1/√(x^2+a^2)の積分

上野竜生です。√(x2+a2)の積分を丁寧に解説しようとすると長くなったのでラスボス前の中ボス程度の1/√(x2+a2)は別ページにわけることにしました。ラスボスについてはこちらをご覧ください。

不定積分Jの計算方法

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今回考える積分

\( J=\displaystyle \int \frac{1}{\sqrt{x^2+a^2}}dx (a>0)\)

方法1: x=atanθと置換

簡単に思い浮かぶ方法だと思いますが計算量は少し多くなります。

\(J\displaystyle =\int \frac{dx}{\sqrt{x^2+a^2}}\)
\(x=a\tan{\theta}\)とおく。
\(J\displaystyle =\int \frac{1}{\sqrt{a^2\tan^2{\theta}+a^2}} \cdot \frac{a}{\cos^2{\theta}} d\theta\\
=\displaystyle \int \frac{\cos{\theta}}{a}\cdot \frac{a}{\cos^2{\theta}}d\theta \\
=\displaystyle \int \frac{1}{\cos{\theta}} d\theta\\
=\displaystyle \int \frac{\cos{\theta}}{1-\sin^2{\theta}}d\theta\)

ここで\(t=\sin{\theta} \)とおく

\(\displaystyle J= \int \frac{dt}{1-t^2} \\
=\displaystyle \int \frac{1}{2}\left(\frac{1}{t+1}-\frac{1}{t-1}\right)dt \\
=\displaystyle \frac{1}{2}\log{\left|\frac{t+1}{t-1}\right|}+C’\)

\( \displaystyle \sin{\theta}=\frac{\tan{\theta}}{\sqrt{1+\tan^2{\theta}}}=\frac{\frac{x}{a}}{\sqrt{1+\frac{x^2}{a^2}}}=\frac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}\)を代入すると

\( \displaystyle J=\frac{1}{2}\log{\left|\frac{\frac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}+1}{\frac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}-1}\right|}+C’\\
=\displaystyle \frac{1}{2}\log{\left|\frac{x+\sqrt{x^2+a^2}}{x-\sqrt{x^2+a^2}}\right|}+C’\\
=\displaystyle \frac{1}{2}\log{\left|\frac{(x+\sqrt{x^2+a^2})^2}{-a^2}\right|}+C’\\
=\displaystyle \log{(x+\sqrt{x^2+a^2})}+C\)

分母の|-a2|は定数なので積分定数の中に入ってしまいます。

方法2: x=asinhθと置換

sinhとは双曲線関数の1つです。定義は下の赤字の通りです。双曲線関数を知っていればこの置換は比較的容易に思い浮かぶはずです。

\(\displaystyle x=\frac{e^{\theta}-e^{-\theta}}{2}a=a\sinh{\theta}\)とおく
\(\displaystyle J=\int \frac{1}{a\sqrt{(\frac{e^{\theta}-e^{-\theta}}{2})^2+1}}\cdot \frac{e^{\theta}+e^{-\theta}}{2}a d\theta \\
=\displaystyle \int \frac{1}{a\sqrt{(\frac{e^{\theta}+e^{-\theta}}{2})^2}} \cdot \frac{e^{\theta}+e^{-\theta}}{2}a d\theta\\
=\displaystyle \int d\theta\\
=\theta+C’\)

\(\displaystyle  x=\frac{ae^{\theta}}{2}-\frac{ae^{-\theta}}{2} \)より

\(\displaystyle 2xe^{\theta}=ae^{2\theta}-a \)

\(e^{\theta} \)に関する2次方程式\( ae^{2\theta}-2xe^{\theta} -a=0\)の解は

\(\displaystyle e^{\theta}=\frac{x + \sqrt{x^2+a^2}}{a} \) (マイナスはeθ>0より不適)

よって\( \displaystyle \theta=\log{(x + \sqrt{x^2+a^2})}-\log{|a|} \)

となりlog|a|は定数だから積分定数の中に含まれ

\( \displaystyle J=\log{(x+\sqrt{x^2+a^2})}+C \)

方法3: \( t=\log{(x+\sqrt{x^2+a^2}}) \)と置換(つまり答えを暗記)

初見では絶対に使えない方法ですが1度過酷な計算をした経験があれば答えを暗記してしまうほうが楽だ!というのも1つの手でしょう。

頑張って答えを暗記します。そしてそれが正しいことを証明するのです。

\( t=\log{(x+\sqrt{x^2+a^2}}) \)とおくと

\(\displaystyle \frac{dt}{dx}=\frac{1+\frac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}}{x+\sqrt{x^2+a^2}}=\frac{1}{\sqrt{x^2+a^2}} \)

よって\( \displaystyle J=\int dt = t= \log{(x+\sqrt{x^2+a^2}})+C \)

このようにどこまで暗記するかによって難易度の異なる3通りの方法で計算できます。これができたらいよいよラスボス\( \sqrt{x^2+a^2}\)の積分です。ラスボスもこれと同様の手口で戦ってきます。頑張りましょう。

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