上野竜生です。aのb乗とbのa乗に関する問題はたまに出るのでここで解き方を紹介します。
例題
こういう問題の解き方はある関数f(x)をおいてf(99)とf(100)の大小比較の話に持ち込み,99≦x≦100で増加関数か減少関数かを調べることです。ではどういう関数がいいでしょうか?
このまま変形してもできますが対数をとると話は早そうです。ここで両方に対数を取ってみます。
100log99 , 99log100
ここから両辺を99×100で割ると・・・
\( \displaystyle \frac{\log{99}}{99} , \frac{\log{100}}{100} \)
となりました。これで\(f(x)=\frac{\log{x}}{x}\)とおいて微分すればいいことがわかります。
答え\( f(x)=\frac{\log{x}}{x} \)とおくと
\( \displaystyle f'(x)=\frac{1-\log{x}}{x^2} \)
よってx>eではf'(x)<0なので単調減少。
ゆえにf(99)>f(100)
\( \displaystyle \frac{\log{99}}{99}>\frac{\log{100}}{100} \)の両辺
99×100をかけると
100log99>99log100
よってlog99100>log10099となり99100>10099
\( f(x)=\frac{\log{x}}{x} \)とおくとf(a)=f(b)にならないといけません。つまりf(x)=f(a)(=kとおく)がx=a以外に解をもつということですからy=f(x)とy=kの交点の数が2つ以上ないといけません。それに注意して解答を作成します。なお,\( y=\frac{\log{x}}{x} \)のグラフの書き方については陽関数のグラフの書き方の例3に挙げているので細かい微分の結果などは省略し,増減表とグラフの結果のみを示します。
答え\( f(x)=\frac{\log{x}}{x} \)とおくと増減表・グラフは下の通り
よってy=f(x)とy=kが2つの交点をもつのは\( 0<k<\frac{1}{e} \)のときであり,このときの交点のx座標が問題文のa,bでありa<bとすると1<a<e,b>eが成り立つ。
a,bは整数だからa=2でしかありえない。
f(2)=f(4)よりb=4であり,y=f(x)とy=f(2)の交点は2つだからこれ以外に解はない。
よってa>bの場合も含めて(a,b)=(2,4),(4,2)
初見では解きにくいです。私も最初はどう解くかわかりませんでした。慣れればこの発想はスムーズにできるようになります。あくまでも過程を大事にしてください。それでは応用問題を出して終わりにします。
問題
f(x)=x1000xとおき,f(0.2021)とf(0.2022)の大小比較をすればいいとわかりますね?
xのx乗のタイプなので微分するときは対数微分を使います。
答えf(x)=x1000xとおく。
両辺に自然対数を取るとlogf(x)=1000xlogx
両辺をxで微分すると\( \displaystyle \frac{f'(x)}{f(x)}=1000\log{x}+1000 \)
よって\( f'(x)=1000x^{1000x}(\log{x}+1) \)
よって\( 0<x<\frac{1}{e} \)ではf'(x)<0であり単調減少。
0.2021,0.2022はこの区間の中だからf(0.2021)>f(0.2022)
よって0.20212021>0.20222022
これは最初計算する前,予想を裏切られました。どうしても22<33<44<・・・の感覚で指数部分もそうじゃないほうも両方大きくなるから0.20222022のほうが大きそうと思ってしまいますね・・・。微分を使って証明できる面白い事実だと思います。
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