上野竜生です。
整式の展開は高校数学で最初にやってくる分野です。そのため難易度も低いのですがここで行き詰まっている人もいるかと思いますので解説します。
基本公式
この計算を間違う方がいます。特に(x+y)3=x3+y3と勘違いするようですね。
この計算は今後頻出ですので必ず覚えておきましょう。なお,このあと登場する二項定理を覚えればこの公式はそこから導出できるのでそこまで待ってもいいでしょう。
公式(1)を忘れた場合の導出
実際に展開します。
(x+y)2
=x2+xy+yx+y2
=x2+2xy+y2なので
(x+y)3
=(x+y)2(x+y)
=(x2+2xy+y2)(x+y)
=x3+2x2y+xy2+x2y+2xy2+y3
=x3+3x2y+3xy2+y3
ところで,これとセットで次の公式も覚えさせられたでしょう・・・
$$(x-y)^3=x^3-3x^2y+3xy^2-y^3 \cdots (2) $$
例題1
このぐらい覚えるという方もいるかもしれませんが,これから数IIになると三角関数の公式が山ほど出てきます。プラスマイナス両方覚えると大変ですが+だけ覚えておいてマイナスは導出できれば半分で済みます。なのでこの練習は必要です。
答え(見やすくするために(1)の式を大文字にしています)
\( (X+Y)^3=X^3+3X^2Y+3XY^2+Y^3 \)に\(X=x\)を,\(Y=-y\)を代入すると
\( \begin{eqnarray}
& &(x-y)^3\\
&=&x^3+3x^2(-y)+3x(-y)^2+(-y)^3\\
&=&x^3-3x^2y+3xy^2-y^3
\end{eqnarray}\)
(証明終わり)
意外と簡単ですね。暗記の量を減らすコツですので理解しておきましょう。
ところで次の問題になると計算間違いする人が増えてしまいます。
例題2
この問題で係数を間違う人はまず最初に( )をつけておくクセを付けておきましょう。
& &(3+2\sqrt{2})^3\\
&=&(3)^3+3(3)^2(2\sqrt{2})+3(3)(2\sqrt{2})^2+(2\sqrt{2})^3\\
&=&27+3\cdot 9 \cdot 2\sqrt{2} + 3 \cdot 3 \cdot 8 + 8 \cdot 2\sqrt{2}\\
&=&27+54\sqrt{2} + 72+16\sqrt{2}\\
&=&99+70\sqrt{2}
\end{eqnarray} \)よって(ア)=99 , (イ)=70
このようにしないとどこまで2乗で・・・とか公式に現れる係数の3なのか問題文の3なのか・・・とかややこしくなってしまいます。
この分野で躓くと数学が苦手になるのは間違いありませんので自分なりの計算ミスの減らし方を見つけておきましょう。
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