上野竜生です。今回は多項式の微分の計算そのものはできることを前提に,そこからグラフをかけるようにしたいと思います。

微分の意味

詳しくは教科書などで細かく紹介されているが結局のところ次の1つの重要事項だけ覚えればあとは自分で導き出せると思います。
詳しい説明は参考書などに任せることにして結果だけ書くと
f'(a)はy=f(x)上の点(a,f(a))から引いた接線の傾きを表す。

これだけ認めれば残りの部分はスラスラ理解できると思います。
f'(a)>0のとき接線の傾きは正。このときはy=f(x)は単調増加
f'(a)<0のとき接線の傾きは負。このときはy=f(x)は単調減少
・f'(x)=0のとき接線の傾きは0。ということはもしかしたら頂上[数学的には極大という]や谷底[極小という]になっているかもしれないしなっていないかもしれない

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n次関数のグラフの書き方

f(x)が多項式のときy=f(x)のグラフの書き方は次の通り

POINT①f'(x)を計算する
②f'(x)=0となるような実数xを求める。f'(x)=0となる実数xがない場合もあるのでこの場合はそのまま③へ。
増減表を書く。具体的な書き方は下の例題を参照。f'(x)の符号が+か-かを判断し,+なら単調増加の右上矢印。-なら単調減少の右下矢印をかく。
④増減表を見てグラフをかく。

f(x)が多項式でない場合もこれらのステップを行ったうえで,さらに考えることがもう少し増えます。このときは数IIIの微分で扱うのでここでは省略します。

例題1

次のグラフをかけ。
(1) y=x3-3x+6
(2) y=x3+3x2+3x
(3) y=-x3-2x+10
答えすべての小問において右辺をf(x)とおく。
(1)\( f'(x)=3x^2-3=3(x-1)(x+1) \)なのでf'(x)=0となるxはx=1,-1
よって増減表は下の通り。

\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline
f'(x) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline
f(x) & \nearrow & 8 & \searrow & 4 & \nearrow \\ \hline
\end{array}
グラフは以下の通り。
(1)のグラフ

(2)\( f'(x)=3x^2+6x+3=3(x+1)^2 \)なのでf'(x)=0となるxはx=-1
よって増減表は下の通り。

\begin{array}{|c||c|c|c|} \hline
x & \cdots & -1 & \cdots  \\ \hline
f'(x) & + & 0 & +  \\ \hline
f(x) & \nearrow & -1 & \nearrow  \\ \hline
\end{array}
よってグラフは以下の通り。
グラフ(2)

(3)\( f'(x)=-3x^2-2<0 \)なのでf'(x)=0となるxは存在しない。
よって増減表は下の通り。
\begin{array}{|c||c|} \hline
x & \cdots  \\ \hline
f'(x) & –  \\ \hline
f(x) & \searrow  \\ \hline
\end{array}

よってグラフは以下の通り
グラフ(3)

単純に直線的に単調減少にするのではなくこのような形にするのがポイントです。次の段落にある「形のパターン」を覚えておけばこのような形のパターンしかないので詳しく調べなくてもこのように書けます。f'(x)=0となるxは存在しなくてもf'(x)が0に一番近くなるxはわかるのでそのあたりの傾きを緩やかにしておきましょう。

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3次関数の形のパターン

このように3次関数の場合はf'(x)=0の判別式Dによって大きく3通りのグラフがかける。(もちろん最高次の係数が負の場合は上下反転したような形になるのでそれもわけると6通りですが,形としては実質3通りです)

D>0のとき

f'(x)=0となる点が2つ存在し,それらの点の前後で単調増加/減少が入れ替わるので極値である。つまり極大値と極小値が1つずつ存在する。

\begin{array}{|c||c|c|c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots & \beta & \cdots \\ \hline
f'(x) & + & 0 & – & 0 & + \\ \hline
f(x) & \nearrow & 極大値f(\alpha) & \searrow & 極小値f(\beta) & \nearrow \\ \hline
\end{array}

D>0のグラフ

D=0のとき

f'(x)=0となる点は1つ存在するし,その点での接線の傾きは確かに0であるが,極大でも極小でもない。つまり極値は存在しない。

\begin{array}{|c||c|c|c|} \hline
x & \cdots & \alpha & \cdots  \\ \hline
f'(x) & + & 0 & +  \\ \hline
f(x) & \nearrow & f(\alpha)[極値ではない] & \nearrow  \\ \hline
\end{array}

D=0のグラフ

D<0のとき

f'(x)=0となる点は存在しない。f(x)は常に単調増加(最高次の係数が負なら単調減少)。極値は存在しない。

\begin{array}{|c||c|} \hline
x & \cdots  \\ \hline
f'(x) & +  \\ \hline
f(x) & \nearrow  \\ \hline
\end{array}

D<0のこの程度なら増減表は書かず「常に単調増加」と書くだけでいいでしょう。
D<0のグラフ

これらの結果を知っておくと3次関数で極値をもつとき,係数aの範囲を求めよとか言われたときにf'(x)の判別式だけで判別できることがわかりますね。

極値を持つ ⇔ f'(x)=0の判別式が正

4次関数以上はこんなにうまくはいかず,なかなか複雑なのでしっかりと増減表を意識することが大切です。
ちなみに3次関数のグラフはD>0,D=0,D<0のすべての場合で点対称になっています。これも知っておくとあまりいびつな形を書くことはなくなるでしょう。

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