上野竜生です。今回は対称式・交代式からその値を求める問題を紹介します。

基本<重要>

x,y(,z)を入れ替えても成立する式を対称式という。対称式は基本対称式(2変数ならx+y,xy。3変数ならx+y+z,xy+yz+zx,xyz)のみで書くことができる。
つまりx+y,xyの値さえわかればすべての2変数対称式の値が求まるし,x+y+z,xy+yz+zx,xyzの値がわかればすべての3変数対称式の値が求まります。

求め方はパズルのように楽しいですので実際にいくつかやってみましょう。基本は与えられた対称式を基本対称式だけで表すことです。

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例題1

\(\displaystyle x=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}, y=\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}+\sqrt{2}} \)とする。
次の値をそれぞれ求めよ。
(1)x+y (2)xy (3)x2+y2 (4)x3+y3
(5)x4+y4 (6)x3-y3 (7)\(\sqrt{x}+\sqrt{y}\)
答え(1)\(\displaystyle x=\frac{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}+\sqrt{2})}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}-\sqrt{2})}=5+2\sqrt{6} \)
\(\displaystyle y=\frac{(\sqrt{3}-\sqrt{2})(\sqrt{3}-\sqrt{2})}{(\sqrt{3}-\sqrt{2})(\sqrt{3}+\sqrt{2})}=5-2\sqrt{6} \)
よってx+y=10
(2)\(xy=(5+2\sqrt{6})(5-2\sqrt{6})=1\)
(3)\( x^2+y^2=(x+y)^2-2xy=10^2-2=98 \)
(4)\( x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)=1000-30=970 \)
(5)\( x^4+y^4=(x^2+y^2)^2-2(xy)^2=98^2-2=9602\)
(6)\( x^3-y^3=(x-y)(x^2+xy+y^2)\)
\(x-y=(5+2\sqrt{6})-(5-2\sqrt{6})=4\sqrt{6} \)なので
\(4\sqrt{6}\cdot (98+1)=396\sqrt{6} \)
(7)\( (\sqrt{x}+\sqrt{y})^2=x+y+2\sqrt{xy}=12\)
\( \sqrt{x}+\sqrt{y}>0 \)なので\(\sqrt{x}+\sqrt{y}=2\sqrt{3} \)
(7)については(1)の求め方から\(x=(\sqrt{3}+\sqrt{2})^2 \)がわかってるので\( \sqrt{x}=\sqrt{3}+\sqrt{2} \)がわかります。同様にして\( \sqrt{y}=\sqrt{3}-\sqrt{2} \)なので\(\sqrt{x}+\sqrt{y}=2\sqrt{3} \)と求めることもできます。

例題2

\(\alpha=4+\sqrt{15} \)とする。次の値を求めよ。
(1)\(\displaystyle \alpha+\frac{1}{\alpha}\)
(2)\(\displaystyle \alpha^2+\frac{1}{\alpha^2}\)
(3)\(\displaystyle \alpha^3+\frac{1}{\alpha^3}\)
答え(1)\(\displaystyle \frac{1}{\alpha}=\frac{4-\sqrt{15}}{(4+\sqrt{15})(4-\sqrt{15})}=4-\sqrt{15} \)
\(\displaystyle \alpha+\frac{1}{\alpha}=4+\sqrt{15}+4-\sqrt{15}=8 \)
(2)\( \displaystyle \alpha^2+\frac{1}{\alpha^2}=(\alpha+\frac{1}{\alpha})^2-2=62 \)
(3)\(\displaystyle \alpha^3+\frac{1}{\alpha^3}=(\alpha+\frac{1}{\alpha})^3-3\alpha\cdot \frac{1}{\alpha}(\alpha+\frac{1}{\alpha})=8^3-3\cdot 8=512-24=488\)
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例題3

\(x=\sqrt{2}-\sqrt{3} , y=\sqrt{3}-\sqrt{5} , z=\sqrt{5}-\sqrt{2} \)のとき
\(x^3 (y-z)+y^3(z-x)+z^3(x-y) \)の値を求めよ。

まず与えられた式を因数分解しましょう。正攻法はあとで紹介しますが対称式と交代式の性質を知っていればすぐに因数分解が思いつきます。
裏技
求めたい式は交代式(x,yなどを入れ替えると符号だけが変わる式)。x=yを代入すると0になるので(x-y)でくくれることがわかります。同様にy=z,z=xを代入しても0なので(y-z)(z-x)でもくくれます。
よってa(x-y)(y-z)(z-x)(残りの部分)の形で因数分解できます。交代式の性質から残りの部分は対称式になります(この性質が裏技)。そして全体が4次式なので残りの部分は1次式。1次式の対称式はx+y+zしかないので因数分解結果は
a(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)
とわかります。あとは適当にどれか1つの項だけ計算して係数比較するとa=-1がわかるので因数分解すると-(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)とわかります。

正攻法
xについて降べきの順に整理すると

\( (y-z)x^3 + (z^3-y^3)x+y^3z-z^3y
\\= (y-z)x^3 – (y-z)(y^2+yz+z^2)x + yz(y+z)(y-z)
\\=(y-z)\{ x^3-(y^2+yz+z^2)x+yz(y+z)\} \\= (y-z)\{ (z-x)y^2+(z^2-xz)y+x^3-xz^2 \} \\ = (y-z)\{ (z-x)y^2+z(z-x)y-x(z+x)(z-x) \} \\ = (y-z)(z-x)\{ y^2+zy-xz-x^2 \} \\ = (y-z)(z-x)\{ (y-x)z+(y^2-x^2) \} \\ = -(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z) \)

常に次数の低い文字について降べきの順に整理すればできます。

答え\( x^3(y-z)+y^3(z-x)+z^3(x-y)\\=-(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)\)
x+y+z=0だから求める値は0。

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