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上野竜生です。今回は積分で求める面積が等しくなる条件を扱います。正攻法と裏技の両方があるタイプを紹介します。裏技はヒラメキが必要なので本番ひらめかなかったときや,ヒラメキが使えない一般の場合にそなえてどちらの解法でもできるように慣れておきましょう。

例題1

0<m<aとする。y=|x2-ax|と直線y=mxで囲まれる2つの部分の面積が等しくなるようなmの値を求めよ。
答え\( y=|x^2-ax|\)とy=mxの交点を求める
0≦x≦aのとき
\( -(x^2-ax)=mx \)よりx=0,a-m
x<0またはx>aのとき
\( x^2-ax=mx \)よりx=0,a+m
x<0,x>aよりx=a+m以上より交点のx座標は
x=0,a-m,a+m
よってグラフは下の通り
同じ面積1アとイの部分の面積が等しければよい。
ア=イ
⇔ア+ウ+エ=イ+ウ+エ
⇔2×エ=イ+ウ+エ
なので最後の条件を式で表す。エの面積は1/6公式より
\(\displaystyle \int_0^a -(x^2-ax) dx = \frac{1}{6}a^3 \)
イ+ウ+エの面積は1/6公式より
\(\displaystyle \int_0^{a+m} mx-(x^2-ax)dx = \frac{1}{6} (a+m)^3 \)
よって
\(\displaystyle 2\cdot \frac{1}{6}a^3 = \frac{1}{6}(a+m)^3 \)
∴\( \sqrt[3]{2}a=a+m \)
\( m=\sqrt[3]{2}a-a \)

もちろんア=イを正確に積分で表してもいいですがかなり面倒ですね。

ア=\(\displaystyle \int_0^{a-m} (-x^2+ax -mx) dx = \frac{1}{6}(a-m)^3 \)
イ=\(\displaystyle \int_{a-m}^a (mx+x^2-ax)dx + \int_a^{a+m} (mx-x^2+ax) dx \)
\(\displaystyle = \left[ \frac{1}{2}(m-a)x^2 + \frac{1}{3}x^3 \right]_{a-m}^a + \left[ \frac{1}{2}(m+a)x^2 -\frac{1}{3}x^3 \right]_a^{a+m} \\ =\displaystyle \frac{1}{2}(m-a)a^2 +\frac{1}{3}a^3 - \frac{1}{2}(m-a)^3 - \frac{1}{3}(a-m)^3 + \frac{1}{2}(m+a)^3 - \frac{1}{3}(a+m)^3 - \frac{1}{2}(m+a)a^2 + \frac{1}{3}a^3 \\ = \displaystyle -\frac{1}{3}a^3 +\frac{1}{6}(a-m)^3 + \frac{1}{6}(m+a)^3 \)

ここから整理すると模範解答と同じ関係式が出てきますね。

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例題2

C: y=x3-3x2-xと直線l: y=mxについて
(1)Cとlがx≧0で相異なる3つの交点をもつようなmの範囲を求めよ。
(2)mは(1)の範囲を動くとする。Cとlで囲まれる2つの部分の面積が等しくなるようなmの値を求めよ。

答え(1)\( y=x^3-3x^2-x \)とy=mxの交点のx座標は

\( x^3-3x^2-x-mx= x(x^2-3x-(m+1))=0 \)

の解である。
x=0は明らかに解をもつので\( x^2-3x-(m+1)=0 \)が相異なる2つの正の実数解をもてばよい。
\( x^2-3x-(m+1)=0 \)の判別式をDとすると
\( D=9+4(m+1)>0 \)つまり\( m> -\frac{13}{4} \)
のx座標は常に正。
x=0でのyの値:-m-1>0よりm<-1
以上より\( \displaystyle -\frac{13}{4}<m<-1 \)
(2)\( x^2-3x-(m+1)=0 \)の解をα,β(0<α<β)とすると下の図のようになる。
同じ面積2
2つの部分の面積が等しいということは面積の差が0。面積の差は

\(\displaystyle \int_0^{\alpha} x^3-3x^2-x-mx dx - \int_{\alpha}^{\beta} mx-(x^3-3x^2-x) dx \\ = \displaystyle \int_0^{\alpha} x^3-3x^2-x-mx dx + \int_{\alpha}^{\beta} x^3-3x^2-x-mx dx \\ = \displaystyle \int_0^{\beta} x^3-3x^2-x-mx dx \\ = \displaystyle \left[ \frac{1}{4}x^4 - x^3-\frac{1}{2}(1+m)x^2 \right]_0^{\beta} \\ = \displaystyle \frac{1}{4}\beta^4 - \beta^3 -\frac{1}{2}(1+m)\beta^2 \\ =\displaystyle \frac{1}{4}\beta^2 ( \beta^2 - 4\beta -2(m+1)) \)

β>0より,これが0になるのは
\( \beta^2 - 4\beta -2(m+1)=0 \)・・・①のとき
βは\( x^2-3x-(m+1)=0 \)の解だから
\( \beta^2-3\beta - (m+1)=0 \)・・・②
①,②より
\( 2(m+1)=\beta^2-4\beta=2\beta^2-6\beta \)
β>0より
\(\beta-4=2\beta-6 \)
∴β=2
①よりm=-3

【別解・裏技】変曲点の知識を使う

<裏技知識>
y=f(x)について2階微分f''(x)=0の解をaとしたとき(a,f(a))を変曲点という。(正確にはaの前後でf''(x)の符号が変わることも必要。3次関数の場合は常に成り立つ。)
変曲点の前後で上に凸/下に凸が切り替わる。
3次関数は変曲点に関して点対称である。
3次関数と直線で囲まれる2つの部分の面積が等しくなるのは変曲点を通るとき。

答え題意を満たすのは変曲点を通る時。
\( x^3-3x^2-x \)
をxで微分すると\( 3x^2-6x-1 \)
もう1度xで微分すると\( 6x-6 \)
変曲点のx座標は6x-6=0の解,つまりx=1
x=1の前後で2階微分の符号が変わるので確かに変曲点である。
よって変曲点は(1,-3)
これを通る時だからm=-3

 

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