広告

上野竜生です。大学では全微分可能かどうかを問題にすることがよくあります。具体的な問題で見ていきましょう。※一部の問題で解き方がよくなかった部分があったので修正しています。

全微分可能とは?

全微分可能の定義

2変数関数z=f(x,y)が(p,q)で全微分可能とは
f(x,y)=f(p,q)+A・(x-p)+B・(y-q)+o(x,y),
\( \displaystyle \lim_{(x,y)\to (p,q)}\frac{o(x,y)}{\sqrt{(x-p)^2+(y-q)^2}}=0 \)
となるA,B,o(x,y)が存在すること。

また全微分可能なときzの全微分

dz = A dx + B dy

のように書く。

※もし全微分可能ならA=fx(p,q) , B=fy(p,q)となります。

 

広告

例題1

次の関数は(0,0)で全微分可能か?
f(x,y)=|xy|
答えf(x,y)=f(0,0)+Ax+By+o(x,y)の形にかけるかを考える。
\(\displaystyle f_x(0,0)=\lim_{h\to 0} \frac{f(0+h,0)-f(0,0)}{h} = \lim_{h\to 0} \frac{0-0}{h}=0 \)
同様に\(\displaystyle f_y(0,0)=\lim_{h\to 0} \frac{f(0,h)-f(0,0)}{h}=0 \)
なのでA=B=0として考える。
f(0,0)=0よりo(x,y)=|xy|
\(\displaystyle \frac{o(x,y)}{\sqrt{x^2+y^2}}\)が0になるかを判定するため両辺を\( \sqrt{x^2+y^2}\)でわる。\( r=\sqrt{x^2+y^2} \)とすると
\( |x|=\sqrt{x^2} \leq \sqrt{x^2+y^2} =r , |y|\leq r \)なので\( |xy|\leq r^2 \)
\( \displaystyle 0 \leq \frac{|xy|}{\sqrt{x^2+y^2}} \leq \frac{r^2}{r} \to 0 (r\to 0) \)なので
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to (0,0)} \frac{o(x,y)}{\sqrt{x^2+y^2}}=0 \)
よって全微分可能。

例題2

\( \displaystyle f(x,y)=\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \frac{xy(x^2-y^2)}{(x^2+y^2)^a} ((x,y)\neq (0,0)) \\ 0 ((x,y)=(0,0))    \end{array} \right.\end{eqnarray} \)
が原点で全微分可能となるような正の定数aの範囲を求めよ。
上の式が見えにくい人のために(x,y)≠(0,0)のほうの式を大きく書くと
\(\displaystyle f(x,y)=\frac{xy(x^2-y^2)}{(x^2+y^2)^a} \)
となっています。

答え

\(\displaystyle f_x(0,0)=\lim_{h\to 0} \frac{f(h,0)-f(0,0)}{h}=\lim_{h\to 0} \frac{0-0}{h}=0 \)
\( \displaystyle f_y(0,0)=\lim_{h\to 0} \frac{f(0,h)-f(0,0)}{h}=0\)

もし全微分可能なら
f(x,y)=f(0,0)+fx(0,0)(x-0)+fy(0,0)(y-0)+o(x,y)=o(x,y)とかける。つまりo(x,y)=f(x,y)としたとき
\( \displaystyle \lim_{(x,y)\to(0,0)} \frac{o(x,y)}{\sqrt{x^2+y^2}}=0 \)となればよい。x=rcosθ,y=rsinθとすると

\( \displaystyle \lim_{r\to 0} \frac{r^4\sin{\theta}\cos{\theta}(\cos^2{\theta}-\sin^2{\theta})}{r^{2a+1}} \)

となるためこれが0に収束するには分母分子のrの指数に着目して2a+1<4が必要。
実際2a+1≧4のときはたとえば\(θ= \frac{\pi}{3} \)などの向きから近づけると0には収束しないことがわかり全微分可能ではない。
2a+1<4のとき
\( |x|\leq r , |y|\leq r , |x^2-y^2|\leq x^2+y^2=r^2 \)なので
\(\displaystyle \frac{-r^4}{r^{2a+1}} \leq \frac{o(x,y)}{\sqrt{x^2+y^2}} \leq \frac{r^4}{r^{2a+1}} \)
となり両側はr→0のとき0に収束するので真ん中の式も0に収束。つまり全微分可能。

aは正だから\( 0<a<\frac{3}{2} \)

最後に全微分に関する命題の主張だけ述べて終わります。

・全微分可能なら連続

・fx,fyが連続ならば全微分可能

とくに2つ目は原点以外の任意の点でも全微分可能であることを示すときには重要です。

解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました

<高校数学> <大学数学> さらにオススメの塾、特にオンラインの塾についてまとめてみました。自分一人だけでは自信のない人はこちらも参考にすると成績が上がります。