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上野竜生です。大学で習う双曲線関数ですが高校生でも理解できますし知っていると得になることもあるので教えておきます。
ただし,やはり大学で習う内容なのであまり好んで出題されはしないです。
例題
\(\displaystyle \cosh{t}=\frac{e^t+e^{-t}}{2} , \sinh{t}=\frac{e^t-e^{-t}}{2} \)とする。
(1) \(\cosh^2{t}-\sinh^2{t}=1 \)を示せ。
(2) 双曲線C:x2-y2=1上に点O(0,0),A(1,0),B(cosht,sinht)(t>0)をとる。
線分OA,OBとCで囲まれた部分の面積をtを用いて表せ。
(3) 双曲線C:x2-y2=1上に点\( O(0,0),A(1,0),D(s,\sqrt{s^2-1} ) (s> 1)\)をとる。
線分OA,ODとCで囲まれた部分の面積をsを用いて表せ。
(1) \(\cosh^2{t}-\sinh^2{t}=1 \)を示せ。
(2) 双曲線C:x2-y2=1上に点O(0,0),A(1,0),B(cosht,sinht)(t>0)をとる。
線分OA,OBとCで囲まれた部分の面積をtを用いて表せ。
(3) 双曲線C:x2-y2=1上に点\( O(0,0),A(1,0),D(s,\sqrt{s^2-1} ) (s> 1)\)をとる。
線分OA,ODとCで囲まれた部分の面積をsを用いて表せ。
答え(1) \(\displaystyle \cosh^2{t}-\sinh^2{t}=\left(\frac{e^t+e^{-t}}{2}\right)^2-\left(\frac{e^t-e^{-t}}{2}\right)^2\\
=\displaystyle \frac{(e^{2t}+2+e^{-2t})-(e^{2t}-2+e^{-2t})}{4}=\frac{4}{4}=1 \)
(2)図より求める面積は
\(\displaystyle \frac{1}{2}\cosh{t}\sinh{t}-\int_1^{\cosh{t}} \sqrt{x^2-1} dx \)
ここで積分の部分について\( x=\cosh{t} \)と置換すると\(\frac{dx}{dt}=\frac{e^{t}-e^{-t}}{2}=\sinh{t} \)なので
\(\displaystyle \int_1^{\cosh{t}} \sqrt{x^2-1} dx = \int_0^t \sqrt{\cosh^2{t}-1} \cdot \sinh{t} dt \\
=\displaystyle \int_0^t \sinh^2{t} dt = \int_0^t \frac{e^{2t}-2+e^{-2t}}{4}dt \\
=\displaystyle \left[\frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t} \right]_0^t \\
=\displaystyle \frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t}\)
よって元の式に代入すると
\(\displaystyle \frac{1}{2} \cdot \frac{e^t+e^{-t}}{2} \cdot \frac{e^t-e^{-t}}{2} - \left(\frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t}\right)\\
=\displaystyle \frac{1}{8}e^{2t} -\frac{1}{8}e^{-2t} - \frac{1}{8}e^{2t} + \frac{1}{2}t+\frac{1}{8}e^{-2t} =\frac{1}{2}t \)
(3) \(s=\cosh{t} \)とおけば(2)より面積は\(\frac{1}{2}t \)となるのでtをsの式で表せばよい。
\(\displaystyle s=\frac{e^{t}+e^{-t}}{2} \)より\(e^t - 2s + e^{-t}=0 \)
両辺を\(e^t\)倍し,\(A=e^{t}\)とおくと\( A^2-2sA+1=0\)
よって\( A=e^{t}=s \pm \sqrt{s^2-1} \)
t>0なのでA>1であるから±は+のほうであり
\(t=\log{(s+\sqrt{s^2-1})}\)
よって面積は\(\frac{1}{2}t=\frac{1}{2}\log{(s+\sqrt{s^2-1})} \)
=\displaystyle \frac{(e^{2t}+2+e^{-2t})-(e^{2t}-2+e^{-2t})}{4}=\frac{4}{4}=1 \)
(2)図より求める面積は
\(\displaystyle \frac{1}{2}\cosh{t}\sinh{t}-\int_1^{\cosh{t}} \sqrt{x^2-1} dx \)
ここで積分の部分について\( x=\cosh{t} \)と置換すると\(\frac{dx}{dt}=\frac{e^{t}-e^{-t}}{2}=\sinh{t} \)なので
\(\displaystyle \int_1^{\cosh{t}} \sqrt{x^2-1} dx = \int_0^t \sqrt{\cosh^2{t}-1} \cdot \sinh{t} dt \\
=\displaystyle \int_0^t \sinh^2{t} dt = \int_0^t \frac{e^{2t}-2+e^{-2t}}{4}dt \\
=\displaystyle \left[\frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t} \right]_0^t \\
=\displaystyle \frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t}\)
よって元の式に代入すると
\(\displaystyle \frac{1}{2} \cdot \frac{e^t+e^{-t}}{2} \cdot \frac{e^t-e^{-t}}{2} - \left(\frac{1}{8}e^{2t} - \frac{1}{2}t-\frac{1}{8}e^{-2t}\right)\\
=\displaystyle \frac{1}{8}e^{2t} -\frac{1}{8}e^{-2t} - \frac{1}{8}e^{2t} + \frac{1}{2}t+\frac{1}{8}e^{-2t} =\frac{1}{2}t \)
(3) \(s=\cosh{t} \)とおけば(2)より面積は\(\frac{1}{2}t \)となるのでtをsの式で表せばよい。
\(\displaystyle s=\frac{e^{t}+e^{-t}}{2} \)より\(e^t - 2s + e^{-t}=0 \)
両辺を\(e^t\)倍し,\(A=e^{t}\)とおくと\( A^2-2sA+1=0\)
よって\( A=e^{t}=s \pm \sqrt{s^2-1} \)
t>0なのでA>1であるから±は+のほうであり
\(t=\log{(s+\sqrt{s^2-1})}\)
よって面積は\(\frac{1}{2}t=\frac{1}{2}\log{(s+\sqrt{s^2-1})} \)
補足 なぜA>1からプラスといえるか
\(A^2-2sA+1=0\)の2つの解をα,β(α≦β)とすると解と係数の関係よりαβ=1
s>1から明らかにβ>1
よって0<α<1となり,マイナスのほうはA>1を満たさない。
\(A^2-2sA+1=0\)の2つの解をα,β(α≦β)とすると解と係数の関係よりαβ=1
s>1から明らかにβ>1
よって0<α<1となり,マイナスのほうはA>1を満たさない。
重要なのは\(\displaystyle \int \sqrt{x^2-1} dx \)の積分は\(\displaystyle x=\cosh{t}=\frac{e^{t}+e^{-t}}{2}\)と置換すればうまく計算できるということです。知っておくといいことがあるかもしれません。
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