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上野竜生です。今回は基本関数と基本公式(積・商・合成関数の微分)を使って計算できる微分の計算方法をマスターします。

復習 基本的な関数の微分・基本公式

これらの結果は特に指定がなければ証明なく使用して良いです。

POINT・\( (x^{\alpha}) '=\alpha x^{\alpha-1} \)
(証明はαが0以上の整数と\(\frac{1}{2}\)のときしかしていませんが他の場合でも成り立ちます)
・sinx'=cosx   cosx'=-sinx

・\(\displaystyle (\log{x}) '=\frac{1}{x} , (\log_{a}{x})'=\frac{1}{x\log{a}} \)

・\( (e^x)'=e^x , (a^x)'=a^x \log{a} \)

積の微分 \( \{ f(x)g(x) \}’=f’(x)g(x)+f(x)g’(x) \)

商の微分 \(\displaystyle \{\frac{f(x)}{g(x)} \}’=\frac{f’(x)g(x)-f(x)g’(x)}{g(x)^2} \)

合成関数の微分 \(\displaystyle f(g(x))’=f’(g(x))g’(x) \)

それでは早速適用していきましょう!

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例題1 積の微分を使う

次の関数を微分せよ。
(1)\( x^2 \log{x} \)   (2)\( e^x \sin{x} \)
答え(1) 積の微分より
\(\displaystyle (x^2)’\log{x}+x^2(\log{x})’=2x\log{x}+x^2\cdot \frac{1}{x}=2x\log{x}+x \)
(2) 積の微分より
\( (e^x)’ \sin{x}+e^x(\sin{x})’=e^x \sin{x}+e^x \cos{x} \)

例題2 商の微分を使う

次の関数を微分せよ。
(1)\(\displaystyle \frac{1}{x^n} \)  (2)\(\tan{x} \)  (3) \(\displaystyle \frac{2x}{x^2+4} \)
答え(1)商の微分より
\(\displaystyle \frac{0 \cdot x^n - 1 \cdot nx^{n-1}}{(x^n)^2}=-n\frac{1}{x^{n+1}} \)
(2)\(\displaystyle \tan{x}=\frac{\sin{x}}{\cos{x}} \)として商の微分より
\(\displaystyle \frac{\cos{x} \cdot \cos{x} - \sin{x}\cdot (-\sin{x})}{\cos^2{x}}=\frac{1}{\cos^2{x}} \)
(3)商の微分より
\(\displaystyle \frac{2(x^2+4)-2x\cdot 2x}{(x^2+4)^2}=\frac{-2x^2+8}{(x^2+4)^2} \)
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例題3 合成関数の微分

次の関数を微分せよ。
(1) \(\log{(-x)}\)  (2)\(\sqrt{x^2+1} \)  (3) \( e^{\sin{2x}}\)
答え(1)u=-xとおくと\(\displaystyle \frac{du}{dx}=-1 \)
loguをuで微分すると\(\frac{1}{u} \)だから合成関数の微分より
\(\displaystyle \frac{1}{u} \cdot (-1) = \frac{1}{-x} \cdot (-1)=\frac{1}{x} \)
この結果より\(\displaystyle \log{|x|}’=\frac{1}{x} \)が成り立ちます。
答え(2) \(u=x^2+1 \)とおくと\(\displaystyle \frac{du}{dx}=2x \)
\(\displaystyle \sqrt{u} \)をuで微分すると\(\displaystyle \frac{1}{2\sqrt{u}} \)
よって合成関数の微分より
\(\displaystyle \frac{1}{2\sqrt{u}} \cdot 2x=\frac{2x}{2\sqrt{x^2+1}}= \frac{x}{\sqrt{x^2+1}} \)
一般に\( \displaystyle \sqrt{f(x)}’=\frac{f’(x)}{2\sqrt{f(x)}} \)が成り立ちます。これを覚えておくと便利です。

またここまで丁寧に文字で置換しなくても頭の中で計算して一気に約分前の式まで求められるようにしましょう。(3)は丁寧にやると大変なので実際の試験で使う程度の記述量にしてみます。

答え(3) \( (e^{\sin{2x}})’=e^{\sin{2x}} \cdot (\sin{2x})’=e^{\sin{2x}} \cdot \cos{2x} \cdot (2x)’= 2\cos{2x}e^{\sin{2x}} \)

このぐらいで解答できるまで慣れましょう。

例題4 応用(公式を2つ以上組み合わせて求める問題)

次の関数f(x)を微分せよ。
(1) \( f(x)=\log{(x+\sqrt{x^2+1})} \)  (2) \(\displaystyle f(x)=\frac{xe^{x}}{\cos^2{2x}} \)

このぐらい複雑になると基礎がしっかりできていないとできないと思いますが積分に比べるとかなり簡単です。しっかり求めましょう。このレベルの微分を極限による定義から導出するのは絶望です。

答え(1)
\(\displaystyle f’(x)=\frac{(x+\sqrt{x^2+1})’}{x+\sqrt{x^2+1}}\\ \displaystyle =\frac{1+\frac{x}{\sqrt{x^2+1}}}{x+\sqrt{x^2+1}}=\frac{\sqrt{x^2+1}+x}{(x+\sqrt{x^2+1})\sqrt{x^2+1}}=\frac{1}{\sqrt{x^2+1}}\)
(合成関数の微分を2回用いた。2回目は例題3(2)と同じ。最後に約分できることに注意)
(2) \(\displaystyle f’(x)=\frac{(e^x+xe^x)\cos^2{2x}- xe^x(2\cos{2x} \cdot (-\sin{2x}) \cdot 2)}{\cos^4{2x}} \\ \displaystyle \frac{(e^x+xe^x)\cos{2x}+4xe^x\sin{2x}}{\cos^3{2x}} \)

 

以上の例題の結果(または同様に得られる結果として)次の結果もできれば覚えておきましょう。

POINT・\(\displaystyle (\log{|f(x)|})'=\frac{f'(x)}{f(x)} \)
・\(\displaystyle (\sqrt{f(x)})’=\frac{f’(x)}{2\sqrt{f(x)}} \)
・\(\displaystyle (\tan{x})’=\frac{1}{\cos^2{x}} \)
・\(\displaystyle (\frac{1}{\tan{x}})’=-\frac{1}{\sin^2{x}} \)

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