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上野竜生です。今回は中点の軌跡を紹介します。放物線と直線の2つの交点の中点と,円と直線の2つの交点の中点です。放物線は標準ですが,円の方は少し難しいかもしれません。頑張って解いてみましょう。

例題1

放物線\( y=x^2\)と直線\( y=kx+k \)が異なる2点でまじわるとき,その2点の中点の軌跡を求めよ。
答え\( x^2=kx+k \),つまり\(x^2-kx-k=0 \)の判別式をDとすると異なる2点で交わるから
\( D=k^2+ 4k>0 \)
k<-4またはk>0・・・①
交点のx座標を\(\alpha,\beta \)とすると解と係数の関係より
\( \alpha+\beta=k \)
放物線の中点の軌跡
交点を(X,Y)とおくと
\(\displaystyle X=\frac{\alpha+\beta}{2}=\frac{k}{2} \)・・・②
\(\displaystyle Y=kX+k=\frac{k^2}{2}+k \)・・・③
②よりk=2Xとなるので③に代入すると
\( Y=2X^2+2X \)
①②よりX<-2,X>0なので求める軌跡は
放物線\( y=2x^2+2x \)のx<-2,x>0の部分。
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例題2

円\( (x-4)^2+y^2=4 \)と直線y=kxが異なる2点でまじわるとき,その2点の中点の軌跡を求めよ。
答え直線の式を円の式に代入すると交点のx座標は
\( x^2-8x+16+k^2 x^2=4 \),つまり
\( (k^2+1)x^2-8x+12=0 \)の解である。この判別式をDとすると
\( D/4=16-12-12k^2 >0 \)
\(\displaystyle k^2<\frac{1}{3} \)
\(\displaystyle -\frac{\sqrt{3}}{3} < k<\frac{\sqrt{3}}{3} \)
交点のx座標を\(\alpha,\beta \)とすると解と係数の関係より
\( \alpha+\beta=\frac{8}{1+k^2} \)
円と直線の交点の中点の軌跡
交点を(X,Y)とおくと
\(\displaystyle X=\frac{\alpha+\beta}{2}=\frac{4}{1+k^2} \)・・・①
\(\displaystyle Y=kX=\frac{4k}{1+k^2} \)・・・②
①②より\(\displaystyle k=\frac{Y}{X} \)を①に代入すると
\(\displaystyle X(1+k^2)=X(1+\frac{Y^2}{X^2})=4 \)
よって\( X^2+Y^2=4X \)
つまり\( (X-2)^2+Y^2=4 \)
また,kの範囲\( \displaystyle 0 \leq k^2 < \frac{1}{3} \)を①に代入すると
3<X≦4。
以上より求める軌跡は
円\( (x-2)^2+y^2=4 \)の3<x≦4の部分。

どちらも中点を(X,Y)とおいてX,Yをkの式で表した後,kを消去します。例題2のほうはkの消去の仕方に工夫がいる問題です。また,どちらもkの範囲からXの範囲を絞り込まないといけないので完答するのは慣れがいるでしょう。

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