当サイトは、PRを含む場合があります。

上野竜生です。問160の答えを発表します。

問160

三角形ABC(以下,アの三角形と呼ぶ)と三角形A’B’C’(以下,イの三角形と呼ぶ)が次の条件を満たしている。
・AB<A’B’ , BC<B’C’ , CA<C’A’
・アの三角形もイの三角形もどちらも鋭角三角形である
(1)アの三角形よりもイの三角形のほうが面積が大きいと言えるか?言えるならば証明を,言えないならば反例(AB,BC,CA,A’B’,B’C’,C’A’の長さの例)をあげよ
(2)アの三角形を4つの面にもつ四面体とイの三角形を4つの面にもつ四面体ではイのほうが体積が大きいと言えるか?言えるならば証明を,言えないならば反例(AB,BC,CA,A’B’,B’C’,C’A’の長さの例)をあげよ

 

答え

(1)イのほうが面積が大きいといえる。
[証明]
∠A>∠A’かつ∠B>∠B’かつ∠C>∠C’
が成立すると仮定すると
∠A+∠B+∠C>∠A’+∠B’+∠C’
が成り立つが三角形の内角の和は180°で一定だから矛盾。つまり少なくとも1つの角はイのほうが大きい(または同じ)である。
その角をA’としても一般性を失わない。以下では∠A≦∠A’とする。
すると鋭角三角形だからsinA≦sinA’がなりたつ。

\(\displaystyle \frac{1}{2}AB \cdot AC\cdot \sin{A} < \frac{1}{2}A’B’ \cdot A’C’ \cdot \sin{A’} \)
が成り立つのでイの面積のほうが大きい。

(2)イのほうが体積が大きいとは限らない。
合同な4つの鋭角三角形を面にもつ四面体は直方体に埋め込める性質を用いる。


図のように縦x,横y,高さzの直方体の4つの頂点を結んでできる四面体を考える。
これは4つの面がすべて合同な四面体で,その三角形の三辺の長さは
\(\sqrt{x^2+y^2} , \sqrt{y^2+z^2} , \sqrt{z^2+x^2} \)
である。この四面体の体積は,もとの直方体から三角錐を4つ取り除いたものなので
\(\displaystyle xyz- 4\left( \frac{1}{6}xyz \right)= \frac{1}{3}xyz \)
となる。

アの三角形としてx=y=z=1とするとAB=BC=CA=\( \sqrt{2}\)で体積は\(\frac{1}{3} \)。
イの三角形としてx=y=2, z=0.1とするとAB=BC=\(\sqrt{4.01} \) ,CA=\(2\sqrt{2} \)で体積は\(\frac{0.4}{3} \)
よってイのほうが三辺の長さが大きい鋭角三角形であるが体積は小さくなる。

 

 

正解者:1名(中西ゆか さま)

解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました

<高校数学> <大学数学> さらにオススメの塾、特にオンラインの塾についてまとめてみました。自分一人だけでは自信のない人はこちらも参考にすると成績が上がります。