上野竜生です。格子点の数を数える問題はΣ計算と相性が良いです。基本的なタイプと、そのまま入試問題としても使えるレベルの発展問題と様々なタイプを紹介します。かなり難易度は高めです。

例題

xy平面上ならx座標y座標がともに整数となる点を格子点といい,xyz空間上ならx,y,z座標がすべて整数となる点を格子点という。次の領域に格子点はいくつあるか?
(1) x≧1かつy≧1かつ3x+y≦3n
(2) 0≦x≦100かつ0≦y≦\(\sqrt{x}\)
(3) 0≦x≦nかつ0≦y≦nかつ0≦z≦nかつx+y+z≦2n
答え(1)【解1】x=kのとき条件を満たすyの個数をakとおく。
このとき\(1\leq y \leq 3n-3k \)だからこれを満たす整数yの個数は
\(\displaystyle a_k=3n-3k \)(1≦k≦n)
これを1≦k≦nの和が求めるものだから

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k = \sum_{k=1}^n (3n-3k)=3n^2 – \frac{3}{2}n(n+1)=\frac{3}{2}n(n-1) \)

【解2】y=kのとき条件を満たすxの個数をbkとおく。
このとき\(1\leq x \leq n-\frac{k}{3} \)だからこれを満たす整数xの個数は
\(\displaystyle b_k = [n-\frac{k}{3}] \)(1≦k≦3n)
ただし[x]はxを超えない最大の整数を表す。
よって求める個数は

\(\displaystyle \sum_{k=1}^{3n} b_k = \sum_{k=1}^n (b_{3k-2}+b_{3k-1}+b_{3k}) \\ =\displaystyle \sum_{k=1}^n [n-\frac{3k-2}{3}]+[n-\frac{3k-1}{3}]+[n-\frac{3k}{3}] \\ =\displaystyle \sum_{k=1}^n (n-k)+(n-k)+(n-k) \)

以下解1と同じ。
【解3】図形的に考える。

格子点の個数(1)

図より求めるものはA+Bである。
Bの個数はx(1≦x≦n-1)の値1つに対し1個が対応するからB=n-1
また,図形の対称性より2A+Bは
1≦x≦n-1,1≦y≦3n-1を満たす整数(x,y)の個数だから2A+B=(n-1)(3n-1)
求めるものは
\(\displaystyle A+B=\frac{(2A+B)+B}{2} \\ \displaystyle =\frac{(n-1)(3n-1)+(n-1)}{2} \\ \displaystyle=\frac{3}{2}n(n-1) \)

この問題は図形的にも考えられますがやはりΣを用いる解1が最も良い方法です。解2でも解けますが計算量が違いますね。このようにどの軸で切るかを間違えても理論上は正解にたどり着きますが計算が大変になります。
(2)[再掲] 0≦x≦100かつ0≦y≦\(\sqrt{x}\)
答え(2)【解1】x=kのとき条件を満たすyの個数をakとおく。
このとき\(0\leq y \leq \sqrt{k} \)なのでこれを満たす整数yの個数は
\(\displaystyle [\sqrt{k}+1]\)
よって求める個数は
\(\displaystyle \sum_{k=0}^{100}[\sqrt{k}+1] =101+\sum_{k=1}^{100}[\sqrt{k}] \)
ここで\(\displaystyle \sum_{k=1}^{100} [\sqrt{k}]\)を求める。
\([\sqrt{k}]=1 \)となるkは\(1 \leq k \leq 3\)の3個。
\([\sqrt{k}]=m\)となるkは\( m^2 \leq k \leq (m+1)^2-1\)の2m+1個(1≦m≦9)
\([\sqrt{k}]=10 \)となるのはk=100の1個。よって

\(\sum_{k=1}^{100} [\sqrt{k}] \\ = 1\cdot 3 + 2\cdot 5+ 3\cdot 7 + 4\cdot 9+5\cdot 11+6\cdot 13+7\cdot 15+8\cdot 17+9\cdot 19 +10 \\ = 3+10+21+36+55+78+105+136+171+10\\=625 \)

以上より求める個数は101+625=726

もちろんΣ計算のところでΣを用いて
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{100} [\sqrt{k}]=10+\sum_{k=1}^9 k(2k+1)\\ \displaystyle =10+\frac{1}{3}\cdot 9\cdot 10\cdot 19 + \frac{1}{2}\cdot 9\cdot 10 \\ =10+570+45=625 \)
と書いてもいいですね。
答え【解2】y=kのとき条件を満たすxの個数をbkとおく。
このとき\(k^2 \leq x \leq 100\)なのでこれを満たすxの個数は\(101-k^2 \)
\(0\leq x\leq 100, 0\leq y\leq \sqrt{x}\)よりyの範囲は\(0\leq y \leq 10\)だから求める個数は
\(\displaystyle \sum_{k=0}^{10} 101-k^2 = 101+\sum_{k=1}^{10}(101-k^2) \\ =\displaystyle 101+1010-\frac{1}{6}\cdot 10\cdot 11 \cdot 21 \\ =1111-385=726 \)

これは解2のyのほうでカウントするほうが圧倒的に楽ですね。Σが0からになっているので0だけ分けるとわかりやすいです。

(3)[再掲] 0≦x≦nかつ0≦y≦nかつ0≦z≦nかつx+y+z≦2n

答えz=kで切断したときの(x,y,k)の数をakとおく。0≦x≦n,0≦y≦n,x+y≦2n-kの領域は下の図の左下の部分。(図はn=6,k=3の場合)

格子点の個数(3)

図より正方形の格子点の数から右上の格子点の数を引けばよいので
\(\displaystyle a_k=(n+1)^2-\frac{1}{2}k(k+1) \)

よって求める格子点の数は

\(\displaystyle \sum_{k=0}^n (n+1)^2-\frac{1}{2}k(k+1) \\ =\displaystyle (n+1)^3-\sum_{k=1}^n \frac{1}{2}k(k+1) \\ \displaystyle = (n+1)^3 – \frac{1}{12}n(n+1)(2n+1)-\frac{1}{4}n(n+1) \\ =\displaystyle \frac{(n+1)}{12}(12n^2+24n+12-2n^2-n-3n)\\ \displaystyle =\frac{1}{6}(n+1)(5n^2+10n+6) \)

(3)はかなりの難問です。理系の人は体積の積分計算で似たような考えを学びますが文系はこのような考え方を勉強しないのでここで勉強しないと入試で出たときに解くのが難しくなります。

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