上野竜生です。今回はOから平面ABCにおろした垂線の足(垂線と平面の交点)をHとしたときHの座標やベクトルを表すことを考えます。そしてその応用として傾いた四面体の体積を求める方法を紹介します。
基本は2つのベクトルと垂直に交わる
今回はOから平面ABCにおろした垂線の足をHとする。このHのベクトル\(\vec{OH} \)を\(\vec{OA} , \vec{OB} , \vec{OC} \)の一次結合で表したい。まずHは平面ABC上にあるから
\(\vec{OH}=s\vec{OA}+t\vec{OB}+u\vec{OC} \)とかけ,s+t+u=1である。
ここで1変数が消去される。(たとえばu=1-s-tとすればuは消去される)
残り2変数を定めればHは決まる。
実はOH⊥平面ABCであることを次のように表せます。
\(\vec{OH} \cdot \vec{AB}=0 \)・・・①
\(\vec{OH} \cdot \vec{BC}=0 \)・・・②
\(\vec{OH} \cdot \vec{AC}=0 \)・・・③
ここで\(\vec{AC}=\vec{AB}+\vec{BC} \)なので③=①+②となっており3つ目の式は無意味です。というより①②③のうちどれか2つを立式すればよいのです。
これを覚えておけば残りの2変数も消去できますね。
1つでは不十分です。3つでもいいですが1つは必ず無駄な式になります。2つ立式するということを覚えましょう。
例題
(1) 三角形ABCの面積を求めよ。
(2) Hの座標を求めよ。
(3) 四面体PABCの体積を求めよ。
だから
よって三角形ABCの面積は
=\displaystyle \frac{1}{2}\sqrt{11\cdot 26 - (-16)^2}=\frac{1}{2}\sqrt{286-256}=\frac{\sqrt{30}}{2} \)
(2) Hは平面ABC上にあるから実数s,tを用いて
とかける。
\(\vec{PH} \cdot \vec{AB}=0 \)より
-3(-4s-7t+5)+(3s+4t-1)-(-s-2t+2)
=12s+21t-15+3s+4t-1+s+2t-2
=16s+27t-18=0・・・①
\(\vec{PH} \cdot \vec{AC} =0 \)より
4(-4s-7t+5)-3(3s+4t-1)+(-s-2t+2)
=-16s-28t+20-9s-12t+3-s-2t+2
=-26s-42t+25=0・・・②
①②を解くと\(\displaystyle s=-\frac{27}{10}, t=\frac{34}{15} \)
よって\(\displaystyle \vec{PH}=\left(-\frac{1}{15} , - \frac{1}{30} , \frac{1}{6} \right) \)
\(\vec{OH}=\vec{OP}+\vec{PH} \)よりHの座標は
\(\displaystyle \left(\frac{29}{15} , -\frac{1}{30} , \frac{1}{6} \right) \)
(3) 底面をABCとみると高さは\(|\vec{PH}| \)
\( \displaystyle |\vec{PH}|=\frac{\sqrt{4+1+25}}{30}=\frac{\sqrt{30}}{30} \)
よって求める体積は
\(\displaystyle \frac{\sqrt{30}}{2} \cdot \frac{\sqrt{30}}{30} \cdot \frac{1}{3}=\frac{1}{6} \)
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