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上野竜生です。2変数不等式に関する命題の問題は,領域を図示するとわかりやすいことがあります。それを紹介します。
例題1
実数x,yについて次の[ ]に入る言葉として適切なのを選べ。
\( x^2+y^2 \leq 4 \)であることは\( (x-1)^2+y^2 \leq 9 \)であるための[ ]。
①必要十分条件である
②必要条件であるが十分条件でない
③十分条件であるが必要条件でない
④必要条件でも十分条件でもない
\( x^2+y^2 \leq 4 \)であることは\( (x-1)^2+y^2 \leq 9 \)であるための[ ]。
①必要十分条件である
②必要条件であるが十分条件でない
③十分条件であるが必要条件でない
④必要条件でも十分条件でもない
答え\( x^2+y^2 \leq 4 \)は図の赤い円の周または内部
\( (x-1)^2+y^2 \leq 9 \)は図の青い円の周または内部。
赤い円の内側⇒青い円の内側は成立。
青い円の内側⇒赤い円の内側は不成立。
よって十分条件のみ。③
\( (x-1)^2+y^2 \leq 9 \)は図の青い円の周または内部。
赤い円の内側⇒青い円の内側は成立。
青い円の内側⇒赤い円の内側は不成立。
よって十分条件のみ。③
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例題2
x,yは実数とする
(1)|x+2y|+|2x+y|≦1であることが\( x^2+y^2\leq k \)であるための必要条件となるような実数kの範囲を求めよ。
(2)|x+2y|+|2x+y|≦1であることが\( x^2+y^2\leq k \)であるための十分条件となるような実数kの範囲を求めよ。
(1)|x+2y|+|2x+y|≦1であることが\( x^2+y^2\leq k \)であるための必要条件となるような実数kの範囲を求めよ。
(2)|x+2y|+|2x+y|≦1であることが\( x^2+y^2\leq k \)であるための十分条件となるような実数kの範囲を求めよ。
答えD:|x+2y|+|2x+y|≦1を図示する。
x+2y≧0かつ2x+y≧0のとき,3x+3y≦1
x+2y≧0かつ2x+y<0のとき,x+2y-2x-y=-x+y≦1
x+2y<0かつ2x+y≧0のとき,x-y≦1
x+2y<0かつ2x+y<0のとき,-3x-3y≦1
これを図示すると下の通り(黒い長方形の周または内部)
(1)\( x^2+y^2\leq k \)ならば|x+2y|+|2x+y|≦1が成り立つので
領域Dの中に円が完全に入っていればよい。
円の半径を大きくしていったとき,最初にDと円が接するまでが求める範囲である。
このときの接点は\( \displaystyle (\frac{1}{6},\frac{1}{6}) \)なので
kの範囲は\(\displaystyle k \leq \frac{1}{18} \)
(2)|x+2y|+|2x+y|≦1ならば\( x^2+y^2\leq k \)が成り立つので
円の中に領域Dが完全に入っていればよい。
Dの頂点を通るときのkかそれより大きければよい。
kの範囲は\(\displaystyle k \geq \frac{5}{9} \)
x+2y≧0かつ2x+y≧0のとき,3x+3y≦1
x+2y≧0かつ2x+y<0のとき,x+2y-2x-y=-x+y≦1
x+2y<0かつ2x+y≧0のとき,x-y≦1
x+2y<0かつ2x+y<0のとき,-3x-3y≦1
これを図示すると下の通り(黒い長方形の周または内部)
(1)\( x^2+y^2\leq k \)ならば|x+2y|+|2x+y|≦1が成り立つので
領域Dの中に円が完全に入っていればよい。
円の半径を大きくしていったとき,最初にDと円が接するまでが求める範囲である。
このときの接点は\( \displaystyle (\frac{1}{6},\frac{1}{6}) \)なので
kの範囲は\(\displaystyle k \leq \frac{1}{18} \)
(2)|x+2y|+|2x+y|≦1ならば\( x^2+y^2\leq k \)が成り立つので
円の中に領域Dが完全に入っていればよい。
Dの頂点を通るときのkかそれより大きければよい。
kの範囲は\(\displaystyle k \geq \frac{5}{9} \)
(1)でk<0のときも条件を満たします。
k<0のときは「実数x,yがx2+y2<0ならば|x+2y|+|2x+y|≦1」となります。命題「PならばQ」においてPが偽のときは「PならばQ」は真なのでこの命題は真になります。試験ではそういうややこしいところを排除するために「k>0の範囲で」とあらかじめ指定していることも多いですが,指定がなくても一応k<0のときは成立となります。
k<0のときは「実数x,yがx2+y2<0ならば|x+2y|+|2x+y|≦1」となります。命題「PならばQ」においてPが偽のときは「PならばQ」は真なのでこの命題は真になります。試験ではそういうややこしいところを排除するために「k>0の範囲で」とあらかじめ指定していることも多いですが,指定がなくても一応k<0のときは成立となります。
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