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上野竜生です。今回は平方完成までできることを前提に,2次関数のグラフをかき,軸,頂点を求められることと,平行移動,対称移動までを扱います。共通テストではこのレベルが問われますし,応用問題を解くときは絶対に必要な超基本事項です。
平方完成ができない人や復習したい人はこちらから復習しましょう。

平行移動

一般にy=f(x)をx軸方向にp,y軸方向にq平行移動して得られる式は
\[ y-q=f(x-p) \]
である。よって2次関数の場合,平方完成して
\[ y=a(x-p)^2+q \]
の形に変形できれば\(y=ax^2\)のグラフをx軸方向にp,y軸方向にq平行移動したものと分かる。
\(y=a(x-p)^2+q \)は直線x=pに関して対称である。x=pをという。また,放物線の先端の座標(p,q)を頂点という。

放物線の説明

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例題1

グラフをかいて、軸と頂点を求めよ。
(1) \(y=x^2+8x+18\)
(2) \(\displaystyle y=-\frac{1}{3}x^2+\frac{1}{2}x \)
(3) y=(x-1)(x-3)+x
答え基本は平方完成することです。それがわかれば頂点がわかるので,そこが先端に来るように対称的に書くだけです。
(1)\( x^2+8x+18 \\ = (x+4)^2+2 \)
よってグラフは下の通り。軸はx=-4。頂点は(-4,2)
例題1(1)の放物線

符号に注意しましょう。特にx座標の符号を間違えがちです。イメージとしては( )2の部分が0になるときが先端なのでそこからx座標を求めるとわかりやすいでしょう。

(2)平方完成すると
\(\displaystyle -\frac{1}{3}x^2+\frac{1}{2}x=-\frac{1}{3}(x-\frac{3}{4})^2+\frac{3}{16} \)
よってグラフは下の通り。軸は\(\displaystyle x=\frac{3}{4} \),頂点は\(\displaystyle (\frac{3}{4} , \frac{3}{16} ) \)
例題1(2)グラフ

形も重要ですが特に重要なのはこの関数が原点を通るということです。グラフを書くとき,x軸との交点やy軸の交点も注意しましょう。今回のように定数項がなければ原点を通ります。

(3)平方完成すると
\( (x-1)(x-3)+x \\ =x^2-3x+3 \\ \displaystyle =(x-\frac{3}{2})^2+\frac{3}{4} \)
よって軸は\( \displaystyle x=\frac{3}{2} \)頂点は\( \displaystyle (\frac{3}{2} , \frac{3}{4}) \)
例題1(3)グラフ

平行移動・対称移動の問題

\(y=ax^2+bx+c\)の形でかける放物線はすべて軸がy軸に平行である。平行移動・対称移動を考えるときはx2の係数aと頂点の対応だけを考えればよい。平行移動の場合aは変わらない。対称移動でも,aまたは-aにしかならないので図を書いて判断すればよい。

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例題2

(1) \(y=-x^2\)をx軸方向に-5,y軸方向に3平行移動してできる放物線の方程式を求めよ。
(2) \(y=2x^2+3x+4\)は\(y=2x^2+4x+3\)をどのように平行移動したものか?
答え(1)もとの関数の頂点が(0,0)だから平行移動したあとの頂点は(-5,3)。よって求める放物線の方程式は
\(y=-(x+5)^2+3 = -x^2-10x-22 \)
(2)もとの放物線\( y=2x^2+4x+3 \)の頂点は
\( 2x^2+4x+3=2(x+1)^2+1 \)より(-1,1)。
移動後の放物線\( y=2x^2+3x+4 \)の頂点は
\(\displaystyle 2x^2+3x+4=2(x+\frac{3}{4})^2+\frac{23}{8} \)より\(\displaystyle (-\frac{3}{4} , \frac{23}{8} )\)
よってx軸方向に\(\displaystyle \frac{1}{4} \),y軸方向に\(\displaystyle \frac{15}{8} \)平行移動させたもの。

例題3

\(y=2x^2+4x+6\)を次のように移動させてできる方程式を求めよ。
(1)x軸に関して対称移動
(2)y軸に関して対称移動
(3)原点に関して対称移動
(4)x=2に関して対称移動
(5)y=3に関して対称移動
(6)点(2,3)に関して対称移動

(1)~(3)まで:x軸に関して対称移動するときはyを-yに,y軸に関して対称移動するときはxを-xに,原点に関して対称移動するときはxもyも符号を反対にします。x軸対称なのにyを反転させるのがややこしいですね。簡単な関数(y=x2など)をイメージしておくと,どの文字を符号反転させるか迷うことはなくなるでしょう。ですが(4)~(6)のやり方を覚えてしまえばそのやり方でもいいでしょう。

答え(1)\( -y=2x^2+4x+6 \)より\( y=-2x^2-4x-6 \)
(2)\( y=2(-x)^2+4(-x)+6 \)より\( y=2x^2-4x+6 \)
(3)\( -y=2(-x)^2+4(-x)+6\)より\(y=-2x^2+4x-6 \)

(4)~(6): 頂点の対応を考えましょう。グラフをイメージすれば最高次の係数がプラスかマイナスかは明らかにわかると思うのでそこから方程式が作れます。

答え\(y=2x^2+4x+6=2(x+1)^2+4 \)なので頂点は(-1,4)
(4):(-1,4)をx=2に関して対称移動させると(5,4)。x=2に関して対称移動させても下に凸なので最高次の係数は2のまま。よって
\[ y=2(x-5)^2+4 = 2x^2-20x+54 \]
(5):(-1,4)をy=3に関して対称移動させると(-1,2)。y=3に関して対称移動させると上に凸になるので最高次の係数は-2。よって
\[y=-2(x+1)^2+2=-2x^2-4x\]
(6):(-1,4)を(2,3)に関して対称移動させると(5,2)。(2,3)に関して対称移動させると上に凸になるので最高次の係数は-2。よって
\[ y=-2(x-5)^2+2 = -2x^2 +20x-48 \]

例題3のような問題もついでに扱いましたが重要なのは例題1~2です。
例題2のような問題が共通テスト頻出なのでしっかり練習しておきましょう。

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