極限の求め方~記述式ではこう書きましょう~

上野竜生です。極限値を求める問題は正直言ってそれほど難しいパターンというのが少ないです。ですが,記述するときに不十分な答案を書いてしまいがちです。わかってるのに点数にならないのはもったいないので答案の書き方を意識して解くようにしましょう。

極限の計算

基本的な解法パターンはこんな感じです。

  • 分数式の場合,因数分解して約分できる形に
  • √を含んだ場合、分子を有理化
  • \(r^n\)を含んだ場合,等比数列の極限が使えるように無理やり変形
  • eの定義を用いる
  • ハサミウチの原理を使う
  • (最終手段:ロピタルの定理→記述式には普通使用しません。)

記述の場合、途中式は絶対残しましょう

いくつか解法パターンと具体例を確認していきます。

次の極限を求めよ。
\( \displaystyle \lim_{x \to 1} \frac{x^2-1}{x-1} \)

こういうものは必ず約分できる形に変形しましょう。\( x^2-1=(x-1)(x+1) \)を答案上に見せないと減点される可能性が高いです。

(答)

\(\displaystyle \lim_{x \to 1} \frac{(x-1)(x+1)}{x-1} = \lim_{x \to 1} (x+1)=2 \)

次の極限を求めよ。
\(\displaystyle  \lim_{n \to \infty} \frac{(2n+1)^2}{n^2 +1} \)

慣れると最高次の係数を見て「あ、4だな。」と思い途中式をとばして「=4」と書いて終わりがちですが高校数学ではそこが問われてますから必ず途中式を見せる必要があります。

解答

\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{4n^2 + 4n +1}{n^2 +1}=\lim_{n \to \infty} \frac{4 + \frac{4}{n} + \frac{1}{n^2}}{1 +\frac{1}{n^2}}=4 \)

\(\left( ∵ \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n^2}=0\right)\)

かなり丁寧に書いていますがこの場合,これぐらい書いておかないと差がつかないと思います。他にひと手間加えていれば最後の∵はなくてもいいでしょう。書いておいたほうが丁寧ですが。

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間違いやすいポイント:limの下に書いてある小さい文字を先入観で決めつけない!

次の例題を見てみましょう。

例題:次の極限を求めよ。
\(\displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{(2x+1)^2}{x^2 +1} \)

さっきと同じで最高次の係数で・・・4?

こういうところでのミスが多いです。これは不定形ではないのでそのままx=0を代入して答えは1です。0への極限なのか∞への極限なのか・・・チェックしましょう。

この例題ではなく
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} \frac{\sin{x}}{x}=1? \)(正解は0)
でミスが目立ちます。

√を含めば分子の有理化

次の極限を求めよ。
\( \displaystyle (1) \lim_{n \to \infty} \frac{\sqrt{n^2-2}-1}{n-1} \hspace{ 10pt }
(2) \lim_{n \to \infty} \sqrt{n+5} – \sqrt{n} \)

これも有理化した式を必ず答案上に残します。

(1)

\(\displaystyle  \begin{eqnarray}
& & \lim_{n \to \infty} \frac{(\sqrt{n^2-2}-1)(\sqrt{n^2-2}+1)}{(n-1)(\sqrt{n^2-2}+1)} \\
&=& \lim_{n \to \infty} \frac{n^2 -3}{(n-1)(\sqrt{n^2-2}+1)} \\
&=& \lim_{n \to \infty} \frac{1-\frac{3}{n^2}}{(1-\frac{1}{n})(\sqrt{1-\frac{2}{n^2}}+\frac{1}{n})}\\
&=& 1
\end{eqnarray} \)

(2)

\( \displaystyle \begin{eqnarray}
& & \lim_{n \to \infty} \frac{\sqrt{n+5} – \sqrt{n}}{1} \\
&=& \lim_{n \to \infty} \frac{(\sqrt{n+5} – \sqrt{n})(\sqrt{n+5} + \sqrt{n})}{\sqrt{n+5} + \sqrt{n}} \\
&=& \lim_{n\to \infty} \frac{5}{\sqrt{n+5} + \sqrt{n}} \\
&=& 0 \end{eqnarray}\)

このように考えればできますね。

残りは次回の記事で書いています。

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