上野竜生です。問159の答えを発表します。
問159
nCk=2024を満たす自然数(n,k)の組をすべて求めよ。
答え
方針
①n≦22のとき,nCkは23の倍数ではない。(よって不適)
②n≧23かつ4≦k≦n-4のときnCkは2024よりも大きい(よって不適)
③k=1,2,3,n-3,n-2,n-1,nのときを個別に調べる
①「n≦22のとき,nCkは23の倍数でないことを示す」
もしnCkが23の倍数と仮定すると
\(\displaystyle {}_n C_k = \frac{n!}{(n-k)!k!}=23N \)
とおける。(Nは自然数)
n!=23N(n-k)!k!
とかけるが右辺は23の倍数であるのに対し,n≦22なので左辺は23の倍数ではない。
よって矛盾。
n≦22のときnCkは23の倍数ではない。
2024は23の倍数だからn≦22のときnCk=2024にはならない。
② n≧23かつ4≦k≦n-4のときnCkは2024よりも大きい
nCkはkが一定のときnが大きくなるほど大きくなる
[証明]
\(\displaystyle \frac{{}_{n+1}C_k}{ {}_nC_k}= \frac{(n+1)!}{k!(n+1-k)!} \cdot \frac{k!(n-k)!}{n!}= \frac{n+1}{n+1-k} \geq 1 \)
よって\( {}_{n+1}C_k \geq {}_nC_k \)
特にk≠0では等号は不成立。
nCkはnが一定のとき,kが\(\frac{n}{2} \)に近づくほど大きくなる
<今回の問題ではn≧23かつ4≦k≦n-4のときnCk≧nC4を示せば十分なので偶奇で場合分けなど細かい部分は略。>
\(\displaystyle \frac{{}_nC_{k+1}}{{}_nC_k} = \frac{n!}{(k+1)!(n-k-1)!} \cdot \frac{k!(n-k)!}{n!}=\frac{n-k}{k+1} \)
n-k>k+1,つまり\(k<\frac{n-1}{2} \)のときこれは1より大きく,n-k<k+1,つまり\(k>\frac{n-1}{2} \)のとき1より小さい
つまりn≧23のとき
nC4<nC5<・・・>nCk-5>nCk-4=nC4
が成り立つ
以上よりn≧23かつ4≦k≦n-4のときは
nCk≧nC4≧23C4=8855>2024
となるのでこの範囲でnCk=2024となる(n,k)は存在しない。
①②よりn≧23かつk=0,1,2,3,n-3,n-2,n-1,nの場合のみを調べればよい。
③k=0,nのときnCk=1なので不適。
k=1,n-1のときnCk=nなのでn=2024で成立。
k=2,n-2のとき\(\displaystyle {}_n C_k=\frac{n(n-1)}{2} \)
なのでn(n-1)=4048を解けばよいがこれを満たす自然数nは存在しない。
(この部分の説明はn(n-1)はn≧1で単調増加なので64×63<4048<65×64を示すか,
nについての2次方程式\( n^2-n-4048=0 \)を解の公式で解くか,
nを3で割った余りに着目するかいずれでもよい)
k=3,n-3のとき\({}_{23}C_3=1771, {}_{24}C_3=2024 \)なのでn=24で成立。
(②の証明より 23C3<24C3<25C3<26C3<・・・なのでn=24で成立すればn≧25では不成立もわかる)
答え (n,k)=(24,3),(24,21),(2024,1),(2024,2023)
正解者:3名(中西ゆか さま,ひな さま,古春 さま)
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