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上野竜生です。今回は関数が直交する条件を紹介します。しかし通常,関数の直交は教科書には定義されておらず,出題された時に定義が与えられると思うのでその通りにやるだけです。特に新出事項は出てきませんが応用問題なので紹介しておきます。
例題
次の問題は京大の問題に少しだけ誘導というかチェックポイントをつけた問題です。
京大は(1)(2)の場合分けのヒントがなくg(x)を文字でおかずに「2次関数」としか書かれていませんが本質は全く同じです。
\( f(x)=x^2とg(x)=ax^2+bx+c \)が異なる2点で直交するとする。
異なる2点で直交するとは異なる2点で交わり,かつ,交点でのそれぞれの接線が直交することをいう。
(1)b=0のときaを用いてcを表せ。またaのとり得る範囲を求めよ。
(2)b≠0のときa,cを求めよ。
異なる2点で直交するとは異なる2点で交わり,かつ,交点でのそれぞれの接線が直交することをいう。
(1)b=0のときaを用いてcを表せ。またaのとり得る範囲を求めよ。
(2)b≠0のときa,cを求めよ。
答え交点のx座標をα,β(α≠β)とすると
f(α)=g(α),f(β)=g(β)
f'(α)g'(α)=-1,f'(β)g'(β)=-1
が成り立つ。
よって
\( \alpha^2=a\alpha^2 + b\alpha +c \)・・・①
\( \beta^2=a\beta^2 + b\beta +c \)・・・②
\( 2\alpha(2a\alpha+b)=-1 \)・・・③
\( 2\beta (2a\beta +b)=-1 \)・・・④
(1)b=0のとき
③④は
\( 4a\alpha^2 = 4a\beta^2=-1 \)となる。
ゆえに\(\alpha^2=\beta^2=-\frac{1}{4a} \)
ここから\( \beta=-\alpha , a<0 \)が得られる。
①②は
\( (1-a)\alpha^2 =(1-a)\beta^2 =c \)
ゆえに\( \alpha^2=\beta^2=\frac{c}{1-a} \)となるので
\( -\frac{1}{4a}=\frac{c}{1-a} \)
よってa-1=4acとなるから
\( \displaystyle c=\frac{a-1}{4a} \)
aの範囲はa<0
(2)
b≠0のとき①②からα,βはxについての2次方程式
\( (a-1)x^2+bx+c=0 \)の解である。
③④からα,βはxについての2次方程式
\(4ax^2+2bx+1=0 \)の解である。
最高次の係数をそろえると
\( 4a(a-1)x^2+4abx+4ac=0 \\ 4a(a-1)x^2+2b(a-1)x+(a-1)=0 \)
これがどちらもα,βを解に持つので
どちらも4a(a-1)(x-α)(x-β)とかける。つまり,最高次の係数をそろえてあるので残りの係数もそれぞれ等しい。
係数を比較すると
\( 4ab=2b(a-1) , 4ac=a-1 \)
b≠0より\(a=-1,c=\frac{1}{2}\)
f(α)=g(α),f(β)=g(β)
f'(α)g'(α)=-1,f'(β)g'(β)=-1
が成り立つ。
よって
\( \alpha^2=a\alpha^2 + b\alpha +c \)・・・①
\( \beta^2=a\beta^2 + b\beta +c \)・・・②
\( 2\alpha(2a\alpha+b)=-1 \)・・・③
\( 2\beta (2a\beta +b)=-1 \)・・・④
(1)b=0のとき
③④は
\( 4a\alpha^2 = 4a\beta^2=-1 \)となる。
ゆえに\(\alpha^2=\beta^2=-\frac{1}{4a} \)
ここから\( \beta=-\alpha , a<0 \)が得られる。
①②は
\( (1-a)\alpha^2 =(1-a)\beta^2 =c \)
ゆえに\( \alpha^2=\beta^2=\frac{c}{1-a} \)となるので
\( -\frac{1}{4a}=\frac{c}{1-a} \)
よってa-1=4acとなるから
\( \displaystyle c=\frac{a-1}{4a} \)
aの範囲はa<0
(2)
b≠0のとき①②からα,βはxについての2次方程式
\( (a-1)x^2+bx+c=0 \)の解である。
③④からα,βはxについての2次方程式
\(4ax^2+2bx+1=0 \)の解である。
最高次の係数をそろえると
\( 4a(a-1)x^2+4abx+4ac=0 \\ 4a(a-1)x^2+2b(a-1)x+(a-1)=0 \)
これがどちらもα,βを解に持つので
どちらも4a(a-1)(x-α)(x-β)とかける。つまり,最高次の係数をそろえてあるので残りの係数もそれぞれ等しい。
係数を比較すると
\( 4ab=2b(a-1) , 4ac=a-1 \)
b≠0より\(a=-1,c=\frac{1}{2}\)
たとえば①②が異なる2つの実数解をもつので判別式が正であることから
\( b^2-4(a-1)c>0 \)が得られます。※ついでに最高次の係数≠0よりa≠1もわかります。
(1)では\( b=0,c=\frac{a-1}{4a} \)を代入すると
\(\displaystyle -\frac{(a-1)^2}{a}>0 \)となるのでa<0がわかります。
(2)では\( a=-1,c=\frac{1}{2} \)を代入すると
\( b^2+4 > 0\)なのでbはすべての実数。問題でb≠0とあるから一応b≠0としておきますがb=0のときも(1)に含まれます。
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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