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上野竜生です。数学の問題としてはあまり定番ではない測量の問題ですが,共通テストではよく見かけます。意外と苦戦する人もいるので紹介します。数学的には角度は30°や45°など,きれいな角度しか解きにくいのですが,三角比表を与えることで汚い角度の計算も問えるようになっています。だからこそ汚い角度の問題も少し触れる必要があります。

三角比表

三角比表

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例題

(1)木の高さをはかりたい。木から10m離れた位置から木の頂点を見ると仰角は31°となった。目線の高さが地面から1.5mであるとき,木の高さを求めよ。(小数第2位を四捨五入して小数第1位まで)
測量 例題1
(2)木の高さをはかりたい。図のように地面は6°傾いた坂になっている。この坂を10m登った位置から木の頂点を見ると仰角は32°であった。人は木と平行に立っていると仮定し,目線は足元から1.5mの高さにあるとする。木の高さを求めよ。(小数第2位を四捨五入して小数第1位まで)
測量 例題2
答え(1)問題に与えられた図のようにA,B,C,D,Eを定める
AB=CD=10m , ,AC=BD=1.5mであり,△CDEに着目すると
DE=10tan31°≒6.009mだから
木の高さはBE=6.009+1.5=7.509 約7.5m
10tan31°+1.5=6.009+1.5=7.509 約7.5m
(2)【解法1】三角比で頑張って解く。
図のようにA,B,C,D,E,Fを定める。
測量2
AB=10mなのでAC=DE=10cos6°,BC=10sin6°,AD=CE=1.5
FE=DEtan32°=10cos6°tan32°
よって木の高さは
FB=FE+EC+CR=10cos6°tan32°+1.5+10sin6°
=10・0.9945・0.6249+1.5+10・0.1045
=6.2146305+1.5+1.045
=8.7596305
≒8.8m
【解法2】正弦定理を使う。
解法1の図の長方形DACEを下にずらし,△ACBと入れ替えると次のような図になる。
測量(正弦定理を使う)
この図のようにA,C,D,E,F,G,Hを定めると
∠FGE=32+6=38°。∠GFE=90°-32°=58°
正弦定理より
\( \displaystyle \frac{EG}{\sin{58°}}=\frac{EF}{\sin{38°}} \)
EG=10なので
\(EF=10 \cdot \frac{\sin{38°}}{\sin{58°}}=10\cdot \frac{0.6157}{0.848}=7.2606\cdots \)
よって木の高さは
\( 7.2606+1.5=8.8m \)

こういう問題は共通テストでしかほぼ見かけませんが,共通テストでよく出るので多くの受験生は対応する必要があります。解法1は非常に素直に解いていますが計算量が多くなってしまいます。電卓があれば楽ですが共通テストでは電卓がないので解法2のような工夫を思いつくと楽になるでしょう。パズルのように補助線を引いたり平行移動させたりして,計算が楽になるような式を立てられるのが理想です。

三角比の近似値を使っているので解法によりわずかに誤差が生じます。よって共通テストでも正確な値を要求されることは少なく,選択肢の中から近い値を選ぶ,といった形でよく出ます。

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