2つの線分の長さの和の最小値

上野竜生です。折れ線の長さの和の最小値を求める問題は試験でよく出ます。定石を知らないと膨大な計算量になるので知っておきましょう。

折れ線の長さの最小

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例題1

A(0,1), B(6,2)がある。x軸上に点Pを、線分の長さの和AP+PBが最小となるようにとる。Pの座標とそのときのAP+PBを求めよ。

地道に計算すると次のような答えになります。

P(t,0)とおくと
\( AP=\sqrt{t^2+1} , PB=\sqrt{(t-6)^2 +4}=\sqrt{t^2-12t+40} \)なので

\( f(t)=\sqrt{t^2+1}+\sqrt{t^2-12t+40} \)とおき、f(t)の最小値を求めればよい。

\( \displaystyle f'(t)=\frac{t}{\sqrt{t^2+1}}+\frac{t-6}{\sqrt{t^2-12t+40}}\\
=\displaystyle \frac{t\sqrt{t^2-12t+40}+(t-6)\sqrt{t^2+1}}{\sqrt{(t^2+1)(t^2-12t+40)}}\)

f'(t)=0の解は

\( t\sqrt{t^2-12t+40}+(t-6)\sqrt{t^2+1}=0 \) の解なので

\( t\sqrt{t^2-12t+40}=(6-t)\sqrt{t^2+1} \)の両辺を2乗すると

\( t^2(t^2-12t+40)=(6-t)^2(t^2+1) \\
t^4-12t^3+40t^2=t^4-12t^3+36t^2+t^2-12t+36 \\
3t^2+12t-36=3(t+6)(t-2)=0 \)

よってt=-6,2となる。t=-6のときf'(-6)≠0なので増減表は

\(\begin{array}{c|ccccc} t &  \cdots & 2 & \cdots \\ \hline f’(t) &  – & 0 & + \\ \hline f(t) &  \searrow & 最小 & \nearrow \end{array}\)

となり、Pの座標は(2,0)で、最小値は\(f(2)=\sqrt{5}+\sqrt{20}=3\sqrt{5} \)

このように求められます。しかし、数IIまでしか学んでない人は微分ができませんし、何より計算が大変です。このような問題での裏技(もはや定石)を紹介します。

裏技

点A,Bが直線ℓに対して反対側にあり,直線ℓ上に点Pを,AP+PBが最小になるように取るとき
→Pの位置は線分ABとℓの交点で,その最小値はAB
折れ線の長さの最小 図1

これはなんとなくわかりますね。寄り道するよりもまっすぐ行くほうが距離が短いという当たり前の結果です。ではA,Bがℓに対し同じ側にある時はどうするのでしょうか?答えを教えます。

POINT点A,Bが直線ℓに対し同じ側にあり,直線ℓ上に点Pを,AP+PBが最小になるように取るとき
→ℓに対しAを対称移動させた点A’を求める。線分A’Bとℓの交点がPであり,最小値はA’B
折れ線の長さの最小 図2

[証明]

A’はAを直線ℓに対し対称移動させた点だからℓ上の点Pに対しAP=A’P

AP+PB=A’P+PB≧A’Bとなる。(A’,Bはℓに対して反対側にあるから1つ前の結果を使えばわかる。)(Q.E.D.)

1つ前の結果からちゃんと証明すると結構大変なのでこのぐらいでいいです。なお,この考えを使うときは上ぐらいの簡単な証明は毎回書くようにしておくほうがいいです。

裏技を使った例題1の答え

A(0,1)をx軸について対称移動させた点をA’とするとA'(0,-1)

よってA'(0,-1),B(6,2)としたとき線分A’Bとx軸の交点がPである。

A’Bの式は\( y=\frac12 x -1 \)

これとx軸(y=0)の交点Pは(2,0) ∴P(2,0)

最小値はA’B=\( 3\sqrt5 \)

例題2

A(0,0) , B(2,5)とする。直線y=3x+2上に点Pを,AP+PBが最小になるようにとる。Pの座標とそのときのAP+PBを求めよ。

対称移動させた点がそんなに簡単に求まりませんが通常以下の考えで求めます。なお,Aを対称移動させてA’を求めても,Bを対称移動させてB’を求めてもどっちでも同じなので今回はBを対称移動させます。

POINTBを直線ℓに対し対称移動させた点B’の座標の求め方
1. B'(X,Y)とおく。
2. BとB’の中点がℓ上にあることを立式する。
3. 直線BB’とℓが垂直に交わることを利用し,傾きの積が-1であることを立式する。
4. 2と3で立てた式を連立させて解く。

答えBを直線y=3x+2に対し対称移動させた点をB'(X,Y)とする。
BとB’の中点はy=3x+2上にあるから
\( \displaystyle \frac{Y+5}{2}=3\cdot \frac{X+2}{2}+2 \)
∴Y=3X+5
BB’とℓは垂直に交わるから
\( \displaystyle \frac{Y-5}{X-2} \cdot 3=-1 \)
∴3Y=-X+17
これらを連立させると\( X=\frac{1}{5} , Y=\frac{28}{5}\)
よってO(0,0),B'(\( \frac{1}{5}, \frac{28}{5} \) )を通る直線(y=28x)とy=3x+2の交点がPなので
\( P(\frac{2}{25} , \frac{56}{25} ) \)であり,最小値はOB’=\(\frac{\sqrt{1^2+28^2}}{5}=\frac{\sqrt{785}}{5}\)

いかがでしたか?初見の人にはあまり見たことないかもしれませんが入試頻出です。おさえておきましょう。

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