上野竜生です。高卒認定試験の数学は共通テスト(旧センター試験)と比べると非常に簡単なのですが、ほかの科目と比べると合格率は低く、ちょっとした難関になっています。でも全然難しくないので攻略していきましょう!
なお,この記事に書かれていることのほとんどは正攻法ではありません。ご注意ください。
数値を代入することはできますか?
これだけで数十点ぐらいとれる裏ワザのような解法です。
数値を当てはめるだけで答えが求まったり、選択肢を減らすことができたりします。
\( x^3-y^3 \)と等しいものはどれか?
\(① (x-y)(x^2+xy+y^2) ②(x-y)(x^2-xy+y^2)\)
\(③(x+y)(x^2+xy+y^2) ④(x+y)(x^2-xy+y^2) \)
このような問題では数値を代入すれば消去法で答えを出すことができます。他教科は合格するのに数学が合格できない人は試してみましょう。
答え例 「x=10 , y=1」を代入する。
\( x^3-y^3=10^3-1^3=1000-1=999 \)と等しいものを探す
①\( (x-y)(x^2+xy+y^2)=(10-1)(10^2+10 \cdot 1 +1^2)\\=9(100+10+1)=999 \)
これだけで①とするのは少し早いです。むしろほかの選択肢3つを消すことのほうが重要です。
②\( (x-y)(x^2-xy+y^2)=(10-1)(10^2-10 \cdot 1 +1^2)\\=9(100-10+1)=819 \)
③\( (x+y)(x^2+xy+y^2)=(10+1)(10^2+10 \cdot 1 +1^2)\\=11(100+10+1)=1221 \)
④\( (x+y)(x^2-xy+y^2)=(10+1)(10^2-10 \cdot 1 +1^2)\\=11(100-10+1)=1001 \)
よって②③④はありえないので答えは①
この考えで結構解けます。
不等式
これも代入でかなり解けます。
連立不等式 \(\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2x > x-3\\
-6x \geq 12
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}\) の解はどれか?
①\(x>-3\) ②\(x \geq -2 \)
③\(2 < x \leq 3\) ④\(-3<x \leq -2\)
・x=-2を代入すると-4>-5 , 12≧12は両方成立します。
よってx=-2は範囲に入っていないといけないので③は脱落です。
・x=-1を代入すると-2>-4は成立しますが6≧12は成立しません。
よってx=-1は範囲に入ってはいけないので①と②は脱落です。以上より④が正解となります。
二次関数
平行移動
これが正攻法です。しかし,これも何とか代入してみましょう。
\(y=3x^2+1\)をx軸方向に1平行移動した式はどれか?
①\(y=3x^2\) ②\(y=3x^2+2\)
③\(y=3(x+1)^2+1\) ④\(y=3(x-1)^2+1\)
答えまず元のグラフにx=0を代入すると1なので(0,1)を通ります。
よってx軸方向に1移動すると(1,1)を通らなくてはいけません。x=1を代入したときy=1にならないものは脱落です。
①y=3 ×
②y=5 ×
③y=13 ×
④y=1 ○
よって答えは④
複数の選択肢が残ったらまた別の点で試しましょう。必ず1つに絞れます。
点を通る系の問題
\( y=x^2-kx+5 \)が点(1,3)を通るとき、定数kの値は[ ? ]である。
この点が(x,y)であることを知っていればそれだけで解けます。つまり、
答えx=1,y=3を代入します。
\( 3= 1^2-k\cdot 1 +5 =6-k\)なのでk=3が答えになります。
頂点の座標
x座標はグラフとx軸の交点に書かれている2つの数字のちょうど真ん中の数です。
y座標は上で求めたxの値をグラフの式に代入したものになります。
最大最小
記述式の試験では絶対にやってはいけませんがやはり数値を順番に当てはめるのが最も勉強時間を減らす方法でしょう・・・
たとえば1≦x≦4での最大最小ならx=1,2,3,4を代入しその中での最大最小を答えておけばとりあえずはOKです。これで合わないときは諦めてもいいでしょう・・・。
もちろん正攻法は平方完成し,そこからグラフをイメージして・・・とやりますが高卒認定試験受験者には少し酷かと思います。
x軸との共有点の座標
これはy=0を代入した方程式の解です。2次方程式が解けないと厳しいです。
正しいグラフの形を選ぶ問題
\(y=x^2-5x+4 \)のグラフを選べ
答え本来は平方完成して解きます。しかし、4択問題ならば
x=0のときy=4なので(0,4)を通る。(つまり、y軸上では原点より上側にある)
→③④は脱落
x=1のときy=0なので(1,0)を通る(つまり、x=0のときに比べて右下にある)
→②は脱落
・・・このように通る点をなんとなく求めておけば選択肢は1つに減ってしまいます。消去法でも解けます。
三角関数
これに関しては定義を必ず覚えましょう。あまり裏技的解法がありません。
ある意味捨ててもいいぐらいですが、捨てちゃうのは少しもったいないので基本事項(過去問ぐらい)は対策しましょう。
- 定義を理解する(上の図を参照)
- 180°ーθの三角関数を理解する
\( \sin{(180°-\theta)}=\sin{\theta} ,\hspace{ 10pt } \cos{(180°-\theta)}=-\cos{\theta} \) - 相互法則を理解する
\( \sin^2{\theta}+\cos^2{\theta}=1 \) - 三角形の面積の求め方を理解する
\( \frac{1}{2}ab\sin{\theta} \) (2辺a,bとその間の角θがわかっている場合) - 正弦定理,余弦定理を使う
裏技があまりないのでここは後回しにします。市販の問題集やこのサイトの記事などで学習しましょう。
データ
これは共通テスト数I用に記事を書きましたのでそれを理解しましょう。
なお,共分散や最後のaX+bにしたとき・・・などの部分は応用ですので高卒認定試験受験者は無視して構わないでしょう(出たら捨て問)
合格点も低め(50点あればかなりの確率で合格?)なので過去問で対策を行い、新傾向の問題は捨てちゃうのが手っ取り早く合格する方法となります。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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