上野竜生です。問154の答えを発表します。
問154
複素数zが
|z-1|+|z+1|=8
を満たしながら動く。\( w=\frac{1}{z} \)とするとき複素数平面でwの動ける図形で囲まれた領域の面積を求めよ。
答え
z=x+yiとおく。(x,y)は2点(1,0),(-1,0)からの距離の和が一定だから楕円である。
焦点が(±1,0)なので楕円の式を
\(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2}=1 \)
とおける。(a>b>0)
このとき2点からの距離の和は2a=8だからa=4
焦点のx座標に注目すると\( \sqrt{a^2-b^2}=1 \)だから\( b=\sqrt{15} \)
つまり,zの動ける範囲は楕円
\(\displaystyle \frac{x^2}{16} + \frac{y^2}{15}=1 \)
である。
z=rcosθ+(rsinθ)iとすると
\(\displaystyle w=\frac{1}{r}(\cos{\theta} - \sin{\theta} i) \)
である。つまり絶対値は|z|の逆数になり,x軸についてzと対称移動させたものになる。
もとの楕円はx軸対称だから絶対値が逆数になることのみ考えればいい。
\( x=r\cos{\theta} , y=r\sin{\theta} \)とおいて極座標に変換すると
\(\displaystyle \frac{1}{16} r^2 \cos^2{\theta} + \frac{1}{15} r^2 \sin^2{\theta} =1 \)
ここでwの動ける領域を極座標(R,θ)で表すと\( R=\frac{1}{r} \)より
\(\displaystyle \frac{1}{16} \frac{1}{R^2} \cos^2{\theta} + \frac{1}{15} \frac{1}{R^2} \sin^2{\theta} = 1 \)
つまり
\( \displaystyle R^2= \frac{1}{16} \cos^2{\theta} + \frac{1}{15} \sin^2{\theta} \)
と表せる。よってその面積は
\(\displaystyle \int_0^{2\pi} \frac{1}{2} R^2 d\theta \\ = \displaystyle \frac{1}{2} \int_0^{2\pi} \frac{1}{16}\cos^2{\theta} + \frac{1}{15} \sin^2{\theta} d\theta \\ = \displaystyle \frac{1}{2} ( \frac{1}{16} \pi + \frac{1}{15} \pi ) \\ \displaystyle =\frac{31}{480}\pi \)
正解者:0名
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