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上野竜生です。問139の答えを発表します。

問139

【共通テスト予想問題】

地震が発するエネルギーの大きさをE(単位:ジュール),マグニチュードをMとすると次の関係がある。
\(\log_{10}{E}=4.8+1.5M\)

ここで\( \log_{10}{2} \)はおよそ0.3,\(\sqrt{10}=3.16\cdots \)であることに注意し,割り切れないときは空欄の桁数にあうように四捨五入して以下の問いに答えよ。

(1)\(10^{12} \)ジュールのエネルギーをもつ地震が発生したとき,マグニチュードは[ ア ].[ イ ]である。また,マグニチュード3.0の地震の2倍のエネルギーをもつ地震が発生したとき,その地震のマグニチュードは[ ウ ].[ エ ]である。

(2)太郎君は横軸にマグニチュード,縦軸にエネルギー(単位:ジュール)をとり,エネルギーとマグニチュードの関係をグラフに表そうとした。

太郎:あっという間に紙からはみ出してしまって最後まで書ききれません。どうしたらいいだろう
先生:そういうときは対数グラフを使うといいですよ。
太郎:対数グラフってなんですか?
先生:今回の場合,横軸はそのままにして縦軸に対数をとるのです。
片対数グラフ
このグラフだと横軸方向は普通のグラフと同じで1目盛につき1増えるだけなんだけど,縦軸方向は常用対数をとっていてAは(2,1),Bは(2,10),Cは(2,100)を表しているんですよ。

太郎:これなら大きな値でも扱いやすくなりますね。でも10とか100とかはわかりやすいけど,その間,たとえばこのグラフでB(2,10)とC(2,100)のちょうど真ん中にある点Dはいくらを表しているんですか?
対数グラフの中点
先生:それはD(2,[ オカ ])を表しているよ。
太郎:なんか難しいんですね
先生:慣れるまでは大変だけど紙からはみ出さずに表現できるし,このほうが性質をつかみやすいこともあるから重要な考えなんですよ。じゃあこの対数グラフでマグニチュードとエネルギーの関係をグラフにしてみましょう
太郎:できました。きれいな直線で表現できるんですね。

対数グラフ

先生:今回は縦軸だけを対数にしたけど,縦軸と横軸の両方を対数にした対数グラフも作れるんですよ。

縦軸にも横軸にも10を底とする対数をとった場合,エネルギーとマグニチュードの関係を表したグラフの概形として最も適切なものは[ キ ]である。ただし⓪①②は原点を通っておらず,③④⑤は原点を通っている。
[キ]の選択肢

対数グラフ選択肢

(3) 以下ではグラフは縦軸,横軸ともに正の範囲のみを考える。
P: 対数ではない通常のグラフで原点を通る傾きが正の直線から原点を除いたものになる
Q: 縦軸・横軸が対数になったグラフで原点を通る傾きが正の直線から原点を除いたものになる
とする。「PならばQ」と「QならばP」の真偽の組み合わせとして正しいものは[ ク ]である。
[ク]の選択肢

PならばQ
QならばP

 

 

答え

ア.イ=4.8  ウ.エ=3.2  オカ=32  キ=0  ク=3

(1)\( E=10^{12} \)を代入すると
\( \log_{10}{10^{12}}=12=4.8+1.5M \)
となるからM=4.8

また,マグニチュード3.0の地震のエネルギーをEとすると
\( \log_{10}{E}=4.8+1.5 \cdot 3 = 9.3 \)
よって2Eのエネルギーをもつ地震のマグニチュードをMとすると
\( \log_{10}{2E}=\log_{10}{2} + \log_{10}E=0.3+9.3 = 4.8+1.5M \)
∴M=3.2
(2)\( B(2,10^1) \) と\( C(2,10^2) \)の中点は\( D(2,10^{1.5}) \)を表している。
\( 10^{1.5}=10\sqrt{10}=31.6 \cdot \)なので四捨五入するとD(2,32)

縦軸のみ対数のグラフにする場合
\(\log_{10}{E}\)をyに,Mをxにおきかえた\( y=1.5x+4.8 \)になる。
縦軸・横軸ともに対数のグラフにする場合
\(\log_{10}{E}\)をyに,\( \log_{10}{M} \)をxにおきかえた式になる。
\( M=10^x \)より,\( y=1.5\cdot 10^x +4.8 \)になる。
よって原点は通らないので⓪

(3)PならばQ。もとのグラフの式をy=ax (a>0)とおく。
\( X=\log_{10}{x} , Y=\log_{10}{y} \)の関係を用いてX,Yの式に変換する。
両辺に10を底とする対数をとると
\( \log_{10}{y}=\log_{10}{a} + \log_{10}{x} \)
つまり,\( Y=X+\log_{10}{a} \)
となるのでa≠1のときは原点を通らない。よって偽。
QならばP。両対数グラフの式をY=aX (a>0)とおく。
\( X=\log_{10}{x} , Y=\log_{10}{y} \)の関係を用いてx,yの式に変換する。
\( \log_{10}{y}= a \log_{10}{x}=\log_{10}{(x^a)} \)
つまり\( y=x^a \)
a≠1のときは直線にはならない。よって偽。
どちらも偽なので選択肢の③が正解。

 

 

 

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