容です。点Pを+1の位置に移動させたり-1の位置に移動させたりをランダムに行うことをランダムウォークだと思っていいでしょう。

例題1

x軸上の原点に点Pがある。今,サイコロを何回か投げて以下の<規則>の通りに点Pを移動させる。
<規則>
5以上の目が出ればPをx軸方向に1進める。
4以下の目が出ればPをx軸方向に-1進める。
(1)サイコロを3回投げたとき点Pが1の位置にある確率を求めよ。
(2)サイコロを7回投げたとき点Pが原点にある確率を求めよ。
(3)サイコロを8回投げたとき点Pが原点にある確率を求めよ。
(4)8回投げた後Pが原点に戻ってきたとき,2回目終了時点でもPが原点にあった確率を求めよ。
(5)8回目で初めて原点に戻ってくる確率を求めよ。
答え(1)5以上の目をA,4以下の目をBとする
順番にAAB,ABA,BAAのどれかが出ればよい。
AABが出る確率は\( \displaystyle \frac{1}{3}\cdot \frac{1}{3}\cdot \frac{2}{3} = \frac{2}{27} \)
ABA,BAAも同様にして\(\displaystyle \frac{2}{27} \)
よって\(\displaystyle \frac{2}{27}\cdot 3 =\frac{2}{9} \)
(2)Aがm回,Bが(7-m)回出たとすると点Pの位置は
m-(7-m)=2m-7の位置にある。
つまり必ず奇数の位置にあるので原点にはない。よって確率は0。
(3)Aがm回,Bが(8-m)回出たとすると点Pの位置は
m-(8-m)=2m-8の位置にある。原点の位置にあるときm=4。
8回中4回がAで,残りの4回がBである確率だから

\[\displaystyle {}_{8} C_{4} (\frac{1}{3})^4 (\frac{2}{3})^4= \frac{70\cdot 2^4}{3^8}=\frac{1120}{6561} \]

(4)2回目で原点にあり,かつ8回目でも原点にある確率を求める。
2回目で原点にある確率はABまたはBAの順に出ればよいから
\[ \displaystyle 2 \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3}=\frac{4}{9} \]
2回目から8回目までの6回中3回Aで3回Bだから
\[\displaystyle {}_{6} C_{3} (\frac{1}{3})^3 (\frac{2}{3})^3 = \frac{20\cdot 8}{3^6} \]
よって2回目で原点にあり,かつ8回目でも原点にある確率は
\[\displaystyle \frac{4}{9} \cdot \frac{20\cdot 8}{3^6}=\frac{640}{3^8} \]
以上より求める条件付確率は
\[\displaystyle \frac{\frac{640}{3^8}}{ \frac{1120}{3^8}}=\frac{640}{1120} = \frac{4}{7}\]
(5)8回目で初めて原点に戻ってきたときA4回B4回である。
A,Bの出方が何通りあるかを求める。
下の図よりA,Bの出方は10通りある。(青文字のA,B,Cはここでは無視してください)
ランダムウォークの図
よって求める確率は

\[\displaystyle 10 \cdot (\frac{1}{3})^4 (\frac{2}{3})^4 = \frac{160}{3^8}=\frac{160}{6561} \]
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例題2

x軸上の原点に点Pがある。表の出る確率がpであるコインを投げて以下の<規則>の通りに点Pを移動させる。
<規則>
表が出ればPをx軸方向に1進める。
裏が出ればPをx軸方向に-1進める。
(1)コインをn回投げたあとで点Pが原点に戻ってくる確率を求めよ。
(2)コインをn回投げたあとで点Pがはじめて原点に戻ってくる確率を求めよ。<難>
答え(1)(2)ともにnが奇数のときは0。
偶数の場合を考える。n=2mとする。

(1)2m回中,m回表が出て,m回裏が出ればいいので求める確率は
\[ {}_{2m}C_m p^m (1-p)^m = \frac{n!}{(\frac{n}{2}!)^2}(p-p^2)^{\frac{n}{2}} \]
(2)例題1と同様で条件を満たすような表裏の出方が何通りあるかを求めてそれに\( p^m (1-p)^m \)をかけるだけです。しかし,それが何通りあるかが少し難しいところですね。
これは次のように考えます。上側と下側は全く同じになるので上側だけ求めて2倍する方針です。
上側の部分は次のように考えます(赤い数字はここでは無視してください。青文字のABCを使います)
ランダムウォークの図
「A→Bの最短経路の数 ー A→Cの最短経路の数」
余事象で考えています。A→Bは全体の場合であることはすぐ納得できるとして,「A→Cの数=途中で上の図の横向きの座標軸と交わる数とピタリ一致」ということが気付きにくいポイントです。
「A→Cに行くには必ず座標軸と交わる。そこで最初に座標軸で交わったところから先を座標軸に関して対称移動させればこれは,座標軸と交わってA→Bに行く回数と同じになる」という発想です。
よって問題の条件を満たすような表裏の出方の場合の数は
\[ 2( {}_{2m-2}C_{m-1} – {}_{2m-2}C_{m-2} ) \\= 2(\frac{(2m-2)!}{(m-1)!(m-1)!}-\frac{(2m-2)!}{(m-2)!m!})\\=\frac{2(2m-2)!}{m!(m-1)!} (m-m+2)\\=\frac{4(2m-2)!}{m!(m-1)!} \]
となるので求める確率は
\[\frac{4(2m-2)!}{m!(m-1)!}(p-p^2)^m \\= \frac{4(n-2)!}{(\frac{n}{2})!(\frac{n}{2}-1)!} (p-p^2)^{\frac{n}{2}} \]

最後の問題はかなりの難問です。例題1ができるようになるのが基本です。

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