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上野竜生です。3,6,12,24,48,…のように次の項が前の一定倍(この例なら2倍)になっているものを等比数列といいます。今回は等比数列の性質を紹介します。

等比数列(一般項・和の計算)

定義

数列{an}が等比数列であるとはすべての自然数nに対して\( \displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_n} \)が一定の値rになること。つまり

\( a_{n+1}=ra_n \)という漸化式で作られる数列のことです。

このときa1初項,rを公比といいます。

 

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一般項

初項がaで,公比がrである等比数列の一般項は\( a_n= ar^{n-1}\)

a1=a,a2=ar,a3=ar2・・・と実際に書けば指数がn-1になっているのも無理なく理解できるでしょう。最初のうちは指数が1つずれないように注意が必要です。そのためには一度公式を書いた後n=1,2あたりを代入して等号が成立するか確かめればいいでしょう。慣れれば不要です。

例題1

次の等比数列の一般項を求めよ。ただし公比は正の実数とする。
(1) a1=3,a4=24
(2) a3=16 , a4+a5=96

問題文に等比数列と書かれているので初項a,公比rとおいてan=arn-1まではおけます。あとは連立方程式を解くだけです。

答え初項をa,公比をrとする。
(1) a=3, ar3=24よりr3=8 ∴r=2 (rは実数)
よってan=3・2n-1
(2) ar2=16 , ar3+ar4=ar2(r+r2)=96
∴r+r2=6  r2+r-6=(r+3)(r-2)=0よりr=2(∵r>0)
よってar2=16に代入するとa=4
以上よりan=4・2n-1=2n+1

例題2

a1=1-x, a2=3x+2 , a3=2x+28が等比数列となるときxの値を求めよ。

初項をa,公比をrとするとa1=a , a2=ar , a3=ar2が成り立つので

a1a3=a22が成り立ちます。これを使いましょう。

答えanが等比数列ならばa1a3=a22が成り立つので

(1-x)(2x+28)=(3x+2)2が成り立つ。

2x-2x2+28-28x=9x2+12x+4

11x2+38x-24=(x+4)(11x-6)=0

よって\(\displaystyle x=-4, \frac{6}{11} \)

等比数列の和

初項a,公比rである等比数列の初項から第n項までの和Sを求めたい。

S=a+ar+ar2+・・・+arn-1   ・・・①
両辺r倍すると
rS=  ar+ar2+・・・+arn-1+arn  ・・・②

①-②を計算すると

(1-r)S=a-arn

よってr≠1のとき\( \displaystyle S=\frac{a-ar^n}{1-r} \)が成り立つ。

r=1のとき①はS=a+a+・・・+a=anとなる。

まとめると・・・

初項a,公比rである等比数列の初項から第n項までの和は
r=1のときanであり,
r≠1のとき\( \displaystyle a\frac{1-r^n}{1-r} \)である。

これこそ指数のミスがおきやすいので毎回①-②の引き算をすることをオススメします。

 

問題集などでは和は公式として暗記しているものとして公式に代入して求めていると思います。ですがミスの元なのでできるだけ今回の考え方を身につけましょう。いずれも教科書基本レベルであり,ミスしやすくてもミスしてはいけないレベルです。

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