上野竜生です。対称移動させた点や直線の求め方を紹介します。入試でもよく「~を対称移動させたものをC'とする。」のように序盤で計算させる内容の一つであり,ここで躓くと大問全体を捨てるハメになってしまいます。
今回使う知識
よくわからない人は中点の求め方のページ(中点⇔1:1に内分)や垂直条件のページをご覧ください。
垂直二等分線の式
A,Bの垂直二等分線はその名の通り「A,Bの中点を通りABに垂直な直線」なのでそれを忠実に計算するだけです。
\(\frac{1}{3} m= -1 \) ∴m=-3
A,Bの中点は(2,4)なので(2,4)を通る傾き-3の直線が垂直二等分線の式。
よってy-4=-3(x-2) 整理するとy=-3x+10

最後は点(p,q)を通る傾きmの直線の式がy-q=m(x-p)であることを使っていますがこの程度ならy=-3x+bとおいてbを計算してもよいでしょう。
点に関して対称な点
求める点をB(X,Y)とするとABの中点がPになることから立式する。
\(\displaystyle \frac{X+1}{2}=-3 , \frac{Y-2}{2}=7\)∴X=-7 , Y=16となり求める点は(-7,16)
直線に関して対称な点
・直線ABとℓが垂直である → 垂直条件
・ABの中点はℓ上にある
この2つを連立させて解けばよい。
答え求める点を(X,Y)とおく。
直線ABの傾きは\(\displaystyle \frac{Y-5}{X-5} \)なので垂直条件より
\(\displaystyle \frac{Y-5}{X-5}\cdot (-3)=-1 \)
∴-3(Y-5)=-(X-5)
整理するとX-3Y=-10・・・①
(X,Y)と(5,5)の中点は\(\displaystyle \left(\frac{X+5}{2} , \frac{Y+5}{2} \right) \)
これがy=-3x+10上にあるから\( \displaystyle \frac{Y+5}{2}=-3\cdot \frac{X+5}{2}+10 \)
∴Y+5=-3(X+5)+20
整理すると3X+Y=0・・・②
①②を連立させるとX=-1, Y=3
よって求める点の座標は(-1,3)
※例題1と同じ図です。A,Bを入れ替えてご覧ください。
直線に関して対称な直線
・ℓ''はℓとℓ'の交点を通る → 交点の座標を計算。
・ℓ'上に適当な点をとりその点とℓに関して対称な点を計算する。
・「交点」と「上で計算した対称点」を通る直線を求めればそれがℓ''
答え
x+y=2と3x+y=10を連立させると交点の座標は(4,-2)。
∴求める直線は点(4,-2)を通る・・・①
直線x+y=2上に点(0,2)をとる。(0,2)を直線3x+y=10に関して対称移動させた点を(X,Y)とすると垂直条件より
\(\displaystyle \frac{Y-2}{X}\cdot (-3)=-1\)
∴X-3Y=-6・・・②
(0,2)と(X,Y)の中点は3x+y=10上にあるから
\(\displaystyle 3\cdot \frac{X+0}{2}+\frac{Y+2}{2}=10 \)
∴3X+Y=18・・・③
②③より\(\displaystyle (X,Y)=\left(\frac{24}{5},\frac{18}{5}\right)\)・・・④
よって①④よりℓ''は2点\((4,-2),(\frac{24}{5},\frac{18}{5})\)を通る直線だからℓ''の方程式は
y=7x-30
これらはいずれも基本になります。これから先当たり前のようにできるようにしておきましょう。
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