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上野竜生です。今回は数IIIの面積の求め方でx軸で積分する通常のタイプの具体例を取り扱います。基本的にグラフがかけることが前提になっています。わかりやすくするためグラフをつけていますがこれを自分で書くことを心がけましょう。立式は数IIのときと同じですが計算が数IIIになっているだけです。公式そのものは面積の求め方まとめページで復習してください。
例題1
y=sinx(0≦x≦π)とy=sin2x(0≦x≦π)で囲まれる部分の面積の和を求めよ。
基本として(上側の関数)-(下側の関数)で求めます。どちらが上側になるかは図を書くか場合分けして求めましょう。
答え交点を求める。\( \sin{x}=\sin{2x}=2\sin{x}\cos{x} \)より
\(\sin{x}=0 \)または\(\cos{x}=\frac{1}{2} \)
交点のx座標は\( x= 0 ,\frac{\pi}{3} , \pi \)
図より面積は
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{3}} (\sin{2x}-\sin{x})dx + \int_{\frac{\pi}{3}}^{\pi} (\sin{x}-\sin{2x})dx \\ =\displaystyle [-\frac{1}{2}\cos{2x}+\cos{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} + [-\cos{x}+\frac{1}{2}\cos{2x}]_{\frac{\pi}{3}}^{\pi} \\ \displaystyle = \frac{1}{4}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}-1 + 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{2} +\frac{1}{4} =\frac{5}{2} \)
\(\sin{x}=0 \)または\(\cos{x}=\frac{1}{2} \)
交点のx座標は\( x= 0 ,\frac{\pi}{3} , \pi \)
図より面積は
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{3}} (\sin{2x}-\sin{x})dx + \int_{\frac{\pi}{3}}^{\pi} (\sin{x}-\sin{2x})dx \\ =\displaystyle [-\frac{1}{2}\cos{2x}+\cos{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} + [-\cos{x}+\frac{1}{2}\cos{2x}]_{\frac{\pi}{3}}^{\pi} \\ \displaystyle = \frac{1}{4}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}-1 + 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{2} +\frac{1}{4} =\frac{5}{2} \)
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例題2
\(\displaystyle C: y=x\sin{x} (0\leq x \leq \frac{\pi}{2}) \)上の点\(\displaystyle ( \frac{\pi}{3} , \frac{\sqrt{3}\pi}{6} ) \)から引いた接線をlとする。C,l,x軸で囲まれる部分の面積を求めよ。
答え\( (x\sin{x} )’=\sin{x}+x\cos{x} \)
接線の方程式は
\(\displaystyle y-\frac{\sqrt{3}\pi}{6} =(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6} )(x-\frac{\pi}{3}) \)
整理すると
\( \displaystyle y=(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6} )x-\frac{\pi^2}{18} \)
x軸との交点のx座標は
\(\displaystyle x=\frac{\frac{\pi^2}{18}}{\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6}}=\frac{\pi^2}{3\pi + 9\sqrt{3}} \)
求める面積は\(y=x\sin{x}\)の面積から三角形の面積を引けばよいので
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{3}} x\sin{x}dx - \frac{1}{2}(\frac{\pi}{3}-\frac{\pi^2}{3\pi+9\sqrt{3}})\frac{\sqrt{3}\pi}{6} \\ =\displaystyle [-x\cos{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} + \int_0^{\frac{\pi}{3}} \cos{x}dx - \frac{3\sqrt{3}\pi }{3\pi+9\sqrt{3}}\cdot \frac{\sqrt{3}\pi}{12} \\ \displaystyle = -\frac{\pi}{6} + [\sin{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} - \frac{\pi^2}{4\pi+12\sqrt{3}} \\ \displaystyle =-\frac{\pi}{6} + \frac{\sqrt{3}}{2}- \frac{\pi^2}{4\pi+12\sqrt{3}} =\frac{54-5\pi^2}{12\pi+36\sqrt{3}} \)
接線の方程式は
\(\displaystyle y-\frac{\sqrt{3}\pi}{6} =(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6} )(x-\frac{\pi}{3}) \)
整理すると
\( \displaystyle y=(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6} )x-\frac{\pi^2}{18} \)
x軸との交点のx座標は
\(\displaystyle x=\frac{\frac{\pi^2}{18}}{\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\pi}{6}}=\frac{\pi^2}{3\pi + 9\sqrt{3}} \)
求める面積は\(y=x\sin{x}\)の面積から三角形の面積を引けばよいので
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{3}} x\sin{x}dx - \frac{1}{2}(\frac{\pi}{3}-\frac{\pi^2}{3\pi+9\sqrt{3}})\frac{\sqrt{3}\pi}{6} \\ =\displaystyle [-x\cos{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} + \int_0^{\frac{\pi}{3}} \cos{x}dx - \frac{3\sqrt{3}\pi }{3\pi+9\sqrt{3}}\cdot \frac{\sqrt{3}\pi}{12} \\ \displaystyle = -\frac{\pi}{6} + [\sin{x}]_0^{\frac{\pi}{3}} - \frac{\pi^2}{4\pi+12\sqrt{3}} \\ \displaystyle =-\frac{\pi}{6} + \frac{\sqrt{3}}{2}- \frac{\pi^2}{4\pi+12\sqrt{3}} =\frac{54-5\pi^2}{12\pi+36\sqrt{3}} \)
本来は\(\displaystyle 0\leq x \leq \frac{\pi^2}{3\pi+9\sqrt{3}} \)の部分と\(\displaystyle \frac{\pi^2}{3\pi+9\sqrt{3}} \leq x \leq \frac{\pi}{3} \)の部分にわけて積分計算をします(後者はxsinxと接線の式の差を積分)が,計算量が大変なので図形的に考えてxsinxの\(\displaystyle 0 \leq x \leq \frac{\pi}{3} \)の部分から三角形の面積を引くほうが楽ですね。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
<高校数学>上野竜生です。数学のオススメ参考書などをよく聞かれますのでここにまとめておきます。基本的にはたくさん買うよりも…
上野竜生です。大学数学の参考書をまとめてみました。フーリエ解析以外は自分が使ったことある本から選びました。 大…
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