上野竜生です。問143の答えを発表します。
問143
kを実数とする。xy平面上に異なる3点\( A(a, a^2-k) , B(b,b^2-k) , C(c,c^2-k) \)をとる。
次の命題が成り立つような実数kの値をすべて求めよ。ただし,単位円とは原点を中心とする半径1の円のことである。
「直線ABと直線BCがともに単位円に接するならば直線CAも単位円に接する」
答え
直線ABの方程式は
y=(a+b)x-ab-k
これが単位円に接するので原点(0,0)と直線(a+b)x-y-ab-k=0の距離は1であるから
\(\displaystyle \frac{|ab+k|}{\sqrt{(a+b)^2 +1}}=1 \)
つまり
\( (ab+k)^2 = (a+b)^2+1 \)
展開すると
\( a^2 b^2 +2kab + k^2= a^2 + 2ab + b^2+ 1 \)・・・①
同様に直線BCが単位円に接するとき
\( b^2 c^2 + 2kbc + k^2 =b^2 +2bc + c^2 +1 \)・・・②
直線CAが単位円に接するとき
\( c^2 a^2 + 2kca + k^2 = c^2 +2ca +a^2+1 \)・・・③
つまり,命題は「異なる実数a,b,cが①②を満たすならば③も満たす」ということである。
①②よりa,cはtについての2次方程式
\( (b^2-1)t^2 +(2k-2)bt +(k^2 - b^2-1 )=0 \)の解であるから解と係数の関係より
\(\displaystyle a+c= \frac{2-2k}{b^2-1}b , ac=\frac{k^2 -b^2 -1}{b^2-1} \)
これを③に代入すると
\( (ac+k)^2 = (a+c)^2+1 \)
\(\displaystyle \left( \frac{k^2 -b^2 -1}{b^2-1} +k \right)^2 =\left( \frac{2-2k}{b^2-1}b \right)^2+1\)
両辺を\( (b^2-1)^2 \)倍すると
これが任意のbについて成り立つから
\( k^2-2k=0 \)・・・④かつ
\( -8k^2 +2k^3 +8k=0 \)・・・⑤かつ
\( k^4 - k^2 -2k^3 +2k=0 \)・・・⑥
④よりk=0,2となるが,これは⑤⑥を満たす。よってk=0,2
正解者:0名
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