上野竜生です。最近の漸化式は通常のan+1=pan+q型か隣接3項間漸化式だけ解ければかなり解けるようになりました。しかしライバルと差をつけたいなど好奇心がある人向けに出題頻度は少ないが一応出題されうる変わった漸化式を紹介します。

マニアックな漸化式

比較的発想が容易なタイプ

例1: a1=3, an+1an2=3√(an)

このような積の形の漸化式は少し解きにくい。今までのような和のタイプに直したい。となると対数をとるという発想ができる。たったこれだけです。ただし対数を取る時は真数条件が必要です。それは明らかであることが多いですが一言でも書いておきましょう。対数の底はeでもなんでもいいのですが漸化式に「3」があるので底を3にしたほうがキレイになるでしょう。

答え漸化式の形より明らかにすべての自然数nに対しan>0である。

よって両辺に3を底とする対数をとる。

log3(an+1an2)=log3(3√an)

log3(an+1)+2log3(an)=1+\frac{1}{2}log3(an)

log3an=bnとおくとb1=log33=1

bn+1+2bn=1+\frac{1}{2}bn

bn+1= -\frac{3}{2}bn+1

b_{n+1}+\frac{2}{5}=-\frac{3}{2}(b_n+\frac{2}{5})

b_n+\frac{2}{5}は初項 \frac{7}{5} ,公比 -\frac{3}{2} の等比数列だから

b_n=\frac{7}{5} (-\frac{3}{2})^{n-1}-\frac{2}{5}

よってan=3bnだから

\displaystyle a_n=3^{\frac{7}{5}(-\frac{3}{2})^{n-1}-\frac{2}{5}}

これはいかにも漸化式を解くためだけにつくられた感じがして応用に使いにくいので出題頻度は低いです。

 

例2: a1=1,a2=2, an+2=3an+2

2つごとに値が決まるのでa1=1からa3,5,7,9,11・・・が決まり,a2=2からa4,6,8,10,・・・が決まることが予想できます。つまり偶奇で場合分けをすることが容易に想像できます。こちらは比較的出題頻度が高めです。

答えnが偶数のとき,n=2kとおくと

a2k+2=3a2k+2

bk=a2kとおくとb1=a2=2

bk+1=3bk+2

両辺に1を加えると

bk+1+1=3(bk+1)

bk+1は初項3,公比3の等比数列。よって

bk=a2k=3k-1

a_n=3^{\frac{n}{2}}-1

nが奇数の時,n=2k-1とおくと

a2k+1=3a2k-1+2

ck=a2k-1とおくとc1=a1=1

ck+1+1=3(ck+1)

ck+1は初項2,公比3の等比数列よりck=a2k-1=2・3k-1-1

n=2k-1より k=\frac{n+1}{2} を代入すると

a_n=2 \cdot 3^{\frac{n-1}{2}}-1

以上をまとめると

nが偶数のとき a_n=3^{\frac{n}{2}}-1

nが奇数のとき a_n=2 \cdot 3^{\frac{n-1}{2}}-1

Snとanが両方漸化式にあるタイプ

このタイプは次の関係式を使います。

S1=a1
Sn-Sn-1=an (n≧2)
例題 次の漸化式を解け。ただしanの初項から第n項までの和をSnとする。
Sn=6an+3n+2

初項が与えられていませんがn=1を代入するとすぐ求まります。求めるのはanなのでanの式だけにすることを考えましょう。そのためにはSn-Sn-1が必要なので1つずらした式を書き両辺を引けばいいことがわかります。

答え漸化式にn=1を代入すると
a1=6a1+3+2 (∵S1=a1)ゆえにa1=-1
n≧2のときSn=6an+3n+2のnにn-1を代入するとSn-1=6an-1+3(n-1)+2

両辺を引くと

an=6an-6an-1+3 (∵Sn-Sn-1=an)

整理しnにn+1を代入して元に戻すと

a_{n+1}=\frac{6}{5}a_n-\frac{3}{5}

a_{n+1}-3=\frac{6}{5}(a_n-3)

an-3は初項-4,公比\frac{6}{5}の等比数列だから

a_n=-4 \cdot (\frac{6}{5})^{n-1}+3

その他うまい変形

ここからは漸化式を最後までは解かず,最初の変形部分のみ書きます。(そこから先は基本問題に帰着されるため)

例:an+1=3an+n2+2n+3

前回の方法3nで割ってもOKですがΣ計算がしんどいです。こういう場合のうまい方法はbn=(anの式)とおいてbn+1=3bnの形にしたいと考えます。ここまでくると等比数列なので解けます。式の形からbn=an+αn2+βn+γになると予想できます。あとは係数比較するだけです。

目標の式がbn+1=3bnなので

an+1+α(n+1)2+β(n+1)+γ=3(an+αn2+βn+γ)

an+1=3an+2αn2+(2β-2α)n+(2γ-α-β)

これをもとの漸化式と係数比較すると2α=1, 2β-2α=2, 2γ-α-β=3より

α= \frac{1}{2} ,β= \frac{3}{2} , γ= \frac{5}{2}となります。

よって b_n= a_n + \frac{1}{2}n^2+\frac{3}{2}n+\frac{5}{2} とおくと等比数列に変形でき,漸化式が楽に解けます。

この解法,一見うまいようですが式の形を予想する必要があり,初見で解くには少し無理があります。実際このタイプを解く場合bnが与えられているなど,多少の誘導があることが多いです。
例:nan+1=(n+1)an+2

両辺をn(n+1)で割り, b_n=\frac{a_n}{n(n+1)} とおきます。

 

例:an+1=(n+1)an+2n

両辺を(n+1)!で割り, b_n=\frac{a_n}{n!} とおきます。

 

このように最終的にbn+1=pbn+qの形にもっていけるように係数をうまく消していくことが重要です。

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