上野竜生です。今回はベクトルを用いた正五角形の問題です。この形で問う方が美しいと思います。正五角形の対角線の長さの求め方は平面図形ですでに学習済みだと思うのでベクトルを用いなくても解けるようになっているのが望ましいです。

問題

1辺が1の正五角形ABCDEにおいて\(\vec{a}=\vec{AB} , \vec{b}=\vec{AE}\)とおき,BE=αとおく。
(1)△ABEに注目することにより\(\vec{a}\cdot \vec{b} \)を\(\alpha\)で表せ。また\(\cos{108°}\)を\(\alpha\)で表せ。
(2)\(\vec{AC}\)を\(\vec{a},\vec{b},\alpha\)で表せ。
(3)\(|\vec{AC}|^2\)に注目することにより\(\vec{a}\cdot \vec{b} \)を\(\alpha\)で表せ。
(4)\(\alpha\)の値と\(\cos{108°}\)の値をそれぞれ求めよ。
答え(1)△ABEにおいて余弦定理より
\( \alpha^2=1+1-2\cos{108°} \)
よって\(\displaystyle \cos{108°}=\frac{2-\alpha^2}{2} \)
\(\displaystyle \vec{a}\cdot \vec{b}=1\cdot 1\cdot \cos{108°}=\frac{2-\alpha^2}{2} \)

もちろん前半だけしか問われていなければ
\( \alpha^2=|\vec{a}-\vec{b}|^2=2-2\vec{a}\cdot \vec{b} \)から求められます。

正五角形のベクトル
(2)ABとECは平行であることに注意する。AB:EC=1:αだから

\(\vec{AC}=\vec{AE}+\vec{EC}=\vec{AE}+\alpha \vec{AB}=\alpha \vec{a}+\vec{b} \)

(3)\(\alpha^2=|\vec{AC}|^2 \\ = |\alpha \vec{a}+\vec{b}|^2 \\ = \alpha^2+ 2\alpha \vec{a}\cdot \vec{b}+1 \)
よって\(\displaystyle \vec{a}\cdot \vec{b}=-\frac{1}{2\alpha} \)
(4)(1)(3)より
\(\displaystyle \vec{a}\cdot \vec{b}=\frac{2-\alpha^2}{2}=-\frac{1}{2\alpha} \)
∴\( \alpha(2-\alpha^2)=-1 \)
\( \alpha^3-2\alpha-1\\=(\alpha+1)(\alpha^2-\alpha-1)\\=0 \)
α>0より\(\displaystyle \alpha^2-\alpha-1=0 \)
\(\displaystyle \alpha=\frac{1+ \sqrt{5}}{2}\)

\(\displaystyle \cos{108°}=-\frac{1}{2\alpha}=-\frac{1}{1+\sqrt{5}}=\frac{1-\sqrt{5}}{4} \)

問題の出し方としてαは別の方法で先に計算させておいていきなり係数に√を用いた形で書かせることもあります。
しかし,ベクトルの面白味を出すには本来この形で出題するべきだと思います。

この形で出題されにくいのは,やはり採点が面倒だからでしょう。
実際αは\( \alpha^2=\alpha+1\)を満たすのでこの関係を使って同値になるものは不正解とは言えないからです。(3)の結果にも加え、(1)でこの関係を使うと
\(\displaystyle \cos{108°}=\frac{2-\alpha^2}{2}=\frac{1-\alpha}{2}\\ \displaystyle = -\frac{1}{2\alpha}=\frac{1}{2-2\alpha^2} \)
など無数の「正解」が出来てしまうので出題を嫌っているのかもしれません。
しかし,この形でもたまには見かけますし,最初からαの値を求めさせて正五角形のベクトルを考える問題はよく出題されますので,解けるようにしましょう。ポイントはAB//CEなどの平行に気づくことです。

最初にαを求める方法は平面図形の分野で学習済みです。思い出せない人はコチラで復習しましょう。

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