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上野竜生です。複素数平面における○○条件は覚えるのが大事ですが忘れても復元できるようにしておくことのほうが重要です。意味を考えて間違えず計算できるようにしましょう。

複素数平面の○○条件まとめ

<復習>複素数平面の計算の図形的意味

複素数平面では\( \gamma=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) \)とするとき

\( \frac{\gamma}{\beta}\)は原点を中心に反時計回りに\( \beta \)を\(\theta \)回転し,さらにr倍に拡大したものを意味します。これだと原点中心にしか回転できないので任意の点を中心にするには\( \beta,\gamma\)から\(\alpha\)をひいて\( \alpha \)を中心にすることができます。つまり

\( \displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) \)(★)とは
αを中心にβを反時計回りにθ回転し,αを中心にr倍に拡大したものがγであることを意味します。
回転移動

あとはこの関係式で”\( \theta=90°\)だったら右辺が0or純虚数になるな・・・”などという感じで見ていくわけです。

<復習2> 実数条件・虚数条件

zが実数 ⇔ \( z=\bar{z} \)

zが純虚数 ⇔ \( z=-\bar{z} \)かつ\( z\neq 0 \)

 

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3点α,β,γが同一直線上にある条件

つまりθ=0°または180°なので★の右辺は実数になります。よって

3点\(\alpha,\beta,\gamma\)が同一直線上
⇔\( \displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\)が実数

2直線αβ,αγが垂直となる条件

つまりθ=90°または270°なので★の右辺は純虚数になります。

純虚数とは\( z=a+bi \)としたときa=0なのはもちろんですが\( b \neq 0 \)も含んでいます。b=0なら直線にならないので今回は純虚数といえばOKですが,直線の成立を無視して垂直を言う場合は「0または純虚数」というほうが正確です。

よって

2直線\( \alpha\beta , \alpha\gamma \)が垂直
⇔\( \displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} \)が純虚数
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三角形αβγが正三角形となる条件

これはθ=±60°であり,かつr=1倍に拡大される必要があります。よって

\( \alpha,\beta,\gamma\)が正三角形
⇔\( \displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\cos{(\pm 60°)}+i\sin{(\pm 60°)}=\frac{1 \pm \sqrt{3}i}{2}\)

4点α,β,γ,δが同一円周上にある条件

ABCDが同一円周上
⇔∠ABC+∠CDA=180°を使います。

\( \displaystyle \frac{\alpha-\beta}{\gamma-\beta} \)の偏角が∠ABC,
\( \displaystyle \frac{\gamma-\delta}{\alpha-\delta} \)の偏角が∠CDA,

その2つの複素数をかけたものの偏角はもとの偏角の和で表されることを使います。さらに180°なら★の右辺は負の実数になることを利用すると次の公式が得られます。

同一円周上の条件

\(\alpha,\beta,\gamma,\delta\)が同一円周上
⇔\( \displaystyle \frac{\alpha-\beta}{\gamma-\beta}\cdot \frac{\gamma-\delta}{\alpha-\delta}\)が負の実数

 

他にも正六角形にする問題などいろいろ考えられますが基本(★)を理解していれば多少の変化には対応できるようになります。

 

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