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上野竜生です。今回は交点の座標が求まらない面積の問題を扱います。積分をするには交点の座標がいりますがそれが求められなくても面積がわかることがあります。

 

k>0とする。y=cosx \( (0\leq x \leq \frac{\pi}{2}) \)とx軸,y軸で囲まれる部分の面積をy=ksinxが二等分するような定数kの値を求めよ。
面積二等分
答えy=cosx,x軸y軸で囲まれる部分の面積は
\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{2}} \cos{x}dx = [\sin{x}]_0^{\frac{\pi}{2}}=1 \)
よってy=cosx, y=ksinx , y軸で囲まれる部分の面積が\(\frac{1}{2} \)になればよい。
交点を求める。cosx=ksinxより交点のx座標を\(\alpha \)とすると
\( \cos{\alpha}=k\sin{\alpha} \)・・・①が成り立つ。
面積は
\(\displaystyle \int_0^{\alpha} \cos{x}-k\sin{x}dx = [\sin{x}+k\cos{x} ]_0^{\alpha} = \sin{\alpha}+k\cos{\alpha}-k \)・・・②
①より\(\displaystyle \tan{\alpha}=\frac{1}{k} \)
ここから\(0<\alpha<\frac{\pi}{2} \),つまり\(\sin{\alpha}>0,\cos{\alpha}>0 \)に注意して\(\sin{\alpha},\cos{\alpha} \)を求めると
\(\displaystyle \sin{\alpha}=\frac{1}{\sqrt{k^2+1}} , \cos{\alpha}=\frac{k}{\sqrt{k^2+1}} \)
tanα=1/k
これを②に代入すると
\(\displaystyle \frac{1}{\sqrt{k^2+1}}+\frac{k^2}{\sqrt{k^2+1}} -k=\)\(\sqrt{k^2+1}-k \)
よって
\(\displaystyle \sqrt{k^2+1}-k = \frac{1}{2} \)・・・③を解けばよい。
\(\displaystyle \sqrt{k^2+1}=k+\frac{1}{2} \)の両辺を2乗すると
\(\displaystyle k^2+1=k^2+k+\frac{1}{4} \) ∴\(\displaystyle k=\frac{3}{4}\)
これは③を満たす。よって\(\displaystyle k=\frac{3}{4} \)
最後は2乗した段階で同値性が崩れるので必ず③を満たすことの確認が必要です。

この問題のポイントは積分をするためには交点のx座標が必要ですがその値が求まらないことです。しかしとりあえずαとおいて積分計算を進めるとうまくαを消去できます。αがうまく表せないからといって諦めずに解けばできることもあるのです。

 

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