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上野竜生です。今回は極値をもつ条件・持たない条件を紹介します。一般の場合は数IIIに任せて,今回は数IIの範囲ということで多項式,特に3次式・4次式の場合を紹介します。結果を覚えておくといいこともありますよ。

例題1

\( f(x)=x^3-6x^2+ax+9 \)とする。
(1)y=f(x)が極値をもつような定数aの範囲を求めよ。
(2)y=f(x)がx=-1で極大値をもつときの定数aの値を求めよ。
(3)y=f(x)が-4≦x≦4で極小値をもつような定数aの範囲を求めよ。
答え(1)
\( f'(x)=3x^2-12x+a \)・・・①なので
f'(x)=0の判別式をDとするとD>0
よってD/4=36-3a>0よりa<12
3次関数の場合はこちらのページからご覧いただけるように微分した2次方程式の解の個数だけで極値をもつ・もたないが判別できます。気になる人はリンク先と同様の方法でD>0,D=0,D<0と場合分けして考えても丁寧でいいですね。
答え(2)x=-1を極値にもつので①よりf'(-1)=0
よってf'(-1)=3+12+a=0 ∴a=-15
[これだけではf'(-1)が極値であるか保証されていないし,極値であったとしても極大値かどうか保証がないので増減表で確認する]
a=-15のとき
\( f'(x)=3x^2-12x-15=3(x-5)(x+1) \)なのでf'(x)=0を解くとx=-1,5
よって増減表は下の通り\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & -1 & \cdots & 5 & \cdots \\ \hline
f'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline
f(x) & \nearrow & 極大 & \searrow & 極小 & \nearrow \\ \hline
\end{array}

よってx=-1で極大である。以上よりa=-15

(3)極値をもつ条件はf'(x)=0が異なる2つの実数解をもつことであった。このときの2つの実数解を\(\alpha,\beta (\alpha <\beta )\)とする。
増減表は

\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots & \beta & \cdots \\ \hline
f'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline
f(x) & \nearrow & 極大値f(\alpha) & \searrow & 極小値f(\beta) & \nearrow \\ \hline
\end{array}

となるから-4≦x≦4で極小値をもつ⇔-4≦β≦4
①より
\(\displaystyle \beta=\frac{6 + \sqrt{36-3a}}{3} \)
なので3倍して
\( -12 \leq 6+\sqrt{36-3a} \leq 12 \)
\( -18 \leq \sqrt{36-3a} \leq 6 \)
左側の不等式は常に成立(√の定義より√X≧0なので)
右側を調べる。D>0より√の中身は正。両辺2乗すると
36-3a≦36
∴a≧0
(1)のD>0とあわせると0≦a<12

 

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例題2

\( y=x^4-6x^2+ax+9 \)が極大値を持つような定数aの値の範囲を求めよ。

極大値をもつということはf'(x)=0を満たすxが存在し,そのxの前後でf'(x)の符号が+から-に変わることである。
\( f'(x)=4x^3-12x+a \)は3次式なのでf'(x)=0の解は次のどれかである。

 異なる3個の実数解をもつ
 2重解を1つとそれとは異なる実数解を1つもつ
 3重解を1つもつ
 1つの実数解と虚数解を2つもつ

のとき実数解をα,β,γとすると増減表は以下の通り

\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots & \beta & \cdots & \gamma & \cdots \\ \hline
f'(x) & - & 0 & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline
f(x) & \searrow & 極小 & \nearrow & 極大 & \searrow & 極小 & \nearrow \\ \hline
\end{array}

のとき実数解をα,α,βとすると増減表は以下の通り
α<βのとき
\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots & \beta & \cdots \\ \hline
f'(x) & - & 0 & - & 0 & + \\ \hline
f(x) & \searrow & 極値ではない & \searrow & 極小 & \nearrow \\ \hline
\end{array}

β<αのとき
\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots & \beta & \cdots \\ \hline
f'(x) & - & 0 & + & 0 & + \\ \hline
f(x) & \searrow & 極小 & \nearrow & 極値ではない & \nearrow \\ \hline
\end{array}

ウ・エのとき実数解をαとすると増減表は以下の通り

\begin{array}{|c||c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots \\ \hline
f'(x) & - & 0 & + \\ \hline
f(x) & \searrow & 極小 & \nearrow \\ \hline
\end{array}

よって極大値をもつ条件はf'(x)=0が異なる3個の実数解をもつこと。

答え\( g(x)=f'(x)=4x^3-12x+a \)とおく。g'(x)=0が異なる3個の実数解をもつときのみ極大値をもつ。
\( g'(x)=12x^2-12 \)よりg'(x)=0を解くとx=-1,1。
よって増減表は下の通り\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline
g'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline
g(x) & \nearrow & a+8 & \searrow & a-8 & \nearrow \\ \hline
\end{array}

よって3つの実数解をもつ条件は極大値>0かつ極小値<0なので
a+8>0かつa-8<0
∴-8<a<8

まとめ

POINT

実数全体で定義された4次関数f(x)について
①必ず極小値をもつ。
極大値を持つ条件はf'(x)=0が異なる3つの実数解をもつこと

特に暗記必須というほど頻出ではありませんが知っておくとかなり有利です。

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