上野竜生です。文系で最後のほうに習う微分積分(多項式)ですが、意外と簡単です。しかし計算を面倒臭がって使ってはいけない公式を使ってしまう人もいます。そんな落とし穴を紹介していきます。
基本の公式
・\( f(x)=x^{\alpha} \)のとき、\( \displaystyle \int x^{\alpha}dx=\frac{1}{\alpha+1}x^{\alpha+1}+C (\alpha \neq -1)\)
(Cは積分定数)
\( \int af(x) dx = a \int f(x)dx ,\) \( \int (f(x)+g(x))dx=\int f(x)dx+\int g(x)dx \)
ここで注意してほしいのは微分のほうでαについては実数で成り立つことです。積分もα≠-1であれば成り立ちますが文系の積分ではαは整数でしか使うことはないでしょう。しかし微分は整数以外でも使えます。少し例題を見ておきましょう。
基本例
\( (1) x^3\hspace{ 10pt }(2)5x^2 \hspace{ 10pt }(3) x^3+3x^2+5 \\
(4)\int x^2 dx \hspace{ 10pt }(5) \int 3xdx \hspace{ 10pt }(6) \int (3x^2+5)dx \)
(1) 最初の公式にα=3を代入しただけなので\( 3x^2 \)
(2) \(x^2\)を微分すると2x 線形性より5倍したものの微分は微分したものの5倍だから10x
(3) \(x^3\)の微分は\(3x^2 \)、\(3x^2\)の微分は\(6x\)、5の微分は0
線形性より 足した関数の微分は微分した関数を足したものだから答えは\( 3x^2+6x \)
(4) 積分の公式にα=2を代入したものだから\( \frac{1}{3} x^3 \)
(5) xを積分すると\( \frac{1}{2}x^2 \) 線形性より3倍したものの積分は積分したものの3倍だから\( \frac{3}{2}x^2 \)
(6) \(3x^2\)を積分すると\(x^3\) 、5を積分すると\(5x\)
線形性より足した関数の積分は積分した関数を足したものだから答えは\( x^3+5x\)
実はこういう計算に応用できます
積分でも同様に計算できますが、文系用の積分の問題でこれを使うことはほとんどありませんので省略します。微分のみ例題を見ていきましょう。
\( (1) x\sqrt{x} (2)\frac{1}{x} \)
(1)\(x\sqrt{x}=x^{\frac{3}{2}}\)より答えは\( \frac{3}{2}x^{\frac{1}{2}}=\frac{3}{2} \sqrt{x} \)
(2)\(\frac{1}{x}=x^{-1}\)より答えは\(-x^{-2}=-\frac{1}{x^2}\)
基本は展開してから微分・積分を計算する!
ダメな計算例をお見せします
\( ((2x+1)^3)'=3(2x+1)^2 \)
\( ((x^2+x+1)(2x-2))'\) \(=(x^2+x+1)'(2x-2)'\)\(=(2x+1)\cdot 2 \)
いずれも展開してから微分しましょう。
なお1つめの公式は正しくは次のようになります。
さきほどのNG例と比較してa倍されるという違いがあります。これを忘れると減点がもったいないので展開してから微分することを心がけましょう。そのうえで、微分したものを因数分解してみて定数倍の違いになるかなどをチェックして検算するのがいいでしょう。
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