上野竜生です。今回はx+y+z=nとなる自然数や非負整数の組の個数について紹介します。やることは組み合わせ計算ですが,問題の言い換えがかなり独特で,一度経験しないとひらめかないと思うので1度見ておきましょう。
問題
(2)x+y+z=10となる非負整数の組(x,y,z)は何組あるか?
(3)x+y+z=10となる自然数の組(x,y,z)は何組あるか?
(4)x+y+z+w=10となる非負整数の組(x,y,z,w)は何組あるか?
(5)x+y+z≦10となる非負整数の組(x,y,z)は何組あるか?
※非負整数=負でない整数=0以上の整数=自然数または0。
(2)重複順列です。○10個と|2個を並べ替えるやり方に等しいので12C2=66組。
[たとえば○○|○○○○○|○○○となったらx=2,y=5,z=3とみなせば(x,y,z)の決め方と○10個|2個の並べ替えが同じ個数であることがわかる]
(3)あらかじめ1をひいておきましょう。
X=x-1,Y=y-1,Z=z-1とおくとx,y,zが自然数のときX,Y,Zは非負整数。
x+y+z=10ならばX+Y+Z=7なので○7個と|2個の並べかえに等しい。
よって9C2=36組。
(4)○10個と|3個の並べ替えなので13C3=286組。
(5)これは(4)と全く同じであることに気づきましょう。x+y+z≦10ということはx+y+z=10-w(w≧0)とおけるのでx+y+z+w=10の個数とピタリ一致します。よって286組です。
組み合わせの計算まで学んでいれば計算できるのですが問題の言いかえが複雑でしたね。いざとなれば2変数から順番にΣ計算で求めるということもできると思います(数Bの知識が必要)。あまり出題頻度は高くないですが出たら差がつきやすい1問です。
【参考】Σを使った解法
(2) (1)と同様にするとx+y=nとなる「非負整数」の組は(0,n),(1,n-1),・・・,(n,0)のn+1組ある。
z=0のときx+y=10となる非負整数の組は11組。
z=1のときx+y=9となる非負整数の組は10組。
・・・
z=kのときx+y=10-kとなる非負整数の組は11-k組。(k=0,1,2,・・・,10)
よって
(3)x+y=nとなる「自然数」の組は(1,n-1),(2,n-2),・・・,(n-1,1)のn-1組ある。
z=kのときx+y=10-kとなる非負整数の組は9-k組。(k=1,2,・・・,8)
よって
(4)上と同様にしてもよい。
x+y=nとなる非負整数の組はn+1組。
x+y+z=mとなる非負整数の組は
z=kのときx+y=m-kとなる非負整数の組はm+1-k組だから(k=0,1,2,・・・,m)
\[\displaystyle \sum_{k=0}^m (m+1-k)=\frac{1}{2}(m+2)(m+1) \]
x+y+z+w=10となる非負整数の組は
w=tのときx+y+z=10-tとなる(x,y,z)の組が\(\displaystyle \frac{1}{2}(12-t)(11-t) \)だから
(5)x+y+z=mとなる(x,y,z)の組が\(\displaystyle \frac{1}{2}(m+2)(m+1)\)組だから
最後はすべて書き出して足しましたが,せっかくΣで書いたんだからΣの公式使えよって言う人のために最後のΣを公式で計算しておきます。
(4)
(5)
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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