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上野竜生です。今回は与えられた解をもつ2次方程式の作成や,和と積が与えられたときの2つの値を求めることを行います。実数のときにもやっているかもしれませんが複素数解をもつときを扱っています。

解と係数の関係

実数解をもつときも複素数解をもつときも次が成り立つ:

\( ax^2+bx+c=0 \)の2つの解を\( \alpha,\beta \)とおくとき,
\(\displaystyle \alpha+ \beta=-\frac{b}{a} , \alpha \beta=\frac{c}{a} \)

逆に和と積がわかれば2次方程式を作れますし,それを解けば2つの値がわかるというわけです。

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例題1

2次方程式\( x^2+5x+7=0 \)の2つの解をα,βとする。
(1)最高次の係数が1で,α+1,β+1を解にもつ2次方程式を求めよ。
(2)最高次の係数が1で,\(\displaystyle \frac{1}{\alpha+1} , \frac{1}{\beta +1} \)を解にもつ2次方程式を求めよ。
答え(1)解と係数の関係より
\( \alpha + \beta =-5 , \alpha \beta=7 \)
α+1,β+1を解に持つ2次方程式を\( x^2+px+q =0 \)とおく。
解と係数の関係より
\( (\alpha+1)+(\beta+1)=-p \) ∴p=3
\( (\alpha+1)(\beta+1)=q \)
\( q=\alpha\beta + (\alpha+\beta)+1=7-5+1=3 \)
よって\( x^2+3x+3=0 \)
わざわざ係数を文字で置かなくても解の和と積を求めて答えれば十分でしょう。
<実際の解答例>
解と係数の関係より
\( \alpha + \beta =-5 , \alpha \beta=7 \)
\( (\alpha+1)+(\beta+1)=-3 \)
\( (\alpha+1)(\beta+1)\\=\alpha\beta + (\alpha+\beta)+1=7-5+1=3 \)
より求める方程式は\( x^2+3x+3=0 \)
最高次の係数の指定がなければ\( k(x^2+3x+3)=0 ~ (k \neq 0) \)の形でかけるものが答えです。
答え(2)\(\displaystyle \frac{1}{\alpha+1}+\frac{1}{\beta+1}=\frac{(\alpha+1)+(\beta+1)}{(\alpha+1)(\beta+1)}=\frac{-3}{3}=-1 \)
\(\displaystyle \frac{1}{\alpha+1}\cdot \frac{1}{\beta+1}=\frac{1}{3} \)
なので求める方程式は
\( x^2+x+\frac{1}{3}=0 \)
xの係数は符号が変わることに慣れておきましょう。こちらについては最高次の係数が1という指定がなければ両辺に3をかけて\( 3x^2+3x+1=0 \)と解答するのも問題ありません。

例題2

2つの複素数α,βの和が\(\sqrt{3} \)で,積が2となるとき,α,βを求めよ。
答え解と係数の関係より和が\(\sqrt{3} \)で積が2となる数は2次方程式
\( x^2-\sqrt{3}x +2=0 \)
の解である。よってこれを解くと
\(\displaystyle x=\frac{\sqrt{3} \pm \sqrt{5}i}{2} \)
よって\( \displaystyle (\alpha,\beta)=\left( \frac{\sqrt{3} + \sqrt{5}i}{2}, \frac{\sqrt{3} - \sqrt{5}i}{2} \right) , \left( \frac{\sqrt{3} - \sqrt{5}i}{2} , \frac{\sqrt{3} + \sqrt{5}i}{2} \right) \)

 

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