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上野竜生です。sinxとcosxの対称式の問題は\( t=\sin{x}+\cos{x} \)とおく解法が有効です。誘導がついていることが多いですが誘導がなくてもできるようにしましょう。

t=sinx+cosxとおく最大・最小問題

sinxとcosxの対称式とは「sin」と「cos」を入れ替えても同じになる式のことです。

\( \sin{x}+\cos{x} , \sin^3{x}+\sin{x}\cos{x}+\cos^3{x} \)は対称式ですが,
\( \sin{x}+\sqrt{3}\cos{x} , \sin^2{x}-\cos{x} \)などは対称式ではありません。

 

問題

\( 0<x<\pi \)とするとき,\( f(x)=\sin{2x}+4\sin{x}+4\cos{x} \)のとりうる範囲を求めなさい。

一見対称式に見えませんが\( \sin{2x}=2\sin{x}\cos{x} \)なので対称式です。ということで\( t=\sin{x}+\cos{x} \)とおく解法が使えます。

対称式は\( \sin{x}+\cos{x} , \sin{x}\cos{x} \)のみの式でかけるという性質がありますが,\( \sin{x}\cos{x} \)はtで表せるので結局tのみで書けます。

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\( \sin{2x}=2\sin{x}\cos{x} \)をtの式で表す方法

\( t=\sin{x}+\cos{x} \)の両辺を2乗すると

\( t^2=\sin^2{x}+2\sin{x}\cos{x}+\cos^2{x}=\sin{2x}+1 \)なので

\( \sin{2x}=2\sin{x}\cos{x}=t^2-1 \)となります。

tの取りうる範囲を求める方法

三角関数の合成を使います。

\(\displaystyle t=\sin{x}+\cos{x}=\sqrt{2}\sin{\left(x+\frac{\pi}{4}\right)} \)

よりxが全範囲なら\( -\sqrt{2} \leq t \leq \sqrt{2} \)となります。

今回の例題では\( 0<x<\pi \)なので\(\displaystyle \frac{\pi}{4}<x+\frac{\pi}{4}<\frac{5\pi}{4} \)となり,この範囲でtの取りうる範囲を求めると\( -1<t\leq \sqrt{2} \)になります。不等号に注意してください。\( t=\sqrt{2} \)となるxは存在しますがt=-1となるxは範囲内にはありません。

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この2つに注意すればあとは普通に解くだけです

最初の例題の答えに戻ります。

\( t=\sin{x}+\cos{x} \)とおくと

\( \sin{2x}+4\sin{x}+4\cos{x}=(t^2-1)+4t\) (=g(t)とおく)

\(\displaystyle t=\sqrt{2}\sin{\left(x+\frac{\pi}{4}\right)} ,  \frac{\pi}{4}<x+\frac{\pi}{4} < \frac{5\pi}{4}\)より

tのとりうる範囲は\( -1<t\leq \sqrt{2} \)

よって\( t^2+4t-1=(t+2)^2-5 \)となりf(x)のとりうる範囲は

\( g(-1) < f(x) \leq g(\sqrt{2}) \)つまり

\( -4 <f(x) \leq 4\sqrt{2}+1 \)

 

解法はほぼワンパターンですがxやtの取りうる範囲・解の個数などになってくると少し混乱しますので実際に自分で解いてみる練習をしましょう。

 

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