上野竜生です。座標平面の基本となる距離・内分・外分の公式を理解しましょう。なおここで1次元~3次元まですべて扱います。
【復習】1次元のとき
点A(x1)とB(x2)の距離は|x1-x2|
AとBをm:nに内分する点の座標は\( \displaystyle \frac{nx_1 + mx_2}{m+n} \)
AとBをm:nに外分する点の座標は\( \displaystyle \frac{-nx_1 + mx_2}{m-n} \)
3つめの公式はm:nに外分=m:(-n)に内分 と覚えましょう。2つめの公式のnのところを(-n)におきかえただけです。
[2つ目の証明] x1<x2のときだけ示す。x1>x2のときも同様。
x1とx2をm:nに内分する点の座標を\( \alpha\)とおく。よって
\( (\alpha-x_1):(x_2-\alpha)=m:n \)
\( n(\alpha-x_1)=m(x_2-\alpha)\)
\( (m+n)\alpha=nx_1+mx_2 \)
あとは(m+n)で割れば求める式を得る。
[3つ目の証明] x1<x2かつm>nのときだけ示す。その他の時も同様。
x1とx2をm:nに外分する点の座標を\( \alpha\)とおく。m>nのとき\( x_1<x_2<\alpha \)である。よって
\( (\alpha-x_1):(\alpha-x_2)=m:n \)
\( n(\alpha-x_1)=m(\alpha-x_2)\)
\( (m-n)\alpha=-nx_1+mx_2 \)
あとは(m-n)で割れば求める式を得る。
2・3次元でも全く同様です。
2次元のとき
A(x1,y1), B(x2,y2)とする。
・A,Bの距離は\( \sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2} \)
・A,Bをm:nに内分する点の座標は\(\displaystyle \left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\frac{ny_1+my_2}{m+n} \right) \)
・A,Bをm:nに外分する点の座標は\(\displaystyle \left(\frac{-nx_1+mx_2}{m-n},\frac{-ny_1+my_2}{m-n} \right) \)
[1つ目の証明] 三平方の定理より
\( \displaystyle \sqrt{|x_1-x_2|^2+|y_1-y_2|^2}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2} \)
[2つ目・3つ目の証明] A:Bをm:nに内分すればx座標,y座標もm:nに内分されるので明らか。外分も同様。
3次元のとき
A(x1,y1,z1), B(x2,y2,z2)とする。
・A,Bの距離は\( \sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2+(z_1-z_2)^2} \)
・A,Bをm:nに内分する点の座標は\(\displaystyle \left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\frac{ny_1+my_2}{m+n} , \frac{nz_1+mz_2}{m+n} \right) \)
・A,Bをm:nに外分する点の座標は\(\displaystyle \left(\frac{-nx_1+mx_2}{m-n},\frac{-ny_1+my_2}{m-n},\frac{-nz_1+mz_2}{m-n} \right) \)
B'(x2,y2,z1)とするとAB'2=(x1-x2)2+(y1-y2)2
△AB'Bも∠AB'B=90度の直角三角形だから三平方の定理より
AB2=AB'2+(z1-z2)2=(x1-x2)2+(y1-y2)2+(z1-z2)2
\( \sqrt{(x_1-x_2)^2}=|x_1-x_2| \)なので2・3次元と全く同じといえます。
公式を適用するだけですがいざ数字が入ってくるとどれを代入するか間違う人が出るので実際に計算してみましょう。
練習
(1) OAの長さを求めよ。
(2) OAを3:2に内分する点の座標を求めよ。
(3) OAを2:3に外分する点の座標を求めよ。
もちろん頭の中でわかっていればOA=\( \sqrt{5^2+2^2}=\sqrt{29} \)と略して書いてもOK。
(2) 求める座標は\( \displaystyle \left(\frac{2\cdot 0 + 3\cdot 5}{3+2} , \frac{2\cdot 0 + 3\cdot 2}{3+2}\right)=\left(3,\frac{6}{5} \right) \)
(3) 求める座標は\( \displaystyle \left(\frac{-2\cdot 0 + 3\cdot 5}{3-2} , \frac{-2\cdot 0 + 3\cdot 2}{3-2}\right)=(15,6) \)
(1) ABの長さを求めよ。
(2) ABの中点の座標を求めよ。
(3) ABを4:1に外分する点の座標を求めよ。
\( \sqrt{(1-5)^2+\{5-(-7)\}^2+(-3-0)^2}=\sqrt{4^2+12^2+3^2}=\sqrt{169}=13 \)
(2) 1:1に内分なので求める座標は
\( \displaystyle \left(\frac{1+5}{2} , \frac{5-7}{2} , \frac{-3+0}{2}\right)=\left(3,-1 ,-\frac{3}{2} \right) \)
(3) 求める座標は
\( \displaystyle \left(\frac{-1\cdot 1 + 4\cdot 5}{4-1} , \frac{-1\cdot 5 + 4\cdot (-7)}{4-1},\frac{-1\cdot (-3) + 4\cdot 0}{4-1}\right)=\left( \frac{19}{3},-11,1\right) \)
解説を読んで数学がわかった「つもり」になりましたか?数学は読んでいるうちはわかったつもりになりますが演習をこなさないと実力になりません。そのためには問題集で問題を解く練習も必要です。オススメの参考書を厳選しました
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