上野竜生です。今回は特殊解型の漸化式を紹介します。前半は教科書にも載っている超基礎タイプですが,後半は少し難問です。中堅大学までなら後半は知ってなくてもいいかもしれません。

特殊解型:\(a_{n+1}=pa_n+q \)

解法
ある「うまい数α」を両辺から引く
\( a_{n+1}-\alpha = p(a_n-\alpha )\)・・・(★)
となるので\( \{ a_n-\alpha \} \)が初項\(a_1-\alpha \),公比pの等比数列になる。その等比数列を求めた後,αを足せばよい。よって
\(a_n= (a_1-\alpha)p^{n-1}+\alpha \)
あとはこの「うまい数α」を求めればよい。(★)ともとの漸化式を見比べると

\( a_{n+1}=pa_n +(\alpha-p\alpha)=pa_n+q \)

なので\( \alpha-p\alpha=q \)
よってp=1のときはただの等差数列だからp≠1の場合のみ考えればよく
\(\alpha=\frac{q}{1-p} \)とすればよい。

ところで,漸化式の\(a_n,a_{n+1}\)の部分を\(\alpha\)におきかえて得られる式
\( \alpha=p\alpha+q \)
の解が「うまい数」になっていることに注意。
このことから「漸化式の\(a_n,a_{n+1}\)の部分を\(\alpha\)におきかえて得られる式」のことを特性方程式と呼ぶ。

まとめるとこのタイプの解き方は次のようになります。

ポイント
1 特性方程式を立てて解く。特性方程式とは漸化式の\(a_n,a_{n+1}\)の部分を\(\alpha\)におきかえて得られる式である。
2 その解を両辺から引くと等比数列に帰着される。
3 最後に解を足して元に戻すのを忘れないように!
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例題1

(1)\(a_1=6 , a_{n+1}=2a_n-3\)
(2)\(\displaystyle a_1= \frac{1}{2}, a_{n+1}=\frac{1}{4} a_n+\frac{1}{4}\)
答え(1)特性方程式を解く。
\(\alpha=2\alpha-3 \)を解くと\(\alpha=3 \)
両辺から3を引くと
\(a_{n+1}-3=2a_n-6=2(a_n-3) \)
\(b_n=a_n-3\)とおくと\(b_1=3\)
\(b_{n+1}=2b_n \)となりこれは初項3,公比2の等比数列だから
\(b_n=a_n-3=3\cdot 2^{n-1} \)
よって\(a_n=3\cdot2^{n-1}+3 \)
かなり丁寧に書いていますが実際には下のような記述量で十分でしょう。最初の特性方程式を解く過程は答案に残さないほうが良いです。
両辺から3を引くと
\( a_{n+1}-3=2(a_n-3) \)
\( \{a_n-3 \} \)は初項3,公比2の等比数列だから
\( a_n-3=3\cdot 2^{n-1} \)
\(a_n=3\cdot 2^{n-1} +3 \)
答え(2)両辺から\(\displaystyle \frac{1}{3} \)を引くと
\(\displaystyle a_{n+1}-\frac{1}{3}=\frac{1}{4}(a_n-\frac{1}{3} )\)
\(\displaystyle \{ a_n- \frac{1}{3} \} \)は初項\(\displaystyle \frac{1}{2}-\frac{1}{3}=\frac{1}{6} \),公比\(\displaystyle \frac14 \)の等比数列だから
\(\displaystyle a_n-\frac{1}{3}=\frac{1}{6}(\frac{1}{4})^{n-1} \)
∴\(\displaystyle a_n=\frac{1}{6}(\frac14)^{n-1}+\frac13 \)

\(a_{n+1}=pa_n+f(n)\)

このタイプの解き方は一般的な解法①少し邪道的な解法②があり,実際は②のほうが強力です。

一般的な解法①

両辺をpn+1で割る
\(\displaystyle \frac{a_{n+1}}{p^{n+1}}=\frac{a_n}{p^n}+\frac{f(n)}{p^{n+1}} \)
\(\displaystyle \frac{a_n}{p^n}=b_n \)とおくと
\(\displaystyle b_{n+1}=b_n+\frac{f(n)}{p^{n+1}}\)
となるから階差数列型に帰着される。

ただ階差数列型は最後にΣ計算が必要で,このΣ計算が非常に大変なのでそれを避ける邪道的解法②のほうが役に立つこともあります。

邪道的解法②

両辺にうまい関数g(n)を加えて
\( a_{n+1}+g(n+1)=p( a_n+g(n)) \)
の形になれば等比数列型に帰着される。もとの漸化式と比べると
\( f(n)=pg(n)-g(n+1) \)
これを満たすようにうまくg(n)を見つければよい

