上野竜生です。直線に関する対称移動を扱います。結果だけほしい場合の組み立て方と記述力もしっかりしたい場合の2パターンの解法を扱います。
絶対値は|z|と同じ・・・①
原点をOとするときOP(z')とOP(z)の二等分線がl つまりargz'+argz=2argα・・・②
②よりzz'=rα2とおける。(rは実数)
よって\(\displaystyle z'=r\frac{\alpha^2}{z} \)
両辺の絶対値をとると①より|z|=|z'|だから\( \displaystyle r=\frac{|z|^2}{|\alpha|^2} \)
これを代入すると
\(\displaystyle z'=\frac{|z|^2}{|\alpha|^2} \cdot \frac{\alpha^2}{z} =\frac{z \bar{z} \alpha^2}{\alpha \bar{\alpha} z}=\frac{\alpha}{\bar{\alpha}}\bar{z} \)
(argα=A+2nπ,argz=B+2mπとおくと2argα-argz=2A-B+2(2n-m)πなので2A-Bと同一視できる)
別解
step1 -argα回転して直線lを実軸に重ねる
step2 実軸に関して対称移動させる
step3 argα回転させる
zを-argα回転させる
argα=θとするとα=|α|(cosθ+isinθ)なので\( \displaystyle \frac{\alpha}{|\alpha|}\)をかけるとθ回転する。
よって\( \displaystyle \frac{\alpha}{|\alpha|}\)でわると-θ回転する。
∴zを-argα回転移動させた点は\( \displaystyle \frac{|\alpha|}{\alpha} z \)
実軸に関して対称移動させるには共役な複素数をとればいいので
\( \displaystyle \overline{\frac{|\alpha|}{\alpha} z} = \frac{|\alpha|}{\bar{\alpha}} \bar{z} \)
これをargα回転移動させると
\(\displaystyle z'= \frac{\alpha}{|\alpha|}\cdot \frac{|\alpha|}{\bar{\alpha}} \bar{z}=\frac{\alpha}{\bar{\alpha}} \bar{z} \)
別解のほうが一般的な解法です。3つのstepを覚えてもstep1やstep2の具体的な方法も少し変わった知識なので別解を覚えておくと良いでしょう。ただ証明不要で結果を思い出したいときは最初の模範解答のほうが比較的簡単な知識で導くことができると思います。
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