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上野竜生です。今回は接線に関する問題を紹介します。共通接線と接線の本数は入試に出題されてもいいぐらいの難易度ですのでここまで勉強すれば入試で戦えるようになってきます。数IIレベルのものは共通接線の求め方で復習してください。
接線の方程式と基本
POINTy=f(x)上の点(t,f(t))におけるy=f(x)の接線の方程式は
\( y-f(t)=f’(t)(x-t) \)
\( y-f(t)=f’(t)(x-t) \)
これ自体は数IIのときと同じです。あとはf’(t)の計算が数IIIになっただけですね。
また接線に関する問題は接点を決めるところから考えるのが基本です。
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例題
\(\displaystyle f(x)=x^2-a , g(x)=-\frac{1}{x} \)とする。
(1) a=0のときy=f(x)とy=g(x)の共通接線の方程式を求めよ。
(2) y=f(x)とy=g(x)が接するようなaの値を求めよ。ただしy=f(x)とy=g(x)が接するとはy=f(x)とy=g(x)が共有点Pをもち、かつその点での接線が一致することをいう。
(3) y=f(x)とy=g(x)の共通接線の本数をaの値で場合分けして求めよ。
(1) a=0のときy=f(x)とy=g(x)の共通接線の方程式を求めよ。
(2) y=f(x)とy=g(x)が接するようなaの値を求めよ。ただしy=f(x)とy=g(x)が接するとはy=f(x)とy=g(x)が共有点Pをもち、かつその点での接線が一致することをいう。
(3) y=f(x)とy=g(x)の共通接線の本数をaの値で場合分けして求めよ。
片方が2次関数なので判別式でも半分出せますが一般の関数で応用したいので一般の関数に通用する解き方を採用します。まずは接点から始めましょう。
答え(1) (s,f(s))におけるy=f(x)の接点は
\( y-f(s)=f’(s)(x-s)=2s(x-s) \)
a=0に注意して整理すると\( y=2sx-s^2 \)・・・①
(t,g(t))におけるy=g(x)の接点は
\( y-g(t)=g’(t)(x-t)=\frac{1}{t^2}(x-t) \)
整理すると\( y=\frac{1}{t^2}x - \frac{2}{t} \)・・・②
これが一致するから傾きとy切片が等しい。よって
\( 2s=\frac{1}{t^2} , s^2=\frac{2}{t} \)
\( \frac{4}{t^2}=8s=s^4 \)
これを解くと\( s=2 , t=\frac{1}{2} (∵s\neq 0) \)
これを接線の方程式に代入すると\( y=4x-4 \)
(2) 共有点Pのx座標をtとするとy座標は等しいから
f(t)=g(t) つまり\( t^2-a=-\frac{1}{t} \)
また接線の傾きが等しいから
f’(t)=g’(t) つまり\( 2t=\frac{1}{t^2} \)
これより\(\displaystyle t=\frac{1}{\sqrt[3]{2}} \)を代入すると
\(\displaystyle a=t^2+\frac{1}{t}=\frac{1}{\sqrt[3]{4}}+\sqrt[3]{2}=\frac{3\sqrt[3]{2}}{2}\)
(3) a=0とは限らないのでf(x)の接線の方程式は
\(y=2sx-s^2-a \)・・・③
②と③を連立すると
\( 2s=\frac{1}{t^2} , s^2+a=\frac{2}{t} \)
1つめの式より得られる\( s=\frac{1}{2t^2} \)を2つめに代入すると
\(\displaystyle \frac{1}{4t^4}+a=\frac{2}{t} \)
接線の数と接点の数は等しいから上の式を満たすtの個数を数えればよい。
定数分離して\( \frac{2}{t}-\frac{1}{4t^4} =a \)
つまり\(\displaystyle h(t)=\frac{2}{t}-\frac{1}{4t^4} \)とおいたときy=h(t)とy=aの交点の数が求める共通接線の数である。
\(\displaystyle h’(t)=-\frac{2}{t^2}+\frac{1}{t^5} = \frac{1-2t^3}{t^5} \)
増減表とグラフは下の通り。
\(\begin{array}{c|ccccccc} t & (-\infty) & \cdots & (0) & \cdots & \frac{1}{\sqrt[3]{2}} & \cdots & (\infty) \\ \hline h'(t) & & - & & + & 0 & - & \\ \hline h(t) & 0 & \searrow & (-\infty) & \nearrow & \frac{3\sqrt[3]{2}}{2} & \searrow & 0 \end{array}\)
よって\(a>\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき0個
\(a=\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき1個
\(0<a<\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき2個
\(a=0\)のとき1個
\( a<0\)のとき2個
\( y-f(s)=f’(s)(x-s)=2s(x-s) \)
a=0に注意して整理すると\( y=2sx-s^2 \)・・・①
(t,g(t))におけるy=g(x)の接点は
\( y-g(t)=g’(t)(x-t)=\frac{1}{t^2}(x-t) \)
整理すると\( y=\frac{1}{t^2}x - \frac{2}{t} \)・・・②
これが一致するから傾きとy切片が等しい。よって
\( 2s=\frac{1}{t^2} , s^2=\frac{2}{t} \)
\( \frac{4}{t^2}=8s=s^4 \)
これを解くと\( s=2 , t=\frac{1}{2} (∵s\neq 0) \)
これを接線の方程式に代入すると\( y=4x-4 \)
(2) 共有点Pのx座標をtとするとy座標は等しいから
f(t)=g(t) つまり\( t^2-a=-\frac{1}{t} \)
また接線の傾きが等しいから
f’(t)=g’(t) つまり\( 2t=\frac{1}{t^2} \)
これより\(\displaystyle t=\frac{1}{\sqrt[3]{2}} \)を代入すると
\(\displaystyle a=t^2+\frac{1}{t}=\frac{1}{\sqrt[3]{4}}+\sqrt[3]{2}=\frac{3\sqrt[3]{2}}{2}\)
(3) a=0とは限らないのでf(x)の接線の方程式は
\(y=2sx-s^2-a \)・・・③
②と③を連立すると
\( 2s=\frac{1}{t^2} , s^2+a=\frac{2}{t} \)
1つめの式より得られる\( s=\frac{1}{2t^2} \)を2つめに代入すると
\(\displaystyle \frac{1}{4t^4}+a=\frac{2}{t} \)
接線の数と接点の数は等しいから上の式を満たすtの個数を数えればよい。
定数分離して\( \frac{2}{t}-\frac{1}{4t^4} =a \)
つまり\(\displaystyle h(t)=\frac{2}{t}-\frac{1}{4t^4} \)とおいたときy=h(t)とy=aの交点の数が求める共通接線の数である。
\(\displaystyle h’(t)=-\frac{2}{t^2}+\frac{1}{t^5} = \frac{1-2t^3}{t^5} \)
増減表とグラフは下の通り。
\(\begin{array}{c|ccccccc} t & (-\infty) & \cdots & (0) & \cdots & \frac{1}{\sqrt[3]{2}} & \cdots & (\infty) \\ \hline h'(t) & & - & & + & 0 & - & \\ \hline h(t) & 0 & \searrow & (-\infty) & \nearrow & \frac{3\sqrt[3]{2}}{2} & \searrow & 0 \end{array}\)
よって\(a>\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき0個
\(a=\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき1個
\(0<a<\frac{3\sqrt[3]{2}}{2} \)のとき2個
\(a=0\)のとき1個
\( a<0\)のとき2個
(2)でy切片は考える必要はありません。そもそも点Pが共通していてそこからの直線の傾きが一致すれば当然y切片も一致します。
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