このg(n)を一般の場合で求めるのは漸化式を解く以上に大変ですがf(n)が多項式や指数関数など簡単な形なら形を予想して係数比較して定めることもできます。これでうまく見つかればかなり計算がショートカットされるので強力な解法になります。

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例題2

(1) a1=6 , an+1=2an+3n
(2) a1=6 , an+1=2an+3n
答え(1)解1 一般的な解法(両辺を2n+1で割る)
両辺を\(2^{n+1}\)で割る
\(\displaystyle \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=\frac{a_n}{2^n}+\frac{1}{2}(\frac{3}{2})^n \)
\(\displaystyle b_n=\frac{a_n}{2^n}\)とおくと\(b_1=3 \)
\(\displaystyle b_{n+1}=b_n+\frac{1}{2}(\frac{3}{2})^n \)
これは階差数列だからn≧2のとき
\(\displaystyle b_n=b_1+\sum_{k=1}^{n-1} \frac{1}{2}(\frac{3}{2})^k \\ = \displaystyle 3+\frac{1}{2}\frac{(\frac32)^n-\frac32}{\frac32 -1}\\ \displaystyle =3+(\frac32)^n-\frac32 \\ =\displaystyle (\frac32)^n+\frac32 \)
これはn=1のときも成り立つ。
よって\(a_n=b_n \cdot 2^n=3^n+3\cdot 2^{n-1} \)
解2 最後の指数を消す(両辺3nで割る)
両辺を\(3^n \)で割ると
\(\displaystyle \frac{a_{n+1}}{3^n}=\frac{2a_n}{3^n}+1 \)
\(\displaystyle c_n=\frac{a_n}{3^{n-1}} \)とおくと\(c_1=6\),
\(\displaystyle c_{n+1}=\frac{2}{3}c_n+1 \)
\(\displaystyle c_{n+1}-3=\frac23 (c_n-3) \)
\( \{c_n-3 \} \)は初項3,公比\(\frac23 \)の等比数列だから
\(\displaystyle c_n= 3(\frac23)^{n-1}+3 \)
よって\(a_n=3^{n-1}\cdot c_n=3\cdot 2^{n-1} +3^n \)
解3 an+1+f(n+1)=2(an+f(n))になるf(n)を見つける
\(a_{n+1}+f(n+1)=2a_n+2f(n) \)
\(a_{n+1}=2a_n+(2f(n)-f(n+1)) \)
これと問題の漸化式を比べると
\(2f(n)-f(n+1)=3^n \)
\(f(n)=s\cdot 3^n \)とおくと\( 2s\cdot 3^n – s\cdot 3^{n+1}=-s\cdot 3^n=3^n \)よりs=-1
両辺に\(-3^n \)を加えると
\( a_{n+1}-3^{n+1}=2(a_n-3^n) \)
\( \{a_n-3^n \} \)は初項3,公比2の等比数列だから
\( a_n=3^n+3\cdot 2^{n-1} \)
なぜ\(f(n)=s\cdot 3^n \)の形でおけると思ったのかと言われたら最終的には「勘」ということになります。右辺が指数関数だからたぶん同じ指数関数だろう・・・と予想しておいてみてうまくいったらOKという感じになります。つまり最終結果が予想できる人しかこの方針はとれないのです。でもこの解法を紹介しているのはかなり強力だからです。次の(2)はこの解法以外は絶望の計算量です。
(2)【再掲】 a1=6 , an+1=2an+3n
答え(2) an+1+f(n+1)=2(an+f(n))となるf(n)を見つける。
\(a_{n+1}+f(n+1)=2(a_n+f(n)) \)と元の漸化式を比べると
\(2f(n)-f(n+1)=3n \)
\( f(n)=an+b \)とおく

\( 2an+2b-an-a-b=an+(b-a)=3n \)

よりa=3,b=3
\( a_{n+1}+3n+6=2(a_n+3n+3) \)
\( \{ a_n+3n+3 \} \)は初項12,公比2の等比数列だから
\(a_n=12\cdot 2^{n-1}-3n-3 \)

(1)の解1の方針だと,両辺を2nで割ると
\(\displaystyle \frac{a_{n+1}}{2^n}=\frac{a_n}{2^{n-1}}+\frac{3n}{2^n} \)
ここで\(\displaystyle b_n=\frac{a_n}{2^{n-1}} \)とおくと\(b_1=6\),
\(\displaystyle b_{n+1}=b_n+\frac{3n}{2^n} \)
よってn≧2のとき
\(\displaystyle b_n=b_1+\sum_{k=1}^{n-1} \frac{3k}{2^k} \)
ここまでは計算できますがこのあとのΣ計算がとても大変です。この手間を考えれば少し邪道に見える本解の強力さがわかっていただけると思います。

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